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パチスロ旧基準機の撤去問題に関する私見

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衆-内閣委員会-2号 平成29年03月08日

○高井委員 
〜サブ基板で出玉制御をするという手法は、風営法の施行規則の八条に定める、「容易に不正な改造その他の変更が加えられるおそれのある遊技機であること。」という基準に抵触しているのではないかと思います。

このサブ基板で制御されているパチスロ遊技機は、主基板のみしか性能を確認できない検定制度をいわば脱法的に通過して射幸性が高められてしまっている。

しかも、三年間という検定終了後もホールはさらに三年間設置しよう、そういう動きがあるようにも聞いています。サブ基板で性能を制御されているパチスロ遊技機については、そもそもこの認定を認めるべきではないのではないでしょうか。 また、あわせて、ちょっと二つまとめて聞きますが、業界で自主撤去すると言っていますが、それにとらわれずに迅速にこれは撤去するように、全国的に、都道府県警に警察庁として指導すべきではないかと考えますが、いかがですか。

○山下政府参考人 遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則におきましては、遊技機の、結果に影響を及ぼし、または及ぼすおそれのある機能を有する基板を主基板とし、これを密封することとされています。

他方、主基板でない周辺基板は、遊技機の、結果に影響を及ぼし、または及ぼすおそれがある機能が設けられていないものでございます。

このため、遊技機の周辺基板が遊技の結果に影響を及ぼす機能を有するものについては、風営適正化法施行規則第八条に定める、著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準に該当することから、同基準に該当しない旨の都道府県公安委員会の認定を受けることはできないと考えられるところでございます。

 それから、先生お尋ねの、高射幸性の遊技機についての撤去のお尋ねでございます。

 これにつきましては、平成二十七年の六月に、パチンコ営業者団体は、高い射幸性を有するとしたパチスロ遊技機につきまして、設置比率を引き下げる目標を定めて、撤去することとしたところでございます。

パチンコ営業者団体におきましては、平成二十八年十二月一日時点で当該遊技機の比率が設置台数の全体の五〇%以下になることを目標としておりましたところ、同日時点において、その比率は三九・八%であったとの報告を受けているところでございます。

 警察といたしましては、こうした遊技機の撤去が確実に進むよう、引き続き指導をしてまいりたいと考えております。

○高井委員 今の御答弁は、サブ基板(で出玉が制御されたパチスロ遊技機)というものはそもそも認定の対象ではないということですね。それでいいですか。

○山下政府参考人 先ほど御答弁を申し上げましたように、周辺基板がその遊技の結果に影響を及ぼす機能を有しているというものにつきましては、風営適正化法施行規則に定める、著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準に該当するということで、これは都道府県公安委員会の認定を受けることはできないというものでございます。

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上記のやりとりでもわかるように警察庁は高井議員の質問に微妙にすれ違い答弁をしています。高井議員は「旧基準機はサブ基板によって出玉が制御されており、違法性があり、認定すべきではない」と具体論で聞いているのに対して、警察庁は「一般論としてサブ基板で出玉を制御することは、風営法違反である。仮にサブ基板で出玉制御されているパチスロがあれば認定の対象ではない」と一般論で返しています。

なぜかというと、警察庁としては旧基準機がサブ基板によって出玉制御されているということをおおっぴらに認めると自身の責任問題に発展するからです。

現実には旧基準機では押し順ナビゲーション機能がサブ基板で制御されており、なおかつ「バジリスクシリーズ」「北斗の拳・転生の章ZA」「魔法少女まどかまぎかA」「アナザーゴッドハーデスーX」といった機種に対して全国の警察組織が認定手続きを行っています。手元の情報によると都道府県警は最大27万台のパチスロに対して認定手続きを済ませています。

このように警察庁の一般論の答弁と実態は恐ろしいほどに乖離しています。これを放っておけば国会でさらなる追求は免れず、警察庁が苦肉の策として行ったのが今回の高射幸性遊技機の撤去要望というわけです。話がややこしくなったので一度整理しますと以下のようなところです。

①サブ基板で出玉を制御しているパチスロ遊技機は違法である。これは少なくとも2017年3月の国会答弁で確定している。

②それにもかかわらず警察はサブ基板で出玉を制御しているパチスロ遊技機(2015年12月以前の旧基準機)を過去に検定で認め、また3年の検定期間終了後も大量に認定手続きをして、合法性を保証した。これが最近になって国会で問題視されるようになった。

③他方で警察は「高射幸性であるから」という理由で、過去にパチンコ業界に旧基準機の”一部”の撤去を要請し、業界は自主撤去目標を掲げていた。

④そこで今回警察は「違法であるから」という名目ではなく「高射幸性であるから」という理由で改めて、旧基準機の”一部”の撤去を改めて要請した。この手法ならば警察庁は自らの不手際を問われずに済む。

⑤他方で撤去を要請されたパチスロ業界にしてみれば、「違法でもないのになぜ機械を撤去しなければならないのか」と当然混乱に陥っている。


このように今回のパチスロの撤去要請は警察としても自らの落ち度があるためかなり苦しいものになっています。これを持って業界の一部識者からは「警察庁は都合が良すぎる」との批判が巻き起こっている状況です。とはいえ「現状に問題がある」のは間違い無く早々に収集しなければいけないことも事実です。以下個人的な意見になりますが、この問題の責任論を考えるにあたって重要なことは時間軸であるように思えます。

確かに警察には検定・認定制度を通じてサブ基板による出玉制御に合法のお墨付きを与えた責任はあります。ただ「検定を通過させた責任」と「認定を与えた責任」の重みは別に考えるべきでしょう。

警察がサブ基板による出玉制御を本格的に問題視しだしたのは、2013年以降サブ基板を対象にした大規模な不正改造事案が発生した後の事です。その前までは法的なグレーゾーンとして、パチスロメーカーが目をつけて高射幸性の遊技機を作るのにサブ基板を利用し、警察も「違法とは言い切れない」と判断して検定を通したというところで、これ自体は致し方ない対応だったのではないかと思います。

後日後述しますが、サブ基板による出玉制御の違法解釈は遊技機検定規則の反対解釈に基づくもので、警察庁としても問題が顕在化する前は強く主張できないものでした。

他方で警察がそうした問題のある旧基準機を認定したのは2015年以降のことですから、これに関しては言い訳は聞きません。問題があることを知りながらホールの認定申請をサポートをしたパチスロメーカーももちろん同様です。なので今回のパチスロ旧基準機撤去問題の軸は「認定機の撤去とメーカーによるホールへの補償」を軸に議論されるべきでしょう。

実際この基準で算定すると、2017年12月までに95%弱の旧基準機が、2018年6月までに99.5%以上の旧基準が撤去されることになります

この辺業界の対応を待つところですが、とにかく明確に言えることは、こと今回の問題に関してはパチンコホールの責任は全くないのですから、パチンコメーカーが主導する形で問題の解決がなされねばならないということです。パチンコホールには他にもギャンブル依存症対策基本法案の入場規制への対応という重大な宿題が残っていますしね。

ではでは今回はこの辺で。

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