- 2017年05月12日 15:04
あるべきカジノ入札は如何なるものなのか
2/2行政が主力をおくべきは「どんなデザインのどんな施設を建てるのか」を検討する(自治体の立場)ことでも、それを評価する(国の立場)でもなく、どんな政策的な目的をもって、どこにどんな施設を「建てさせるのか」を考え、それを評価すること。端的に言えば各自治体が具体的な施設開発を選定するための「入札要件書」を作り、それを国が評価することなのです。例えば以下はシンガポールで行われたライセンス入札時に示された入札要件の抜粋。
上記はあくまで私自身がまとめた抜粋でありますが、シンガポールのライセンス入札時に示された実際の要件書は数百ページにも及ぶ膨大な資料です。そして、この入札要件書というのは行政が事業者に対して示す「開発指示書」であり、当該地域の統合型リゾート導入政策の「すべて」が詰まったもの。
なぜそういう要件項目を定めたのか。その背景にある政策的な意図は何なのか。数値的基準は何を根拠に設定をしたのか。評価の得点配分の根拠は?どのような評価プロセスを経るのか?など、そこには行政としての意思や、その技術の粋が詰め込まれている。
それを各自治体が考え、背後にある考え方を示し、国が評価をすることそのものが実は統合型リゾート導入を巡る「政策の評価」なのであって、事業者が主体となって提案するような「こんなデザインで、こんな施設を作ります~」のような意匠設計図がなければその優劣の判断ができないといったようなものではないハズなのです。
もし、 それではやはり実現性が判断できないというのならば、国側の審査の過程で全国の誘致希望自治体から集まった要件書を各事業者に実際に投げてRFI(情報提供要求/業者の投資意向や各種希望などを事前確認するプロセス)を実施すれば良い。その要件書が事業者側の目から見て現実的なものなのか、はたまたどれほど魅力的なのかを判断する公的な手法は海外の入札事例の中に既に存在し、示されているのです。
そして、そういうプロセスを経れば国側が実際に地方による事業者入札が実施される前に、入札参加をしそうな企業の顔ぶれを把握できますし、その先に起こる様々な情報や不正発生のリスク管理もできるようになる。これは先のエントリで示したような、入札を巡る混乱が起こらないようにする為の制度的な担保であります。
実はこのような手法はシンガポールのライセンス入札で実際に採用されたプロセスであり、あらゆる諸外国の入札事例の中から積み上げられてきたノウハウなのです。…などと今更ながらに書いたところで、国側がすでに選定方式の指針を示してしまった今となっては手遅れなのかもしれませんが、私としてはここまでの流れをただただ悲しく見守っておるところであります。



