- 2017年05月21日 08:53
加計学園獣医学部新設は「石破4条件」を満たしているか
1/2■ずさんな「総理のご意向」文書の調査
5月18日の衆議院文部科学委員会で、加計学園による大学獣医学部の新設問題を取り上げました。
民主党獣医師問題議員連盟の事務局長を務めたこともあり、特区による獣医学部新設には以前から関心を持っていました。
政府からも定期的にヒアリングを続けてきましたが、その私から見ても、特にこの1年で劇的に進んだという印象を持っています。
18日の国会では、その日に報じられたいわゆる「総理のご意向」文書について、その真偽を松野文科大臣に質しました。
大臣は「確認したい」と引き取ったのですが、役所のこの手の調査としては異例の早さで、翌19日の午後4時に「文書の存在を確認できなかった」との調査結果を発表したのです。
しかし、この調査はあまりにもずさんです。
調べたのも、文科省専門教育課の「共有フォルダ」だけ。なぜか担当者のパソコンや個人フォルダは一切調べていません。
官房長官が、早々に「怪文書」などと言い切ってしまったことから、その発言とつじつまを合わせるために調査対象を限定したのでしょうか。
問題となっている文書の一つに、元国会議員で獣医師の北村直人氏と文科省専門教育課のM課長補佐のやりとりを記したものがあります。
北村直人氏が「(文書の内容は)99.9%そのとおり」と言っているにもかかわらず、やりとりの相手方であるM補佐の個人パソコンやファイルは確認していないのです。
これは明らかに調査として不十分です。
身内による調査には限界があります。文科省は外部の人材を入れて調査をやり直すべきです。
■加計学園獣医学部は閣議決定違反?
文書の真偽にばかり注目が集まっていますが、重要なことは、
- これまで50年以上認められてこなかった獣医学部の新設が、なぜ加計学園だけに認められたのか。
- 認められる過程で、安倍総理と加計理事長が親しい関係であることを背景に、森友学園のような「特別な対応」があったのかどうか。
この2つです。
そこで私が注目しているのが、閣議決定で定めた「石破4条件」です。
平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」には、国家戦略特区における獣医学部の新設の検討が盛り込まれましたが、その際、満たすべき「4条件」が明記されました。
この「4条件」は、第2次・第3次安倍内閣で国家戦略特区担当大臣を務めた石破茂さんの時代に作られました。
⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
(「『日本再興戦略』改訂2015」 p.121より)
現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、
ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになり、かつ、
既存の大学・学部では対応困難な場合には、
近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。
「石破4条件」は、簡単に言えば、既存の獣医学部では対応できない新たなニーズに応える獣医師を養成するのであれば、新設を認めるというものです。
私は、地域を限定して規制の特例を認める「特区」という枠組み自体には反対ではありません。
しかし、ここで問われるのは、加計学園が新設する獣医学部が、この閣議決定された「石破4条件」を満たしているかどうかです。
ちなみに、閣議決定とは、内閣を構成する大臣全員が署名する政府の最重要文書で、内閣法第6条には、
内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。
と定められています。法律上、総理大臣は閣議決定を守る義務があるのです。
私は、加計学園の新設する獣医学部が「石破4条件」を満たしておらず、閣議決定違反の可能性があるのではないかと考えています。そして、そのことを裏付ける証拠の一つが、加計学園が回答した定員160名の算出根拠です。



