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俺はおじさんだが、思春期心性を腹の中に飼っているぞ

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「思春期以前を捨てるのでなく、社会適応の外殻ができる」という考え方

   「成熟」「大人になる」ってことには、色々な考え方やモデリングがあるでしょうし、私も、あれこれのモデルがそれなり好きです。
 
 ただ、私自身を振り返って時々考えるのは、おじさん・おばさんになるってのは、思春期心性の外側に「大人」的な社会適応の外殻を築いていくってことなんじゃないかなぁ、ってことです*1
 
 どんなおじさん・おばさんも、生まれた時からそのような性質を持っているのではない。子ども心が中心だった時代もあるだろうし、中二病的な、思春期心性がすごく強かった時期もあるでしょう。そういう歴史の積み重ねのうえにおじさん・おばさんの人格が陶冶されていくのだとしたら、いちばん新しくて社会性の洗練された振る舞いの内側に、それ以前の心性や振る舞いが眠っているのは自然ではないでしょうか。
 
 いわゆる「大人になる」ってのも、思春期心性を脱ぎ捨てて別の何かになるっていうより、思春期心性の外側に「大人」的な社会適応の外殻をペタペタと貼り付けて、それらしい振る舞いを身に付けていくことではないか、とも思うのです。もちろん、思春期心性のさらに内側には、子ども心が眠っていることでしょう。
 
 [関連]:大人は「なる」ものじゃない。大人は「やる」もの。「引き受ける」もの。 - シロクマの屑籠
 
 とはいえ、四十代五十代になって思春期心性や子ども心のままに行動していては、渡世は覚束きません。
 
 そこで頼りになるのが、社会適応の外殻の強度であったり、社会性の洗練の度合いであったりします。成人として・中年としてまなざされる自分自身にちょうど良い処世術を身に付けること――私は、そういった処世術に長けているとは言えず、周囲の同年代に感心ばかりしているような中年ですが、とにかくも、そういった処世術の重要性は強く自覚しているつもりです。
 
 それともう一つは、自分が飼っている思春期心性や子ども心を完全に抹殺してしまうのでなく、適度に外界に触れさせて、呼吸させておくこと。
 
 思春期心性や子ども心を完全に抑圧し、社会適応の外殻にすべてを委ねるようにして生きていると、檻の中に閉じ込めておいた獣よろしく、思春期心性や子ども心が腹の中で爆発しちゃうんじゃないかと私は疑っています。自分の内に秘めた思春期心性や子ども心を抑圧している人のほうが、ある日、突然に人生のちゃぶ台返しをしてしまうリスクが大きいのではないでしょうか。
 
 たとえば私の場合、ブログや書籍づくりやインターネットの人々との交流によって、思春期心性や子ども心が外界に触れて呼吸できる状態になっているので、それらが抑圧されて内圧が上がり、爆発してしまうとは考えられません。たぶん、他のおじさんおばさんだって、どこか、そういう部分はあるんじゃないかと思います。さきに触れたように、自分自身が中二病やらなくったって、年少者のそれをみていてエネルギー充填できるだけでもいいんです。
 
 なので、これからおじさんおばさんになる人も、自分の思春期を抹殺しようとするのでなく、社会的に無理のないかたちで腹の中に飼い続けるポリシーが良いのではないか、と個人的には思います。まあ、飼い殺しでもなんでもいいですが、とにかく、抑圧一辺倒はやめたほうがいいのでは。そして、過去の自分のメンタリティと、現在の自分の社会適応の外殻の、両方を大切にして、適切に統御していくのが望ましいのではないでしょうか。
 
 尤も、実際に問題になるのはこうしたポリシーの次元ではなく、「じゃあ、どうやって思春期心性や子ども心を穏当に飼い続けていくか」「適切に統御ってどうするよ?」といった、方法論の次元になってくるかとは思います。ですが、最近キーボードの打ち過ぎで指が痛いので、ここらで今日はお開きにしたいと思います。  

*1:紙幅の都合で細かいことは言いませんが、この考え方は、エリクソンの発達段階説のモデルとも、実はそんなに矛盾しません

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