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天皇陛下退位の報告書は本質論に触れず

天皇陛下の退位を巡る政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は、昨日21日、今の天皇陛下に限って退位を可能とする特例法の整備を求める最終報告をとりまとめました。退位後の陛下の称号を「上皇」、皇后の称号を「上皇后」とすること、事務を担う組織として「上皇職」を新設すること、秋篠宮家は存続し秋篠宮様の称号は「皇嗣殿下」とするなどが骨子です。

天皇陛下のご発言に始まった退位の課題は、国民全体で、天皇制のあり方を検討する好機だったはずです。ところが、官邸の一代限りの退位を推奨する意向に沿って、本質論に触れなかったことは残念です。6人の有識者会議のメンバーやヒアリング対象の20人の人選や会議の議題を官邸が入念に計算して議論を主導したと報じられています。

本来は皇室典範の改正だということを世論調査による多くの国民の支持、国会での各党の合意を、ないがしろにする退位の政府案=特例法の骨子案が明らかになっています。国会のとりまとめでは、法律の名称を「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」としていましたが、政府の骨子案では「天皇陛下の退位等に関する・・・」となっています。「陛下」と加えることで、退位を今の陛下お一人の問題にしようという意図と報じられています。

また、皇室典範を改正して付則に盛り込むことになっていた特例法の趣旨「この法律(=典範)の特例として天皇の退位について定める」というものが削られています。政府与党は、退位を例外措置としたいのに対して、将来の天皇にも適用されるようにすべきという野党の多くの考えが異なり、調整の結果、衆参両院の正副議長のもとでまとめた国会の合意をないがしろにするものです。今後の皇室の存続についても、女性宮家の問題など、国会のとりまとめからは、後退しています。

このままでは、存続が危ういのに、天皇制を大事に考えている保守派の人たちが、検討に後ろ向きなことは、理解できません。強いといわれる官邸の思いのままにするのではなく、国民が納得し支持できるものにしてほしいと思います。このままでは、国会で与野党対決法案になってしまうことを心配しています。

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