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小泉今日子と円朝がつながった~落語漬けの日々で理解深めるキョンキョンに脱帽

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この放送を聞いて胸を撃ち抜かれたのが太田光(爆笑問題)だった。

<「JUNK 爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)2017年5月16日放送より>
太田「キョンキョンがいま志ん生の『名人長二』をプロデュースしてるって、なんかジーンと来ちゃってさ。その豊原さんって人がオレと同んなしようにカセットで古今亭志ん生と出会って、っていうことも」

太田は最近トークの端々で話題のドラマ「やすらぎの郷」に触れては、自分もまた「テレビをダメにした」当事者であり、だからあのホームには入れないと自身をツッコんでいた。その冗談とも本音とも受け取れる発言の中で「自信なくしてた」とこぼしつつ、

<「JUNK 爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)2017年5月16日放送より>
太田「(オールナイトニッポンGOLDで)キョンキョンが『私達はオトナの人達からね、もうダメな世代かと思われてたかもしれない。・・・新人類とか言われてました。(略) 私達の世代ってそういうふうに言われてたけど、私達の世代でなきゃ出来ないこともあったと思う』と」
「キョンキョンが言ったから、すごい救われたっていうか、すごい誇らしいというかね、ましてや豊原さんとかも同なしで、その人達が古今亭志ん生のそれを掘り起こして、今の現代に問うているということが同い年としてね」

太田光、1965年5月生まれ
小泉今日子、1966年2月生まれ
豊原功補、1965年9月生まれ

三人とも現在51歳~52歳、同学年だ。

▽  ▽  ▽

落語への思い深さが随所に

そして、小泉今日子のリーチが落語に伸びて制作された舞台『芝居噺 名人長二』が、5月25日、新宿・紀伊国屋ホールで幕を開けた。後方の客席で初日公演を観劇した。

この物語に、円朝原作に、志ん生口演に、確かに在りながらも物語が進むにつれて色濃くなる人情噺のフレームが次第に覆い隠していた長二という生き様の命題を、その首根っこを、豊原がむんずとつかんで掲げたような舞台だった。

壊れないものと壊れるもの
壊れやすいものと壊れにくいもの
壊してはならなかったものと壊さなくてはならなかったもの

長二を軸に登場人物達がみなそれぞれに背負う「壊れ」が舞台を押し進める。自身にとって「壊れ」とは何か。この命題を貫くことで原作の終盤を一気に書き換えた豊原版『名人長二』。人情噺はルノワールとなり、2017年の『名人長二』がシャレっ気まじりに姿を現した。

人物達が一人語りで場面をつなぎあう構成、小道具を仕草で見せるスタイル、シンプルなセットの組み換えで想像力を喚起させる演出、そしてラスト、タイトルに『芝居噺』と打った真意と豊原の落語への思い深さが随所に伝わった。

「ナリ、装い」の描写を原作に忠実に残したのは円朝の目に映ったものを再現しようという気概か。また、シリアスな中にも笑いをまぶす塩梅が程よく、その演出に応える役者陣の力量に感心した。(山本亨の「ただ殺しちゃった」の言い回しに腹を抱えて笑った)

明治27年に円朝が書き下ろし、昭和34年に志ん生が高座にかけ、平成28年に豊原功補による企画・脚本・演出・主演によってそのバージョンを更新した『名人長二』。

公演は新宿・紀伊国屋ホールで6月4日(日)まで。

明後日プロデュースVol.2 芝居噺「名人長二」
http://www.nelke.co.jp/stage/asatte_vol2/

初日の幕が下りて客席に明かりが戻ると、劇場の中程で空気が揺れていた。そこにモノトーンのジャケットを着た小顔の女性が遠目に見えた。小泉今日子だった。おそらくはプロデューサーとして客席の反応と共に一喜一憂する個人的な時間を過ごしただろう。笑顔だった。安堵の笑みだと思う。

▽  ▽  ▽

思い返すと、自分が初めて古今亭志ん生を聞いたのは、父親が持っていたSONYのカセットテープCHF-120に入っていた「らくだ」だった。

「これが志ん生か・・・、たけしさんが志ん生が一番すごいんだって『宝島』に書いてたっけ」

テープを再生すると、ゆったりした息遣いでどこかぶっきらぼうにむにゃむにゃ喋るおじいさんの声が聴こえてきた。その口調にすんなりついて行くことが出来ず「このむにゃむにゃのどこがすごいんだろう?」と行き場を見失った。

当時高校一年、16才、1982年だった。この年、小泉今日子は「私の16才」でデビューした。自分も小泉今日子と同い年だ。

あれから35年が経った。キョンキョンと言えば小泉今日子だったのにいつからだろう、落語が身近な日常が続いてキョンキョンと言えば柳家喬太郎になっていた。だが、この5月はどうあれ、どうあろうとも、キョンキョンと言えば、なんてったって小泉今日子、なのである。

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