記事

公明党の交渉術(表)〜法ダ9番外編〜

 法定協議会の設置に関して、首長・維新サイドと公明党サイドとの交渉状況を記載したマスコミ報道が連日続いている。

 大きなポイントとして2点。ここでも確認をしておきたい。
(表)法定協議会の議題として総合区制度の議論も行うのか
(裏)法定協議会の議決について三分の二(賛成の)多数決とするのか

 当初、今年3月末にも法定協議会の設置に賛同されるとみられていた公明党であるが、設置規約が前回と全く同じであることから、修正を求め、3月議会では「継続審議」とし、法定協議会設置の可否の焦点はいよいよ5月という状況になっている。

 3月の大阪府議会、公明党府議は「法定協議会において、総合区制度も議論すべきではないか」という質疑を行っている。松井知事も答弁で「総合区制度を議論することも是」とし、吉村市長も同調するコメントを出している。議会という表舞台で繰り広げられた交渉だ。
 

大阪府議会でも、大阪市会においても、単独過半数のない大阪維新の会に対して、公明党の交渉術は実に巧みである。法定協議会の再設置に対して断固反対の自民に対して、公明党は柔軟な姿勢を示しているだけに首長サイドに規約改正などを求める強い力を発揮できる環境にある。その力を活かして、法定協議会設置を想定し、前回のような混乱が起きないように最大限の要求を突き付けておられる。

 しかし、「法定協議会で総合区制度も議論する」ことは私は好ましくないと考える。
 

法定協議会は、あくまでも特別区設置協定書の作成が目的である。いわゆる都構想の設計図なるものについての議論の場が法定協議会である。総合区の議論は並行してなされるものではない。実は、大阪市会の自民内では、総合区議論はもやは大都市制度議論ではなく市政改革マターであるという考え方がある。その通りだと思っている。

これまでから市政改革の一端として、身近な行政の体制強化として区政改革がうたわれてきた。総合区の目指すところは住民自治の強化、身近な行政の実現であり、議論の場は市政改革として捉えることが好ましい。かつ、総合区議論に大阪府・大阪府議会が関与することにも疑問を感じる。

 昨年の大阪市主催の総合区住民説明会においても、大阪府知事の出席には違和感があった。府市再編となる特別区についても言及するから、副首都推進本部についての議論の内容についても触れるから、大阪市域内も大阪府知事が管轄するから、府知事の出席は当然だと主張されていた。しかしながら、総合区議論はやはり大阪市域内のみにおける基礎自治体の議論でしかない。

 「法定協議会で総合区制度も議論する」理由は何であろうか。
 

それは、法定協議会に自民党も含めて巻き込むことにあると推察する。「自民党さんも、総合区っていってるんだったら、法定協議会で一緒に総合区も議論しようじゃないですか…」という事だ。しかし、自民党はそもそも総合区と特別区とは比較の対象ですらないと主張しており、並行した議論は議論をより複雑にするのではないかと危惧する。

そもそも、議題などについては代表者会議で調整されるとはいえ、「今日は、特別区について議論しましょう」「次回は総合区」「次々回は、両方を比べて」「3回特別区の議論が続いたから、次は一度総合区も又…」想像するだけで頭の整理ができない。
 逆に、総合区議論も包含する法定協議会が仮に設置されるとすれば、自民党はより出席が困難になるのではないかとすら思われる。
 
前回の法定協議会のスタート時においても橋下市長は「都構想の入り口論(都構想が是か非かという議論)もしてもいいから…」と他会派も議論に入ることを導かれた。しかし、実際議論がスタートし回を重ねると「後ろ向きな議論ばかり」「法定協議会は協定書を作るための議論の場」と入り口論を封殺して、維新以外の委員を締め出した経過がある。
 

今回も「総合区議論も…」と言われても、法定協議会のゴールは協定書の作成であることは、法定であることから揺るぎない。本当に特別区設置議論と総合区制度議論とを並行して進めるというのであれば、先にも示してきたように、かつての「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」といった条例協議会で議論すべきではないだろうか。

画像を見る
<参考>
公明党市議団の「大バクチ」に破壊される大阪市と日本の未来
http://www.mag2.com/p/money/35028
国政では自民党に、東京では小池新党に、大阪では維新に媚びる公明党的な生き方が信じられない。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/4802390a73a3cec0b5344a9000bb226d

あわせて読みたい

「大阪都構想」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  2. 2

    給付金効果はあったが見えぬだけ

    自由人

  3. 3

    すすきの感染 酒飲みにうんざり

    猪野 亨

  4. 4

    処理水の安全 漁業側が自信持て

    山崎 毅(食の安全と安心)

  5. 5

    iPhone12かProか...売り場で苦悩

    常見陽平

  6. 6

    官僚へ負担どっち? 野党議員反論

    BLOGOS しらべる部

  7. 7

    コロナ巡るデマ報道を医師が指摘

    名月論

  8. 8

    学術会議に深入りしない河野大臣

    早川忠孝

  9. 9

    岡村結婚の裏に涙のエレベーター

    文春オンライン

  10. 10

    日本における次世代の目玉産業は

    ヒロ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。