- 2017年05月26日 18:59
共謀罪 ありえぬ暴挙 参院で廃案に
「国連」口実にしつつ指摘無視
「共謀罪」新設法案が23日の衆院本会議を自民、公明の与党と維新の賛成多数で可決、通過した。民進、共産は出席して反対。社民、自由は欠席。社民党の又市征治幹事長は同日発表した抗議談話で、「断固として廃案に追い込む」との決意を示した。
議員会館前では同日昼から本会議と並行して「共謀罪NO!実行委員会」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が集会を開き、「強行採決絶対反対!」「共謀罪は今すぐ廃案!」の声を上げた。16時20分過ぎに法案可決の一報が届くと、約1500人が「強行採決徹底弾劾!」を叫んだ。
集会冒頭のあいさつで社民党の福島みずほ副党首は、ジョセフ・ケナタッチ国連プライバシー権特別報告者が共謀罪法案に懸念を表明する書簡を安倍首相に送ったのに対し、日本政府が国連に抗議したことについて、国連組織犯罪防止条約批准のために共謀罪が必要だとしてきたのに、国連から問題点を指摘されると抗議するのは矛盾しているとして「(今は)国際連盟を脱退した戦前の日本ではない」と批判した。
本会議開会前、社民党の又市幹事長、自由党の小沢一郎代表らは衆院議員会館で共同記者会見。「(野党4党で衆院法務委員会に)差し戻しを求めているのだから、本会議採決に加わるわけにはいかない」(又市幹事長)と、欠席方針の理由を説明した。
捜査権限が乱用されるおそれ
自民、公明の与党は19日の衆院法務委で、「共謀罪」新設法案の採決を強行、維新が賛成した。社民党の又市幹事長は同日、「今回の『共謀罪』法案の審議は異例、異常と言うほかない。所管大臣すら法案の内容を十分理解しているとは言えず、満足に説明できない法案を、数の多数を頼んで押し通すなど国会軽視も甚だしく、民主主義の破壊にほかならない」とする抗議談話を発表した。
共謀罪NO!実行委と総がかり行動実行委が同日夕、国会正門前で開いた抗議集会には9000人以上が参加。政党からは社民・福島副党首、民進・蓮舫代表、共産・小池晃書記局長、参院会派「沖縄の風」・糸数慶子代表があいさつした。
一般人こそ監視対象
一橋大教授の葛野尋之さんは、共謀罪の成立する範囲は曖昧かつ人々の日常生活の広範な場面に及ぶのに加え、捜査権限の発動根拠も不明確だとして「捜査機関の判断によって、疑いがあるとして捜査権限が恣意(しい)的に濫用(らんよう)されるおそれがある」と指摘。政府側が、任意捜査は計画(共謀)の疑いさえあれば準備行為の疑いがなくても可能だとしていることに注意を促した。
「テロ対策」の役には立たない
労働運動と市民運動は「共謀」しよう!――をスローガンに、「労働法制の改悪と共謀罪の創設に反対する連帯集会」が24日、日比谷野音で開かれ、約2500人が参加した(主催・労働運動と市民運動の連帯を目指す1日実行委員会)。参加者は集会後、銀座デモを行なった。
集会では海渡双葉、棗一郎の両弁護士が、共謀罪、労働法制をめぐる情勢についてそれぞれ報告。海渡さんは、23日の衆院本会議討論で与党議員が英国のコンサート会場で22日に起きた自爆テロとみられる爆発事件を共謀罪導入の正当化に使ったことに言及し、「イギリスでは共謀罪があり、監視社会化が進んでいるにもかかわらず、こうしたテロが防止できないことこそ、共謀罪がテロ対策には何の役にも立たないことの何よりの証拠」と喝破した。
集会では政党から社民、民進、共産の各党代表が登壇。社民党からは福島副党首があいさつした。
(社会新報2017年5月31日号より)



