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彼らは何を残したのか?~市民参加メディアを総括する(1)

(「週刊メルマガクリルタイ」Vol.38(2010/04/21配信分) の原稿を再掲)

■ことのは騒動からオーマイニュースへ

Parsley(以下P): 本日は、JANJANが3月末をもって更新を停止して、市民参加型メディアがPJニュースを残して滅んだということで(笑)記念の対談をしたいということで、オーマイニュースをウォッチしていたyetanotherさんをゲストにお迎えしました。

yetanother(以下Y):よろしくお願いします。

P:早速ですが、市民メディア、特にオーマイニュースだと思いますが、注目したきっかけを教えて頂けますか?

Y:私は「ことのは騒動」の延長線上で知りました。泉あいさんと松永英明さんの件がなかったら、オーマイニュースに気付かなかったかもしれません。

P:泉あいさんが、2005年にGripBlogというブログを立ち上げて、ジャーナリスト活動をはじめて、ちょうどそれが衆院選と重なってかなり注目されていた。その後、民主党へのブロガー懇談会を企画なさっていたのですが、懇親会の参加者の一人の松永英明さんのオウム幹部疑惑があり、泉あいさんによるインタビューが炎上するという流れがあったのは、2006年の3月~4月にかけてでした。

republic1963(以下R):佐々木俊尚氏の『フラット革命』(2007年 講談社)にもそのあたり触れられていたので、概略だけは知っています。

P:2005年にブログが話題になって、泉さんが「市民メディアを作ろう」と動いて、それに松永さんがアドバイスしていたという経緯があったのでした。

Y:僕は準備ブログ時代が一番熱心な読者でした(笑)。

P:中台達也記者が書いた靖国神社の記事とか?

Y:そうですね。そんなに右傾化うんぬんっていう記事ではなくて、いい点景を拾っていただけなのに編集委員の佐々木さんが左傾化のフレームアップして叩いた、という…。たぶん市民記者を叩きたかっただろうけど身内をスケープゴートにした構図ですよね。

P:確か、弁護するエントリーをお書きになっていましたよね。

Y:あとで中台さん本人が読んでくれて、コメントいただきました。嬉しかったな。

P:中台記者は、北海道新聞を辞めて、オーマイに入った人なんですよね。

Y:でも彼も早いうちに辞めちゃいましたね。彼がオーマイニュースに入ったのは鳥越さんに憧れたからだったから本当に罪が重い。

P:それは初めて知りました。

Y:北海道警の裏金事件を鳥越さんがスクープで追っていて、彼は当時北海道新聞だったから。あの頃は鳥越さんもジャーナリストだったんだけど、今じゃすっかりタレントに…。

P:鳥越さん時代はいろいろ悶着を起こしていて…。

Y:半分以上は鳥越さんが悶着を起こしていた(笑)

R:「2ちゃんはごみため」という件で、IT戦士(岡田有花記者)と悶着起こしていましたからねぇ…。

P:当時、佐々木さんの他に『ガ島通信』の藤代裕之さんがコンサルみたいな感じでオーマイに入っていたのだけど、見かねた藤代さんが動いて「ブロガー×オーマイニュース」というイベントを早稲田大学で開催したんですよね。

Y:ことのは騒動の時にも絡んでいた佐々木さんやガ島さんがオーマイニュースにも関係してきた時に思ったんですが、なんで登場人物が同じなのかと。結局、ものすごく少ない人数の「身内」だけでまわしていたような印象があります。

P:当時、上智大学の橋場義之教授を座長としたデジタルジャーナリズム研究会というのがあって、僕も末席に加えて頂いていたのですが、簡単に言えば「泉さんを助けようの会」だったんです。で、その中心人物が、佐々木さんや、ガ島さんで、その研究会にオーマイやJANJANの方も出席していたんですね。

Y:オーマイでは、その佐々木さん系の人たちと平野日出木さんや元木昌彦さん系の人たちと2系統あったのかなって思ったんですけど。どうなんでしょう?

P:佐々木さんは、オ・ヨンホ代表に乞われて編集委員になっているんです。人事権はほぼオ代表だったというふうに聞いています。それで、新聞社上がりの平野さんと、佐々木さんがぶつかったわけですよ。ちなみに、元木さんも、オ代表のご指名です。

Y:ああ、オさんはさすがに真剣だったんでしょうね。韓国のオーマイニュースも久しぶりに見ましたけど、ぱっと見は特に変わらずでしたね。Alexaで見たら見事に右肩下がりだったけど。

P:全盛期の20分の1くらいなんじゃないですか。

Y:たぶんそのくらい。3期連続赤字とかだし、いつまでもつやらですね…。

■オーマイ正式オープン⇒即見限り!

R:ちょっと整理すると、オーマイニュースは準備ブログの際に靖国の記事で炎上したのですよね。その後、オープン当初に「インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム」という記事が田中孝太郎名義で掲載され、それが2ちゃんねらーの釣り記事でしたよ、という事件がありました。そういったう流れを見ると、当初オーマイニュースに注目していた人たちはってどちらかというと右寄りな人が多かったいう感じなんでしょうか? オーマイニュースを「反日メディア」として批判をしていた、というような。

Y:うーん。左が記事を書いて、右が叩くって感じですか。市民記者の方に市民運動に参加してる人がいたりもしていました。必ずしも市民運動=左じゃないのですけど。

P:もともと、「韓国発の市民メディア」というレッテルがあるところ、準備ブログの段階で靖国の記事などが掲載されたりして、「やっぱり」みたいな。

Y:韓国由来というほうが大きかったんでしょうね。

P:あの靖国の記事で、一気にネット右翼が食いついた。

Y:それで、正式オープンした日の釣り記事がとどめみたいに。

R:さらにダメ押しで「ブロガー×オーマイニュース」でのItmadia岡田有花記者との「2chはゴミ溜め」発言の言った、言わないの揉め事があってという流れですね。


Y:僕は、マスコミの記事を無断当用して「転電」していたことで、見限ったんでした。しょっぱなにそれだったので、これはだめだ、と。

R:はやっ(笑)。

P:yetanotherさんの他にも、毎日新聞の磯野彰彦さんやfinalventさんがエントリーにしていました。

Y:早稲田のイベントで磯野さんが質問して、逃げられたんですよね。

P:あのイベントで、火消しになるどころか、問題点が沢山あぶりだされる結果になったところも、ウォッチャー的には面白かったですね(笑)。

■「老人」が代表の市民メディア

P:republicさんがオーマイの記事をウォッチし始めたきっかけは?

R:10月に掲載された、pasosaviさんがお書きになった『「アルファブロガー」は成立しているか』という記事を偶然みかけてからです。松永さんが「ブログの効用」みたいな内容のを語っていたインタビューが載っていたんですね。当時、「ことのは騒動」がまだくすぶっている時期で、私は「ことのは騒動」については何かコメントできるほど情報を集めたわけではないんですが、単純に「なんでこんな火中の栗を拾いに行くんだろう」と疑問に思ったのがきっかけです。で、案の定、炎上してるわけじゃないですか。

Y:あのインタビュー記事はいろいろな意味で「周回遅れ」感がありましたね。

R:で、ITmediaの鳥越編集長VS IT戦士の記事とかいろいろ調べて記事を見てみると、それどころじゃない、大変レベルの高いサイトだとわかった(笑)。

Y:準備ブログの時点で鳥越さんが2chに喧嘩を売って、ITMediaと揉めて、JanJanと揉めて炎上マーケティングとしては優秀だったのかもしれませんね。

R:トニオこと音羽理史氏の記事を月刊市民記者賞にしたのも鳥越さんでしたね。鳥越さんはトニオさんを絶賛していて、はてな村民としては大爆笑でした。はてな的にはこれ以上ない撒き餌でしたね。

Y:鳥越さんがトニオさんを絶賛した時に「この人何も知らないんだろうなあ」って思っていました。

P:その後佐々木さんがC-NETのブログで平野さんを批判。そして音羽氏の反論という流れでした。

R:ありましたね。そして「死ね」事件。トニオさんが彼を批判した人達に「死ね」とコメントしてまわったという。

Y:すごい事件名だ(笑)。

P:まぁ、音羽氏的には佐々木さん批判の一環で書いた記事だったと思うんですけれど。僕が編集部に突撃取材をすることで、republicさんやyetanotherさんと繋がったのはありますね。それまでもお互い記事を読んだりぶくまをしたりしていたと思うのですが。

R:そうでしたね。「死ね」事件がなければparsleyさんとやり取りすることもなかった。そういう意味ではわれわれも変な縁ですね。

P:で、僕がインタビューした直前にJ-castニュースが鳥越さんにインタビューした記事が掲載されて、平野さんが元旦に上げた記事があって、軽いお祭り状態だったと。さらに、鳥越編集長退任騒動というのがあって、JANJANの増田記者が退職に追い込まれ、『フライデー』にまで取り上げられるということがあったのですけれど、その頃はどうご覧になっていました?

Y:あれは一応プロ同士の喧嘩だったので、もう市民ジャーナリズムとかの話じゃないと思って。

P:なるほど、たしかに。

Y:ただ鳥越さん逃げたいんだなあというのはすごく伝わってきましたね。

P:オーマイが閉鎖した時に、初期の騒動はぜんぶ鳥越氏が原因みたいなことを元社員の人がいっていたというPJニュースの記事がありましたが、それは違うんじゃないかと思います。

Y:まあ表に出てた部分はたしかに鳥越さんばっかりだったし、編集長だから責任あるのでしょうけれど、サイトとしてはそういう問題以外も山積み。

R:本人たち人の意図とは真逆の意味で客寄せパンダとしての役割は果たしていたと思うけど。

Y:鳥越さんの対談とかPV稼げていたのかな?

P:アーキテクチャとしての問題もあるんですけれど、それ以前に鳥越さんなんて月に1、2回しか出社してなかったんですよ。

Y:そういえばこの前調べたのですが、鳥越さんとJanJanの竹内さんとベリタの現編集長大野和興さんは3人とも1940年生まれ。今年で70歳。ベリタの初代編集長の永井浩氏も、1964年に大学出ているから似たようなものです。

P:面白い符号ですね。

Y:こんな老人が主導権を握っているITベンチャーのセクションって他には考えられないです。

(続く)
(yetanother、Parsley、republic1963)

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