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焦点:サイバー攻撃にも動じぬ米株、行き過ぎた楽観に警戒の声

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米株式市場は、先週末以降に世界各地で起きた大規模なサイバー攻撃という新たなリスクの出現に動揺の色を見せず、15日のS&P総合500種終値は最高値を更新した。

ただ、市場の行き過ぎた楽観論を警戒する声は多い。グローバル・マーケッツ・アドバイザリー・グループのシニア市場ストラテジスト、ピーター・ケニー氏は「正直なところ私は心配でならない。相場安定を脅かす要素が非常に多く、市場がそれをまだ織り込まないまま、のんびり構えているからだ」と語り、今は何か「最後の一押し」があれば、すぐに全面的な売りに転じる局面だと指摘した。

オニール・セキュリティーズのNYSEフロア部門ディレクター、ケン・ポルカリ氏は「私はサイバー攻撃が市場にある程度不安をもたらすと考えていた。北朝鮮の弾道ミサイル発射もあったのに、市場がなぜ堅調に推移しているのか分からない」と首をかしげる。

実際、サイバー攻撃はむしろセキュリティー対策需要の高まりが期待できる銘柄の買いを促し、ピュアファンズISEサイバーセキュリティー上場投資信託(ETF)<HACK.P>が3.2%、ファイア・アイ<FEYE.O>が7.5%、シマンテック<SYMC.O>が3.2%それぞれ値上がりした。

専門家によると、これまでもサイバー攻撃の脅威が市場に深刻な悪影響をもたらしたケースは乏しい。証券会社コンバージェックスのチーフ市場ストラテジスト、ニコラス・コラス氏は、大手銀行のATM(現金自動預払機)が停止するなどの事態が起きない限り、投資家は注目しないと述べた。

それでもこうしたリスクが存在する中で相場が上がったことで、投資家が株式市場に対して過度の安心感を持っている様子が浮き彫りになった。

S&P総合500種は、昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利して減税やインフラ投資拡大観測が広がって以来、12%強上昇している。これらの政策実現が危ぶまれる材料が登場するたびに、投資家は一時的に落ち着きを失ったものの、大幅な相場調整にはつながっていない。

投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は先週、1993年12月以来の低水準で引けた。

ジョーンズ・トレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「ここしばらく市場は自己満足が過ぎる状態が続いていると言える。ボラティリティをショートにしている参加者が多く、投資家が当面はほとんど何の心配もしていないことを意味している」と語った。

(Lewis Krauskopf記者)

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