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大胆な地方制度改革を実現するための方策ー複数地方自治体の長の兼職

大阪都構想や道州制は、日本の政治構造の大転換に繋がる可能性を秘めている。

しかし、今のところは、何十年と議論を重ねても実現できないような夢物語に終わる運命だ。構想自体は面白いのだが、その構想を実現するための方策が用意されていない。憲法について皆それぞれに意見を述べるが、意見を述べるだけでお終い、現実にはちっとも変わらないのと同じである。

衆議院と参議院の両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が得られなければ憲法改正の発議が出来ないという仕組みの下では、両院のいずれかで憲法改正反対派が3分の1以上を占めていれば憲法改正案を葬り去ることが出来るのだから、この仕組みを変えるか、両議院の議員構成が大きく変わらない限りは憲法の改正は事実上不可能ということになる。

小泉総理の時代に憲法改正のための国民投票制度の議論が進展し、安倍内閣で憲法改正手続法が整備されたのは、憲法改正議論を進捗させるような現実的政治基盤が現出したからである。

しかし、残念ながら安倍内閣の時代に参議院選挙で自民党が大きく後退してしまい、衆参の捩れが始まってしまった。

日本の統治機構の大胆な見直しが可能になる政治的な基盤がこれでなくなってしまったのだから、実に惜しいことであった。

現在は衆議院で民主党が圧倒的な議席を占めているが、これはあくまでかりそめのもので、衆議院選挙が行われれば民主党の現職が相当数議席を失うであろうことはほぼ確実になっている。

政治的基盤が大きく変動することが必至の状況の下では、大胆な統治機構の改革など言うだけ無駄というもの。

だから、民主党の鳩山内閣も菅内閣も憲法審査会の始動にはずっと消極であった。おそらく野田内閣もそうならざるを得ない運命である。

日本の統治機構の大改正を私は志向しているが、今はその時に非ず。そう思って、私は憲法改正議論を事実上封印している。日本は、今のところ八方塞だからだ。

しかし、一つだけ突破口がある。地方制度の大改革である。

その突破口の存在を明確に意識し、現実に行動に移しているのが大阪府知事だった橋下徹氏だった。橋下氏の専制的な政治体質やその政治手法には批判が多いが、地方制度の改革から日本の統治機構の抜本改革に繋げようとしている発想の斬新さとその行動力は常人の域を超えている。道州制の議論から大阪都構想に発展していったのは、橋下氏が優れた現実的統治機構改正推進派であることを端的に示している。

地方制度を魅力的なものに変えることが出来れば、日本の統治機構をより良いものに変える試みも成功する可能性が高まる。そういう意味で、橋下氏が大阪市長選挙に立候補したという挑戦自体は凄いことである。大阪都構想を実現し、大阪府と大阪市の重複行政の無駄を排除し行政の一元化を図ろうとする試みは正しい。私は、基本的にそう思っている。

本当は、橋下氏のような改革者が大阪府知事と大阪市長を兼職できるようにすれば改革の一元化が出来る。都道府県の合併議論や都道府県と政令市の行政の一元化のためには、複数自治体の長の兼職・兼務が出来るようにすることが一番早い。

どうやら今回の大阪府知事選挙と大阪市長選挙はたすき掛けで終わりそうな状況であるが、今回の選挙が大阪府と大阪市の二元行政、重複行政の見直しと大胆な地方行政制度改革への突破口を開いてくれることを、私は期待している。

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