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電車内の痴漢現場と冤罪と私

先日、仕事帰りのラッシュ時に痴漢疑惑現場に居合わせてしまいました。最終的に男性は捕まらず、女性が男性に謝るとともに、男性も女性に対する言動に対して謝る結果となりましたが、なんとも考えさせられる体験でした。駅員には「あなたがいなければ男性は捕まっていた可能性がとても高かったんですよ」と言われ、とても怖いな、と思ったので、その話を紹介します。

赤坂見附駅で銀座線に乗り込み、青山一丁目までの一駅を移動する間に事は起こった。夕方の銀座線ラッシュ、人の乗り降りが激しい赤坂見附駅。自分は列の先頭にいて、後ろからどんどん人が入ってくる。後ろからぶつかってきた男性が当事者となる人。ドンっとぶつかってきたので驚いたが、その男性も後ろからどんどん押されてきていたので仕方がないな、と思った。奥側のドアの前まで押され、自分の場所を固定するために私はつり革の鉄棒に両手で掴まった。となりの男性は帽子を被っていて、マスクをし、右肩に荷物をかけていて、左手に手持ちのバッグを持っていた。よくよく覚えているのはその男性が右手でつり革を持っていた事だ(だから自分はつり革に捕まることができず鉄棒に掴まっていた)。最初はたしかに「ちょっと変わっている人だな」と思った。

電車が出発して30秒くらいすると、男性が「なんだよ?」と右隣の女性に言葉をかける。どうやら男性のカバンが女性に当たっていたようで、女性がそのカバンを払ったのだ。女性は就活中の大学生って感じだった。
(男)「なんだよ?」(女)「やめてください」(男)「何をだよ?」(女)「やめてください」(男)(少し苛立ち気味に)「だから何をだよ?!」
男性は右肩からかけているカバンが女性にあたっている自覚をもっていなかったので、イライラしていた。
(女)「次の駅でおりてください」(男)「は?なんでだよ?」(女)(涙ぐみながら)「誰か助けてください、この人痴漢です!」
え?痴漢って、、、この男性はさっきからずっと右手はつり革を持っているし、痴漢ってことはない。女性は痴漢をされたかもしれないけど、この男性でないことは確か。でも、ここからが男性側も問題で、、、
(男)「テメーみたいなブスを誰が触るんだよ。勘違いしてんじゃねーよ。気持ち悪いな!」(女)「誰かこの人を次の駅で降ろしてください!!この人痴漢です!!」
電車内の雰囲気は「この男やりやがったな」って空気。こういう場面って、どうしても女性が被害者で男性が加害者の構図が自然と出来上がる。すぐさま車内にいた他の人が女性に対して「大丈夫ですか?次の駅でおりましょう」となる。女性の方も声をあげたことはとても勇気が必要なことだと思うし、それ自体は素晴らしいことだと思うが、このままだと全く罪がない人が痴漢容疑で逮捕されるかもしれないと思うと、話は違う。 男性側は意味がわかっていない状況でかつ怒り心頭って感じで・・
(男)「は!ばかじゃねーの?急いでんだよ!」 ドアが開いた瞬間、女性が飛び出し、ホームにいた駅員のところに行き、

(女)「助けてください!!痴漢です!!」と。男性がすぐさま飛び出し

(男)「は?バカじゃなーの?やってねーよ!上等だよ、警察呼べや!!」と訴える。
なんかとっさに自分も飛び出し、二人の間に入り、男性側が力強く女性に迫るのをなだめる。手も出せないようにとりあえず男性を力強く抱き締め、制圧。ちょうど冤罪についての報道がたくさんメディアで出ていたので、その時に専門家や弁護士が言っていた事を思い出し、男性にこれ以上熱くならないことを言う。

ただ、男性も時間の無駄だと思っているから、
(男)「馬鹿らしいな、帰りましょう」
「おいおい、それダメなやつだ」と思い、その場を後にしてはいけない理由を説明する。10分して警察もやってきて、驚いた。駅員も警察もそうだけど、デフォルトで男性が「やったな」というスタンスで質問をしていることにとても驚いた。たしかに、今回私は男性がやっていないと確信していたので男性側のサポートに入ったけど、この場面を客観的に見た時に、男性は帽子とマスクをしていて服装はジャージで、逆上している状態なので、確かに怪しい。完全に怪しい。女性は泣いていて、痴漢された状況を一生懸命駅員に語っている。

女性は本当に痴漢されてのかもしれないし、確かに途中の男性側の下品で攻撃的な口調に心理的にダメージを受けたかもしれないけど、今回は、この男性は痴漢をやっていない。

警察に目撃者証人ということで、一連の電車内2分の出来事を正確に話し、警察の表情も変わり、最終的に一件落着。双方に謝るかたちとなった。あーこうやって冤罪ってなるのか、と思ったし、自分も気をつけないといけないな、と思いましたね。

この一連の出来事で自分なりに考えてみた。

まず、痴漢の現場に遭遇しないための予防について

  • 極力満員電車などは避けての通勤や移動を心がける事

    そもそもこういう状況に直面しなくて良いようにするのが何よりですね。もし早めの通勤が可能なのであれば通勤時間を早めるにこしたことはない。早く出勤してインプットの時間に使ったり、仕事を早めにスタートさせて早く退社できるようにすれば一石二鳥ですね。

  • もし時間の調整が難しい場合は極力疑われないようにポジションをとる

    最近は冤罪を狙った犯罪も増えているそうです。痴漢をでっち上げて、示談に持ち込み、金銭を要求するというケースです。つり革や鉄棒に掴まったり、手が見える位置に置いておくだけで、そういった狙いを持った人のターゲットから外れることができると思いますし、もし疑いをかけられた時にも即座に自分がやっていないことを主張することもできると思います。
実際に現場に巻き込まれてしまった場合は

  • 絶対に逃げてはいけないし、駅事務所に行ってはならない

    これはよく言われることですよね。逃げるのは罪を認めている感じがしますよね。怪しいことがないのであれば、逃げるのは得策ではないことは容易に想像できそうです。たとえ、逃げ切れたとしても防犯カメラに捉えられていたらアウトです。また逃げるプロセスで今世間でも問題になっているが、線路に侵入してしまって電車を止めてしまったら状況が悪化する一方です。駅事務所にいくのは「私人が現行犯逮捕した」とみなされることがあるそうなのです。怖いですね。
  • 何よりも大切だと思ったのが、「冷静であること」

    自分が熱くなったり興奮したりすると、相手も興奮していきますし、周りの人たちも興奮していきますね。自分自身も本意でない発言をしてしまうきっかけにもなりますし、周りは「この人やったな」って空気になってしまいますよね。冷静になると先方も冷静になりますし、正しい判断ができるようになる。

  • 目撃者もしくは周辺にいる人に現場に残ってもらうこと

    今回の自分のケースのように、率先して現場に残ってくれる人はいないと思います。ましては「やっていないこと」を証明してくれる人は希でしょうね。ただ、現場の近くにいて、状況を色々と客観的に話をしてくれる人の情報は貴重だということをよくよく知りました。「つり革を持っていましたよ」とか「かばんを持っていました」とか「距離は結構ありました」のような情報も警察も入り、状況を確認していく上で重要な情報になってくるそうです。

  • ボイスメモで一連の会話を録音しておく

    これは弁護士の友人に確認したことなのですが、話し合いの全容をボイスメモで録音しておくと良いらしいです。こちら側が一貫した主張をすることはもちろん重要なのですが、先方の発言に一貫性があるかどうかを確認するために録音内容が証拠になったりするそうです。また、録音していることを知るだけでも冷静に慎重に対応するようになるとか。
そのほかに、電車内の防犯カメラの設置は急いでほしいとも思いました。私は偶然男性のつり革を右手で持っていることを認識したけど、そんなのは偶然でしかないので。防犯カメラがあるだけで抑制効果があるでしょうし、実際に事件が起こってからの有力な証拠になるでしょう。

あとは、こういった現場に遭遇された方には、是非ともヘルプするのに入っていただきたいと思いました。男性にとっても女性にとっても客観的に状況を説明できる人や、コミュニケーションの仲裁に入っていただける人の存在はとても心強いと思います。

痴漢に遭われる女性のことを守るとともに、冤罪を予防する取り組みを実施することは急務ですし、皆さんの日々の意識で少しでも変えられることがあるかもしれません。

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