記事
  • ヒロ

失敗がつきものの新規案件

この10年強で新規案件や新事業を十数件検討、うち手掛けてモノになったのは5-6件位ではないでしょうか?一般的な指標からすると事業化成功率は高いのかもしれませんが、そこには理由があります。人件費がかかっていないからであります。

売り上げに対してコストを抑えることはどのような事業家ももっとも熱心に取り組む分野でありますが、インキュベーション(孵化)の頃は売り上げが上がらないため、損益分岐点に達しないことがしばしばであります。以前、指摘しましたが、起業して3年間赤字を耐えられるかが長く事業を続けられるか一つの重要な分かれ道となると考えています。

ではその経費の中で一般的に最も多く占めるのが人件費ではないかと思います。これが無ければかなりの確率で事業は黒字になるのではないかと思います。そこで私は基本的に個別事業には私の人件費を割り当てず、事業化が成功し、安定するまで人件費期待値もゼロとしています。

社長の人件費は高いものです。なぜ高いかといえばメインストリームの事業でそれなりの利益が得られているからです。そこに新規事業をするからと言ってひよっ子の事業に高い社長の人件費の何%かを振れば黒字になる方がおかしいでしょう。インキュベーションというのは孵化という意味ですから、雛になり、ある程度成長し、卵を産んでくれるまではじっと我慢を強いられるのであります。

事業をたくさんやっていると各事業から大なり小なりのキャッシュフローと利益が生まれてきます。これが社長の人件費になり、あるいは株主としての配当に繋がってきます。会社経営にはいろいろな経営者の思想や発想がありますが私は様々な事業から収益が上がるようある程度リスク分散をさせています。

さて、その新規事業、私も多くの失敗をしました。また、いま、成功している事業でも始めの3年間は事業の見直し、修正、手戻りなど計画段階の浅はかさを何度となく味わってきました。一つには事業遂行のためのスタッフへの期待と実際の仕事の展開が一致しなかったことが挙げられます。正直申し上げると起業して当初のスタッフが残るケースはとても少なく、多くの場合、何らかのスタッフ入れ替え戦が1年以内に起きています。

つまり、いくら計画段階でじっくり考えても知らない分野の起業とは本当に予想しがたいことが次々起きるとも言えるのです。となれば、計画はいくら練ってもその通り行かないとも言え、私は7割準備できたらさっさと事業を進めることにしています。戦略はあらゆることを考え、10割カバーしていますが、それをあるべき事業の姿として枠にはめ込むのは逆にリスクだと思っています。

今、東京で2軒目のシェアハウスの開業の準備を進めていますが、これも1軒目とは全く違ったコンセプトでの挑戦ですので数々の失敗をするのだろうと今から構えています。逆に言えば失敗することが当然であるという心構えがあるために多少のことが起きてもびくともしないとも言えるのです。

最近の事業で思うことは立ち上げに巨額の資金が必要なケースが増えてきている点でしょうか?そうなれば一般の人が起業できるチャンスはほとんどなくなってきます。また、どんな事業でもカバーしなくてはいけない分野、例えば経理、財務、人事、総務などは得手不得手にかかわらず避けて通れないものです。しかし、それらが出来るマルチタスクプレーヤーはそうそういるものではありません。

その場合にはやはり、リーズナブルな費用でヘルプしてもらえる人脈はつくっておくべきだとおもいます。例えば私の場合日本事業の税務処理は大学時代のクラブの同期の人にお願いしています。無理が利くというのが最大のメリットです。あるいは当地のマリーナ事業で人が足りなくなって明日からでも人が欲しいという状況になった際、普段交流のあるあの男が確か今、職探しをしていたな、と思い、声をかけたら一発で決まったこともあります。これらは起業家として問題にぶつかった時、どうそれを処理するのか、焦るのではなく、自分の持てる情報を最大限駆使するというのも大事だと思います。

失敗がつきものの新規案件ですが、そのリスクを低める方法は割とたくさんある、というのも事実です。ある技術や才能一本で勝負に挑む方をよく見かけますが、一番大事なのは持てる力をどう展開し、どう応用できるのか、その才能をマーケティングすることではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

あわせて読みたい

「起業」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    小池知事の詐称疑惑 失職判例も

    郷原信郎

  2. 2

    倉持由香 給付金100万円受け取り

    BLOGOS しらべる部

  3. 3

    AppleMusic停止 異例の抗議行動

    跡部 徹

  4. 4

    都の方針に歌舞伎町経営者が怒り

    BLOGOS編集部

  5. 5

    きゃりー父「投稿に責任を持て」

    文春オンライン

  6. 6

    神の業? コロナ直面のイスラム教

    BLOGOS編集部

  7. 7

    コロナで着目すべき「血液凝固」

    大隅典子

  8. 8

    ユニクロ参入でマスクバブル終焉

    NEWSポストセブン

  9. 9

    アパレル倒産 コロナ前から兆候

    南充浩

  10. 10

    暗号資産に麻生節「名称が悪い」

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。