- 2017年05月05日 10:42
【読書感想】「ドラえもん」への感謝状
2/2新宿の事務所に早速出向きました。
かくかくしかじか、長編アニメの件を伝えると、先生、快諾すると思いきや、予想に反した答えを返してきたのです。
「楠部くん、僕は短編作家です」
藤本先生、どこまでも謙虚なのです。ようするに、長編マンガを描いたことがないと、控え目に断ってくる。確かに映画にするのは、長編の原作が必要でした。一話読み切りのドラえもんには該当する作品がありません。
「先生、ボクは先生が短編だけの作家だなんて思いません」
アニメが映画化されるということは、『ドラえもん』がさらに大化けするチャンスです。正直、逃してなるものか、と思いました。
先生に懇願しながら、咄嗟に、頭の中であるひとつのマンガが思い浮かびました。
「先生、そうです。ピー助です。ボクは、あのピー助が、白亜紀に行った後、どうなったのか、非常に興味を持っています。あの続きを描いていただけませんか?」
この咄嗟の思いつきが、『のび太の恐竜』、そして、ドラえもん映画を生んだのです。
もちろん、当時のドラえもん人気を考えると、なんらかの形で映画化された可能性は高いとは思いますけど、こんなに成功したかどうかはわかりません。
僕が子供の頃、観に行きたい!と自分から親に頼んで映画館に連れていってもらった最初の映画が、この『のび太の恐竜』なんですよ。
楠部さん、『クレヨンしんちゃん』の連載でネタにされてしまったこともあるそうです。
<(株)シンエイ物産社長・巣苦辺三和郎 自分の射程距離内に入った女は必ず触る別名スケベシャチョー>
「私は女性のおしりを触り続けて58年!! 触りすぎたおかげで今ではすっかり指紋がなくなってしまったよ ムッヒッヒッヒッヒッ」
なんてスケベ丸出しの自慢発言。マンガの中では、若いホステスのお尻を触って、「なにすんじゃい、このエロハゲ」とホステスから「ばしっ」と叩かれています。
いやー、笑わせてもらいました。ほとんど事実ですから反論のしようがありません。
こんなふうにネタにされて、それを自分自身でも笑い飛ばせる人なんですよね、楠部さんって。
正直、ちょっとうらやましいような気がします。
いや、そんなにお尻を触りたいわけじゃないですよ。
『大人だけのドラえもんオールナイト』というイベントでの藤子・F先生と大人のファンとのやりとりなども、読んでいてなんだか嬉しくなってきます。
ああ、僕を幸せにしてくれた藤子・F先生も、こうして、映画の『ドラえもん』を一緒に観ることができて、すごく幸せだったんじゃないかな、って。
『ドラえもん』と藤子・F・不二雄先生が大好きな僕には、魅力あふれる本でした。
『ドラえもん』の四次元ポケットには、作った人たち、そして、観ている人たちの幸せがいっぱい詰まっている、そんな気がします。



