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「産後クライシスは夫婦が機能しているサイン」育児ジャーナリスト・おおたとしまさ氏に聞く、夫婦喧嘩の作法

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BLOGOS編集部

夫婦喧嘩のコツは「結論を出さないこと」

−− 夫婦間のすれ違いの最たるものが夫婦喧嘩ですよね。

おおた:夫婦喧嘩も、お互いを理解するためのコミュニケーションだと思って取り組むことが重要です。なんせ、喧嘩とセックスは赤の他人とはできません。夫婦だからこそできることなんです。喧嘩をする夫婦より、必要な喧嘩を避けていく夫婦の方が危機に陥りやすいんです。

—— おおたさんが考える、夫婦喧嘩のコツは。

おおた:ひと言でいうと、喧嘩の結論を出さないことです。夫婦喧嘩の目的は、勝ち負けではありません。喧嘩をするとつい相手をやりこめようとしたり、「これからどうするの」という結論を出そうとしがちですが、それではお互いにストレスを溜めていくだけです。夫婦喧嘩ではお互いの本音や言い分を吐き出して一旦終わり。その場では相手の言い分に反論してしまうかもしれませんが、喧嘩のあと、気持ちに余裕がある時であれば、「そういえばそんなことも言ってたな」と少しは相手に歩み寄ることができると思います。そういったコミュニケーションを繰り返すことで、だんだんと夫婦の形ができてくる。普段は相手に遠慮して言えないことを知るチャンスだと思えば、夫婦喧嘩もポジティブなものとして捉えられるのではないでしょうか。

−− 連休などで、長時間家族と向き合うことで疲れてしまったという夫婦も多いのではないでしょうか。

おおた:連休後にありがちな夫婦の摩擦は、普段は仕事をメインに頑張っている旦那さんが家のことを頑張ろうとするからこそ起こるんです。家事の進め方が違う、子供が泣いたときのあやし方が違う。そういったことの積み重ねが夫婦間の摩擦を発生させます。

捉え方を変えれば、連休後のイライラは旦那さんが家のことを頑張ろうとしている証拠でもある。この葛藤を乗り越えるためには夫婦の相互理解が必要です。相互理解というと、ついどちらかのやり方に合わせることだと思いがちですが、そうではなく、「僕には僕の考えがある、彼女には彼女の考えがある」というように、お互いが別の考えを持っていると認め合うことが重要です。

子育て中でも週に1度は夫婦だけの時間を

−− 子育て中の夫婦が陥りやすい問題はありますか。

おおた:子供が生まれてからの夫婦関係というのは、父と母の問題として捉えてしまいがちです。子供はやはり大切ですから、ついそこを経由して物事を考えてしまう。子供が生まれる前でも、ちゃんとお互いを気遣って、何らかの努力をしてきたから夫婦という関係性が維持されていたはずなんですよね。それなのに子供がいると、子供に対しての父親・母親、という役割に甘んじてしまって、夫婦の関係を維持しようとする努力を怠ってしまう。

産後クライシスをこじらせて「自分はこんなに頑張っているのに認めてもらえない」というお父さん方は、妻ではなく母親を支えようとしていることが多い。一度その役割を脇に置いて、男と女にならなければ夫婦関係なんて成り立つわけがないんです。そういったお父さん方に「奥さんのことをどれだけ愛してますか?」「ちゃんと愛を伝えていますか?」と聞くと「家事を手伝えばいいと思っていました」という答えが返ってくることがある。根本の問題はそこじゃないですよね。夫婦の問題ですから。

−− 最後に、子育て中の夫婦が上手に関係を維持するための処方箋があれば教えてください。

おおた:週に一回でいいので、夫婦2人だけの時間をつくることをオススメします。子育て中にデートをするというのは中々難しいかもしれませんから、子供を寝かしつけた後に2人で映画を1本見るだけでもいいので、夫婦2人だけの時間と空間を共有する努力をしましょう。つい子供の話をして喧嘩になってしまったり、途中で子供が起きてきて映画を中断することになるかもしれませんが、それは仕方のないことです。とにかく意識して、夫婦の時間を持つようにしましょう。

よく結婚していれば夫婦でいられると思っている人がいますが、これは大間違いです。夫婦というのは努力して結びつこうとしていないと維持できないものですから、大切なパートナーを母親としてではなく、1人の女性として見ることが必要です。男性はサプライズやハレの日のイベントを頑張りがちですが、日常の中に夫婦関係を維持するための仕組みを取り入れることが大切です。

プロフィール
おおたとしまさ
BLOGOS編集部

育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー。数々の育児・教育雑誌の編集を経て、現在は、男性の育児、子育て夫婦のパートナーシップ、学校・塾の役割などについて、取材・執筆・講演活動を行う。近著に『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』(イーストプレス)。

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