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伊新政権の目標は5.5%以下の低下

為替千里眼、週末にしては珍しく穏やかな欧州タイムではありましたが、市場参加者の多くは依然として欧州債務危機に対する警戒感を台頭させており、次の標的はフランスか?スペインか?と懐疑的な見方を強めております。今週はイタリア関連の記事更新で埋め尽くされてしまったような感じではありますが、今週末もまたイタリア絡みは大忙しで、今晩は上院での2012年予算採決、明日は下院での採決、日曜日には現ベルルスコーニ首相が辞任し、テクノクラートを中心とした暫定政権が発足する見通しとなっております。ロイターでは、暫定政権の首相に元欧州委員のマリオ・モンティ氏が指名される可能性が高いと報じておりますが、中銀総裁も「マリオ・ドラギ」氏(笑)。モンティ新政権の政治力は未知数ではありますが、既に数日前の講演では「減税は望ましいが、その余裕はない」との認識を示しており、早期プライマリーバランスの黒字を目指して説得力ある行動を示さなければなりません。

そもそも、イタリアの財政赤字は2010年時点で対GDP比5.3%、利払費を除くベースで同0.7%にすぎず、他の債務危機国に比べて遥かに健全なのはご周知のとおりです。ただし、政府債務残高に関しては、対GDP比120%と桁違いに高いため、国債利回りの上昇が財政の悪化につながりやすいのも事実です。ご周知のとおり、足許では債務懸念を背景に伊債利回りは高騰を続けておりますので、金利が上昇すれば政府債務がGDPを上回るペースで拡大し、最終的には債務再編が必要になるのは言うまでもありません。昨日は無事に伊債入札をこなしたことで、一時7.0%台を突破していた10年利回りも6.0%台後半まで低下いたしておりますが、現状の緩慢な経済成長率を前提とすれば、イタリアの金利は5.5%を下回らないと帳尻が合わないとバークレイズは指摘しており、依然として6.0%台後半では、全く不透明感は払拭できないのが実情かもしれません。

EURUSD Daily
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ユーロドルのデイリーです。週末は上述のように議会採決が控えており、日曜日には現首相の退任ということもありますので、週明けは新政権への期待感を背景としたユーロ反発シナリオが想定されますが、週末だけにポジションを残すことだけは避けておきたいところです。デイリーベースではまだモメンタムもレジストを抜けておりませんので、反転の判断は時期尚早かもしれませんが、価格は一応雲内に入り込んできておりますので、目先は短期レジストの1.37Mid、さらには雲上限となる1.38Midがターゲットとして捉えられるところです。ただし、今晩中に結論は出ないと思いますが、仮に遅行スパンが陰転してしまった場合にはいよいよ本格的に1.31を試す展開になる可能性が高まりますので、その点も踏まえ週明けの海外勢の動向を待ってからでも遅くはないと思います。

では、少々遅くなってしまいましたが、イタリアの新政権に対しても独仏やECBが積極的に支援するというよりかは、合意事項に基づいて改革を漸進的に進めるならば支援を継続するという条件付の状態ではありますので、政権が変わったとしても特に大きな変化はみられない(ただし、少なくともベルルスコーニ首相は合意事項に従って迅速に行動するつもりがなかった)と思われます。パパンドレウ首相にせよベルルスコーニ首相にせよ、救済決定後に改革ペースが鈍るというのは、やはりなにかプライド的なものが作用しているのかもしれませんが、国民視点や救済側の欧州諸国にしてみれば、そんなプライドで振り回されるのはまっぴらだとは思いますので、引続き新政権に対してもハードルの高い目標値を設定してくると思われます。次週はIMF監視団入りというイベントもありますので、その点も含めてしっかりと足許の動向は捉えておきたいところかと思います。

では、この後も頑張りましょう!

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