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【ウォール街占拠 取材後記〜下】 ごく普通の人々が反乱 TPPが招く米国の“二の舞”

炊き出しに列をなす生活困窮者と居並ぶテントは、日比谷公園の派遣村(08年末〜09年1月)と重なる。日本が先取りしていたのである。


就職難も同様だ。“Cold Weather Donation Money(寒い、金くれ)”底冷えのするズコッティ公園にプラカードを持って座る青年はジョーさん(26歳)。ジョーさんは大学で水産学を専攻し魚の養殖会社に勤めていたが、3年前解雇された。パートで食いつないでいたが、それも数週間前に失った。現在はホームレスだ。

8日付『ウォールストリート・ジャーナル』はGeneration Jobless(職なき世代)というタイトルで特集を組んだ。アイビーリーグを卒業しても訪問販売ぐらいしかない。高い授業料を払ってスチューデントローンの借金で苦しめられるより、授業料の安い公立大学を選ぶ。日本でも地方の公立大学に人気が集まるようになった。これもアメリカに先だつ。

16歳から24歳までの失業率は16・7%にものぼる。うち大卒は7・7%高卒は21・1%。6人に1人が職を持っていないのである。(2011年10月、米政府統計)若者に仕事がない。体の具合が悪くなっても病院にもかかれない。「Occupy行動」が全米各地に広がる社会的背景だ。ごく普通の人々が反乱を起こしているのである。

超格差社会を作り出した米金融資本は、自国庶民の富を食い尽くし、次は世界最高水準にある日本の個人資産に狙いを定めたようだ。オバマ大統領の再選戦略が、米国の対日政策をさらに強硬なものにする。雇用状況の改善は喫緊の課題だ。TPPに加盟し米国の自由主義が持ち込まれたら、競争力のない企業の倒産が相次ぎ、失業者は巷にあふれるだろう。国民皆保険も崩壊を免れまい。

ズコッティ公園で起きていることが日本の将来の姿だ、とは思いたくない。(終わり)

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ステューデントローンの負担の大きさに抗議するプラカード。横にはテントからあぶれ寝袋にくるまる占拠者=ズコッティ公園。写真:筆者撮影=

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