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イタリアは本当に危ないのか?

イタリア国債の流通利回りが7%台に乗って、世界中がイタリアに注目しています。7%の利回りは危機ラインなんて言っている訳です。

 つい数か月前までは5%程度の金利で資金調達ができていたイタリアが、今や7%の金利を支払わされる羽目に陥っているのです。別にイタリアでインフレが起きている訳でもないのに、金利が急騰するなんて‥

 でも、ギリシャ問題であれだけ騒がれ、イタリアも緊縮財政に本格的に乗り出す必要があるなんて言われ、そして、IMFの監視下に置かれるとなれば、投資家が神経質になるのも当然かもしれません。そうなれば、イタリア国債を引き受けたがる投資家が少なくなり、国債の価格は低下し、利回りは上がる、と。

 でも、何故急に? 

 確かに、以前からイタリアも噂にはなっていたのですが、でも、実際には大丈夫ではないかとも思われていたのです。何故ならば、イタリアの対GDP財政赤字比率は、ギリシャが引き下げを目指す120%程度にとどまっており、また、プライマリーバランス、即ち、基礎的財政収支は黒字であるからです。プライマリーバランスが黒字であるということは、債務残高の増大は停止しているということであるのです。それに、イタリアの国債の大半が、イタリアの金融機関によって保有されているために、資本の逃避が起こる可能性が低いとみられていたからでもあるのです。

 つまり、ベルルスコーニ首相が象徴するようなイタリアの国民性であるのですが‥でも、実際に危機が起きることはないだろうと踏んでいたということなのです。

 では、何故急にこんなことに?

 事情通は言うのです。もし、イタリアが財政破綻に陥れば、欧州安定化基金やIMFの財源だけではとても間に合わない、と。確かに、イタリアと言えば、ギリシャなどと違って大国である訳です。ユーロ圏では、ドイツ、フランスに次いで大きい。それに、こうやって利回りが急騰し金利負担が重くのしかかると、益々財政事情が悪化するのは必至です。

 しかし‥私は思います。今回のイタリアの騒ぎは、少しばかり過剰反応ではないか、と。だって、プライマリーバランスは黒字でもあるからです。

 確かに、ギリシャは、50%も借金の元本が削減されるようなことが余儀なくされ‥それと同じようなことがイタリアで起こらない保証がない訳ではないからです。しかし、その可能性は極めて小さい。確かに、イタリア国債に対する人気が落ち、イタリア国債の消化が困難になれば、イタリア政府は資金繰りに窮しデフォルトに陥ることもあり得る訳ですが‥そんなことを言えば、米国政府もそうですし‥それに日本政府もそうであるのです。

 でも、余裕資金を有する投資家たちは、何かに投資をせざるを得ないのです。キャッシュで保有しておく場合もあるでしょうが、それは極一部で、しかも、急にリスクが高まり、不透明性が増したような場合の一時的現象であるのです。つまり、しばらくすれば、また通常の投資先に資本が戻ってくる筈です。

 確かにベルルスコーニ首相に対する不信感があり、今後の政治に対する期待も低いかもしれない。それに、南欧特有のイージーゴーイングな気質や、脱税問題というようなこともある。

 しかし、それにしても、今イタリアがデフォルトを起こす必然性はないというべきではないでしょうか? ですから、敢て言えば、投資家が今問題にしているのは、イタリアを含め、欧州の政治家に
対する不信感ではないのでしょうか。
 
 日本に対しては、リーダーが頻繁に替わり過ぎると冷笑する欧米人ですが、逆に欧州は、リーダーたちの在任期間が長すぎるのではないでしょうか? 信頼できる人であれば、長くても問題がないのでしょうが‥

 なお、補足的に言っておけば、イタリアには、次のような問題があるとされています。

 (1)南北格差が存在する。イタリアの北部は工業地帯で、割と勤勉。南部は貧しい。
 (2)寛大すぎる社会保障制度がある。
 (3)イタリアにとってはユーロは割高である。

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