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類似していたイタリアと日本の長期金利の推移

 9日のユーロ圏の債券市場では、欧州の証券決済機関のLCHクリアネットが、イタリア国債の取引に必要な証拠金を引き上げたことなどをきっかけに、イタリアの10年債利回りが7%台に上昇し、アイルランドやポルトガルが金融支援を余儀なくされた水準であるところの長期金利7%という分岐点を突破した。

 このようにイタリアの長期金利は非常に危険なゾーンまで上昇したことになるが、あらためてイタリアの長期金利の推移を見てみると、日本の長期金利の推移に似通っていたことがわかる。

  1995年あたりからのイタリアと日本の長期金利の推移を見てみると、1995年頃のイタリアの長期金利は10%を超えており、日本の長期金利は4%を超えていた。しかし、その後、日本では不良債権処理にともなう金融システム不安などから、長期金利は低下し1997年には2%を割り込んでいる。

 これに対してイタリアの長期金利は、1999年1月の欧州の通貨統合に向けて財政再建を急ぎ、ユーロ税の実施などにより、財政赤字の対FDP比は1996 年の7.1%から1997年には2.7%へと急激に低下し、この実施は同時に長期金利の低下を驚異的に進めることになり、1998年にイタリアの長期金利は6%を割り込んだ。

 日本の長期金利は1998年末の運用部ショック後に2%台をつけてからは、2%以下での推移が現在まで続いている。これに対してイタリアの長期金利は1998年以降、今年7月あたりまでは6%以下での推移が続いていたのである。つまり日本の長期金利の2%とイタリアの長期金利の6%が1998年以降の上限となり、その後は両国ともに長期金利は低位安定した動きを続けていた。イタリアと日本では長期金利の低下要因は全く異なるものではあったが、長期金利だけの推移を見ると似たような動きとなっていたのである。

 ところがイタリアの長期金利は今年8 月に1997年以来の6%台をつけてきた。この際にはECBがイタリアとスペインの国債買入を開始したことで、6%台乗せは一時的なものとなり、その後、 5%割れまで低下した。しかし、ギリシャの信用不安がイタリアに飛び火した結果、再び6%を突破し、チャート上の抵抗線を完全に抜けてきたことにより、長期金利の上昇ピッチが加速され、分岐点とも言える7%台に乗せてきた。

 日本の長期金利はいまのところ1%以下で推移するなど、イタリアの長期金利とは異なり引き続き低位安定している。しかし、何かのきっかけで日本の長期金利が2%という抵抗線を上抜けた際には、イタリアの6%超えと同様に、これまで安定推移していた反動も加わり、上昇ピッチが早まることも想定される。


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