- 2017年05月01日 10:31
読まずに死んだらもったいない48作品
1/2「こんなに面白いのに、読んでないのは損してる」という本がある。「面白い」のところには、「タメになる」「心が洗われる」などが入る。徹夜保証の小説だったり、良く生きるための教養書だったり、完結するまで死ねない漫画だったりする。
5/8締め切りで、シミルボンの[「本とワタシ」選手権]で募集している。わたしが選考するので、楽しみでならないのだが、待ちきれなくてスゴ本オフのテーマにした。スゴ本オフとは、お薦め作品をまったり熱く語り合う読書会なのだが、まさに「読まずに死ねるか!」級の、とっておきが集まった。
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まずわたしから。読書猿『アイデア大全』を強力に推す。考えるヒント集みたいな顔つきだが、今晩の献立から一生を賭すに事業学業の進め方まで、なんにでも応用できる。これは、問題解決のための人類の叡智を結集したもの。即効を謳う安直なサプリメントのような本ではない。すぐ効く本はすぐ効かなくなる。そうではなく、現実を捉え直す新しい「目」と「手」が手に入る。
たとえば、対立関係にある相手に問題ありとする構造(me vs you/problem)から、ホワイトボードに問題を可視化することで、問題と私たち(problem vs us)にする手法がさらりと書いてある。わたしは自分の経験から学んだが、これ読めば苦労しなくて済んだのにと思うと、声を大にして言いたい、「読め! あなたが楽しく楽するために」と。
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『アイデア大全』は紹介用と布教用で3冊持ってきた!
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「読まずに死んだらもったいない」の「読まずに死ぬ」が自分でなかったらという、すぎうらさんの指摘にハッとする。そして、親の最期の看取りの際、追われるように読み始めたという、深沢七郎『楢山節考』を紹介してもらう。因習に閉ざされた棄老山伝説を小説に昇華した名作で、死への社会観念が変化しているいま、もう一度読まれるべきなのかもしれない。
そして、自分が死ぬまでに読むべき本は沢山ある一方で、誰かが死ぬ前に読むべき本もあるのではないか、という視点は、確かにその通りだと思う。親が死ぬことに向き合い、保険になるような一冊が、『楢山節考』なのだ。
「読まずに死んだらもったいない」作品は、すでに世の中に出ており、自分がまだ読んでないだけという前提でいたが、「いま連載中で、最終回になる前に死にたくない」という発想もあることを、sngkskさんに教えてもらう。
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その通り! 自分だけでなく、作者も含めて最終回まで死ぬなよ、と祈りたくなるような確定傑作。『グイン・サーガ』を終わらせられずに逝った栗本薫のことを考えると、『ワンピース』や『ヒストリエ』はそうなりませんように……と祈りたくなる。sngkskさんの激推しは原泰久『キングダム』、史実に基づいているので、最後は秦の始皇帝になるはずなのだが、とてもそう思えない逆境が続く。「読まずに死ねるか」級の、命をつかんで離さない確定傑作。これは読む!
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読まずに死ねるか!『キングダム』
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「読まずに死んだらもったいない」を、「仲直りせずに死んだら後悔する」と考えたのが、よしおかさん。そして、数学と仲直りするためのベストな一冊、吉田武『虚数の情緒』をお薦めする。思い返せば、三角関数を習ったあたりから、数学を避けてきたという。仕事や生活で、直接三角関数を扱うことがないけれど、それは表立って出てこないだけで、3DCGや力率など、数えきれない裏側を支えていることは分かっている。
だからこそ、数学を学び直したい。数学と和解したいという。この本を読んだからといって数学と仲良くなれるとは限らないけれど、1年前に読んでから、数学に対する苦手意識が随分減ったという。よしおかさんは「虚数の情緒読書会」を主催し、読みたい人、読んだ人、読んでいる人でゆるゆると語り合っているので、興味のある方はぜひどうぞ。かくいうわたしは、200ページのあたりで挫折中なので、この機に再開してみようかと。
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数学と仲直りするための『虚数の情緒』



