- 2017年05月05日 14:24
人気連載続々終了!『週刊少年ジャンプ』が抱えた苦境と打開策
2/2『ジャンプGIGA』や「ジャンプ+」の連載も
『週刊少年ジャンプ』の今後を支える作品をどう作っていくかという課題をめぐっても今後いろいろな施策を考えているという。そのひとつが春に4カ月続けて発行される増刊『ジャンプGIGA』だ。
「4回の連載で手応えを見ようということで4回分を仕込んでもらっています。昔は『少年ジャンプ』の連載会議で掲載作品を全て決めるという1回勝負だったのですが、今は新人の発表の場として増刊を生かしていこうということです。
また『ジャンプスクエア』からも『プラチナエンド』『憂国のモリアーティ』など好調タイトルが出ています。デジタルの『ジャンプ+』からも、コミックスにして10万部を超える作品が次々と出始めています。
それら4つの媒体から新しいコンテンツをどうやって生み出していくか、というのを今後は意識的に取り組んでいこうと思っています」(同)
特にこの間注目されるのは、『ジャンプ+』のデジタル発の作品から次々とヒットが出ていることだ。
「例えば『青のフラッグ』という作品はネットでは大きな評判になっています。もともと『週刊少年ジャンプ』で連載を描いていた作家によるもので、かつて担当していた編集者が今『ジャンプ+』にいるのでそこで連載が始まったのですね。
それから『終末のハーレム』もデジタルファーストの作品ですが、第2巻のコミックスが23万部くらい行っています。そのほかも『カラダ探し』などコミックスで10万部を超える作品がこのところ何本も出ています。
いま『週刊少年ジャンプ』で連載中の『約束のネバーランド』も原作の白井カイウさんと作画の出水ぽすかさんのお二人は最初『ジャンプ+』でコンビを組み、本誌で連載することになったわけです」
これまで集英社でデジタルファーストのヒットといえば青年誌系の「となりのヤングジャンプ」で連載された『ワンパンマン』が知られていたが、少年誌系の『ジャンプ+』からも続々とヒットが出始めているというわけだ。
集英社では、2017年は『ONE PIECE』20周年、『ジョジョ』30周年であるほか、来年が『週刊少年ジャンプ』50周年に当たるため、7月から「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展」など、周年企画が始まるという。
「いろいろな意味で今年は勝負の年になるでしょうね」と語るのは、取締役の隅野叙雄コミック販売部長だ。
「コミックスにしても既刊の重版比率が減少しています。アニメ化なども放送すれば必ずヒットするわけではありません。最近は書店さんからもどの作品を売ったらよいかわからないという声も聞きます。
そこでこの2月に主要書店法人のマンガ担当のバイヤーの方々に集まっていただいて、動画等も使って今後のいち押し作品についての説明を行いました。従来は人気作品を中心に売っていけばよかったのですが、これからは作品を皆が育てていくことも必要です。営業スタイルも大きく変わらないといけないと思っています」
人気連載が1~2年で次々と終了という危機に直面しながら、次の作品を育てるための手を次々と打っている『週刊少年ジャンプ』、これから1年が正念場と言われるが、果たしてその行方はどうなるのだろうか。
ちなみに2017年はライバルの講談社の『少年マガジン』でも、『別冊少年マガジン』連載の『進撃の巨人』がアニメ第2期の放送や舞台化などで大きな期待を持たれているが、それに続く新作の大ヒットをどうやって生み出すかが大きな課題になっている。
また小学館の『週刊少年サンデー』も、一昨年、編集長交代に伴って連載の6割を入れ替えるという大手術を行い、ようやくその後の新連載からヒットの芽が見え始めているとはいえ、『名探偵コナン』に続く作品が出ていない現状は深刻だ。
少年マンガ誌3誌とも、2017年は正念場の年といえよう。ここでは『週刊少年ジャンプ』の課題と現状について紹介したが、『マガジン』『サンデー』を含む3誌の現状や、最近健闘している講談社の『少年シリウス』の状況について、ヤフーニュース雑誌で公開した。関心ある方は下記からアクセスしてほしい。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170429-00010001-tsukuru-soci
その少年マンガのほかに、児童誌・少年誌・女性誌・青年誌、デジタル化やライツビジネス、さらにアニメまで、『創』5・6月号「マンガ・アニメ市場の変貌」は約50ページに及ぶ大特集だ。ぜひご覧いただきたい。




