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ビンラディン殺害でも何も変わらない

 オサマ・ビン・ラディンの殺害が発表されました。9.11テロの現場近くにいた者として、10年目の今年、そのような成果が上がったことは歓迎したいと思います。

 しかし、すでに5、6年前から指摘されてきたように、今のラディンの持つ意味は2000年当時のラディンの意味合いとは全く異なっていることは忘れてはなりません。おそらく10年以上前であれば極端な話、ラディンがテロをやめるといえばある程度アルカイダ系組織には抑えがきいたかもしれません。しかし、今やラディンが何を言ってもまったく意味がないような存在になっていた、この事実を忘れるわけにはいきません。

 ビンラディンはすでにテロ組織の象徴ですらなかった。ラディン的なものが数限りなく増殖してしまっているのが今の状況です。すなわちラディンが死んでも状況は何も好転しない。

 報復テロを懸念する声が国内では上がっていますが、それどころか、テロとの戦いは今後も果てしなく続いていくことは覚悟していかねばなりません。

 今我が国として必要なことは、国際社会を巻き込んで、普通のイスラム教徒とテロリストの間に明確なくさびを打ち込むことです。ここしばらくイランの問題やエジプトの問題などで、9.11以降「非伝統的脅威」に向いていた目が少し前のような「国」レベルの問題に向きがちな傾向がありましたが、今一度 non-statesの問題の存在を思い出すことが必要です。

 おりしもハマスとファタハの合意がニュースになっていましたが、テロとレジスタンスの違いも含めて中東問題において明確な基準を打ち出しつつ、パレスチナ問題をはじめとする中東問題に経済も絡めて積極的にかかわっていくことが今まで以上に求められると思われます。

 鎖国的な思考の政治を転換していくことが求められます。


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