- 2017年05月25日 14:11
【読書感想】若田光一 日本人のリーダーシップ
1/2- 作者: 小原健右,大鐘良一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/01/19
- メディア: 新書
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若田光一 日本人のリーダーシップ?ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験II? (光文社新書)
- 作者: 小原健右,大鐘良一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/02/19
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内容(「BOOK」データベースより)
2014年7月からのおよそ5か月間、自身初の宇宙飛行で長期滞在を行った油井亀美也は、’09年に日本の宇宙開発を担うJAXAによって選抜された。油井が選ばれた背景には、日本の悲願達成への明確な狙いがあった。それは、国際宇宙ステーションの「船長」、すなわち世界を率いるリーダーとなれる人材の獲得である。その船長に日本人として、またアジア人として初めて就任し、’13年11月からの半年に及ぶ宇宙でのミッションを見事果たした若田光一。米露を中心に行われてきた宇宙開発の長い歴史の中でなぜ今、若田が選ばれたのか?日本人は本当に世界のトップとして通用するのか?リーダーの資質とは一体何か?―大好評『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』の著者二人が、若田への密着取材を通じ日本人にとっての永遠のテーマに挑む!
若田光一さんは、日本人宇宙飛行士のエースであり、ずば抜けて優秀な人。
日本人としてはじめて、国際宇宙ステーションの「船長」に選ばれた若田さんに、僕はこんなイメージを持っていました。
だからこそ、この新書の前半で語られる、「若田さんほどの人でも、宇宙飛行士という超エリート集団のなかでは、『普通に優秀』くらいでしかない」という話には、驚いてしまったのです。
驚きつつ読んでみると、アメリカやロシアの「超エリート」は、若田さんですら敵わないような情報処理能力や危機対処能力を持っているのです。
そんな超人たちのなかで、「なぜ、若田さんが『船長』に選ばれたのか?」そして、「若田さんは、どのようにして『船長』としての役割を果たそうとしたのか」という問いへの答えこそが、「日本人が世界のなかで発揮できるリーダーシップとは、どういうものか」なんですよね。
そして2013年11月、4度目の宇宙へ。通算4回は、日本人として最多。さらにロボットアームの操作では、アメリカやロシアの宇宙飛行士を含めても世界トップレベルとされ、英語を使ったコミュニケーション力については、ネイティブレベルと言われるまでに成長した。まさに実力と経験を兼ね備えた存在で、日本人宇宙飛行士の中で群を抜いている。
NASAを取材していくと、船長になるためには、実は若田の積んできたような数々の経験は、最低条件だということがわかる。当たり前と言えば当たり前のことかもしれない。経験のない人間が、輝かしい実績を上げてきた者たちを率いるのは難しい。サラリーマン界がまさにそうだと感じるが、宇宙飛行士の世界も例外ではない。そして、それらの要素を前提にした上で、NASAがさらに重視したのは、若田の人柄の良さだったようだ。
「彼はいつも笑顔で、接しやすい。そして、常に物事を大きく捉え、その中で自分に何ができるかを考えているので、変化に対して柔軟で懐が深い。その彼のパーソナリティ(性格、気質)は、船長にふさわしいと感じました」
そう話すのは、若田を船長に強く推薦したNASAの宇宙飛行士室の室長(当時)、ベギー・ウィットソン。自身も宇宙飛行士であり、女性として初めての国際宇宙ステーションの船長を務めた。ウィットソンは、若田の宇宙飛行士としての能力と実績はもちろん評価しながらも、若田のパーソナリティこそが、船長に推す決め手の一つになったと明かした。
このあと、ウィットソンさんは、若田さんの船長への推薦は「先物買い」であり、推薦した時点では、まだ足りないところがあったことを明かしています。
当時の若田さんには、まだ「組織の中でのマネージメントの力」と、「宇宙における緊急事態でのリーダーシップ」が不足していたのだ、と。
船長には軍人・パイロット出身者が圧倒的に多いそうです。
彼らは、一瞬の判断が生死を分ける状況での経験を宇宙飛行士になる前から積んできているのです。
宇宙の緊急事態では、自分や仲間の命にかかわる決断をしなくてはならない場合もある。
日本航空の整備士から宇宙飛行士となった若田さんは、それまでのキャリアで、「生死がかかった緊急事態」に遭うことはありませんでした。
軍人・パイロット出身者とは、それまでの人生での「危機の場数」が違うのです。





