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- 2017年04月19日 08:40
【選挙の鉄則】
イギリスのメイ首相が6月8日に総選挙を実施すると突然発表しました。
いまなら選挙に勝てると思ったからで、■自身の政党に対する支持率が高い、■野党が弱く、いまの不人気の党首を一騎打ちで打ちのめしたい、■景気は今はさほど悪くないが、今後、鈍化が予想される、■財務相らごく少数の側近にのみ事前に伝えた。 あ、これ、イギリスのことです、念のため。
こうした理由から賭けに出たという報道がイギリスから相次いでいます。さらに、6月に勝利すれば2022年まで選挙はなく、BREXIT交渉に専念できます。
FTはTheresa May calls snap election in bid to strengthen hand in Brexit talks(メイ首相、BREXIT交渉を有利に進めるため総選挙に踏み切る)で、「メイ首相は18日、EUからの円滑な離脱に向けて国民の総意を得るため、劇的な形で6月8日に総選挙に踏み切ることを呼びかけた」といいます。
投資家はメイ首相の勝利を予想し、イギリスとEUの通商交渉の締結を期待。その結果、通貨ポンドはドルに対して 2.7%値上がりしました。
演説でメイ首相は「ここ最近、そして渋々ながら選挙が望ましいと判断した」と述べていますが、選挙を予定の2020年まで待てばBREXIT交渉が混乱すると仲間には漏らしていたそうです。
交渉は2019年には終わる予定ですが、 6月8日に勝利すれば2022年まで選挙はありません。選挙で経ないままキャメロン前首相からバトンを渡されたという批判をかわしたいと狙いもあると伝えています。
「メイ首相は17日夕方にエリザベス女王に総選挙の実施を伝え、18日にEUのタスク大統領にも伝えた」とこと。
同じFTのPolls pointed to opportunity that was too good for May to miss(世論調査はメイ首相にあまりに好意的だった)の細かい描写がおもしろいです。
「メイ首相はイースター休暇にあたる先週末、夫のフィリップとSnowdoniaの山脈をウォーキングしながら最終決断をした。表の舞台でも仲間内でも早期の選挙を否定していたが、6月8日に選挙に踏み切ることに」とういうことです。
ロンドンに戻ってきて、ハモンド財務相らごくわずかな閣僚にのみ伝えました。
いったいなぜ決断したのか?
関係者におりますと、選挙に勝てるという複数の要因が重なったそうです。2015年の保守党勝利を導き、次の選挙も見ることになる選挙ストラテジストは、南西部などで議席を減らす可能性もあるが、北東部などで議席を増やし全体で見れば勝てると踏んでいます。
最新の世論調査では与党保守党の支持率が44%、野党労働党が23%。労働党の不人気のコービン党首は、 5月4日の地方選挙で敗北したあと辞任する可能性があり、フレッシュな党首のもとの労働党と戦うより、6月8日にコービン首相と一騎打ちをすることを選択したとのこと。
さらにキャメロン前首相の公約ではなく、自らの公約を打ち出して、選挙に打って出るよう進言した仲間もいたそうです。
「6月8日に勝利すれば2022年6月まで選挙の必要がない。首相は以前、決断しないことを指してTheresa Maybeと揶揄されたが、撤回が必要そうだ」と名前のMayに引っかけて伝えています。
The Economistも名前のMayにちなんで、May be this time: Britain’s snap election(今回はもしかして、イギリスの解散総選挙)の中で、6月に選挙に踏み切るリスクを挙げています。
■BREXIT交渉が進む中で選挙に時間が取られる。
■独立の国民投票を目指すスコットランドに影響しかねない。
■イギリス国内の世論はBREXITをめぐり今なお割れており、投票行動にどう影響するか測れない。
一方で、2020年まで選挙を実施しないと言っていたメイ首相がその発言を撤回してUターンしたことは「選挙に賭ける価値があると判断したのだろう(she has decided that the gamble is worth it)」と結んでいます。
Wall Street JournalはUK’s Theresa May Calls Early Election, Seeking Brexit Leverage(英メイ首相、BREXIT交渉でのレバレッジを求めて早期選挙を決断)では「メイ首相はEUからの離脱交渉で有利な姿勢を得るために突然、早期の選挙を呼びかけた」と伝えています。
やはり、政党支持率が与党保守党が44%、野党労働党が23%という最新の世論調査を紹介し、通貨ポンドがドルに対して一時、6か月ぶりの水準まで値上がりしたとしています。
BREXIT交渉の相手となるブラッセルのEU本部の反応については、前向きだとした上で、「BREXIT交渉がよい結末となるという可能性がぐっと上がった」というEUの政府高官の声を紹介しています。
一方、イギリス経済についてはIMF=国際通貨基金が18日、ことしの経済成長率が2%に上昇すると、見通しを上方修正したものの、BREXITの判断が成長を鈍化させることを指摘したことも伝えています。
いまなら選挙に勝てると思ったからで、■自身の政党に対する支持率が高い、■野党が弱く、いまの不人気の党首を一騎打ちで打ちのめしたい、■景気は今はさほど悪くないが、今後、鈍化が予想される、■財務相らごく少数の側近にのみ事前に伝えた。 あ、これ、イギリスのことです、念のため。
こうした理由から賭けに出たという報道がイギリスから相次いでいます。さらに、6月に勝利すれば2022年まで選挙はなく、BREXIT交渉に専念できます。
FTはTheresa May calls snap election in bid to strengthen hand in Brexit talks(メイ首相、BREXIT交渉を有利に進めるため総選挙に踏み切る)で、「メイ首相は18日、EUからの円滑な離脱に向けて国民の総意を得るため、劇的な形で6月8日に総選挙に踏み切ることを呼びかけた」といいます。
投資家はメイ首相の勝利を予想し、イギリスとEUの通商交渉の締結を期待。その結果、通貨ポンドはドルに対して 2.7%値上がりしました。
演説でメイ首相は「ここ最近、そして渋々ながら選挙が望ましいと判断した」と述べていますが、選挙を予定の2020年まで待てばBREXIT交渉が混乱すると仲間には漏らしていたそうです。
交渉は2019年には終わる予定ですが、 6月8日に勝利すれば2022年まで選挙はありません。選挙で経ないままキャメロン前首相からバトンを渡されたという批判をかわしたいと狙いもあると伝えています。
「メイ首相は17日夕方にエリザベス女王に総選挙の実施を伝え、18日にEUのタスク大統領にも伝えた」とこと。
同じFTのPolls pointed to opportunity that was too good for May to miss(世論調査はメイ首相にあまりに好意的だった)の細かい描写がおもしろいです。
「メイ首相はイースター休暇にあたる先週末、夫のフィリップとSnowdoniaの山脈をウォーキングしながら最終決断をした。表の舞台でも仲間内でも早期の選挙を否定していたが、6月8日に選挙に踏み切ることに」とういうことです。
ロンドンに戻ってきて、ハモンド財務相らごくわずかな閣僚にのみ伝えました。
いったいなぜ決断したのか?
関係者におりますと、選挙に勝てるという複数の要因が重なったそうです。2015年の保守党勝利を導き、次の選挙も見ることになる選挙ストラテジストは、南西部などで議席を減らす可能性もあるが、北東部などで議席を増やし全体で見れば勝てると踏んでいます。
最新の世論調査では与党保守党の支持率が44%、野党労働党が23%。労働党の不人気のコービン党首は、 5月4日の地方選挙で敗北したあと辞任する可能性があり、フレッシュな党首のもとの労働党と戦うより、6月8日にコービン首相と一騎打ちをすることを選択したとのこと。
さらにキャメロン前首相の公約ではなく、自らの公約を打ち出して、選挙に打って出るよう進言した仲間もいたそうです。
「6月8日に勝利すれば2022年6月まで選挙の必要がない。首相は以前、決断しないことを指してTheresa Maybeと揶揄されたが、撤回が必要そうだ」と名前のMayに引っかけて伝えています。
The Economistも名前のMayにちなんで、May be this time: Britain’s snap election(今回はもしかして、イギリスの解散総選挙)の中で、6月に選挙に踏み切るリスクを挙げています。
■BREXIT交渉が進む中で選挙に時間が取られる。
■独立の国民投票を目指すスコットランドに影響しかねない。
■イギリス国内の世論はBREXITをめぐり今なお割れており、投票行動にどう影響するか測れない。
一方で、2020年まで選挙を実施しないと言っていたメイ首相がその発言を撤回してUターンしたことは「選挙に賭ける価値があると判断したのだろう(she has decided that the gamble is worth it)」と結んでいます。
Wall Street JournalはUK’s Theresa May Calls Early Election, Seeking Brexit Leverage(英メイ首相、BREXIT交渉でのレバレッジを求めて早期選挙を決断)では「メイ首相はEUからの離脱交渉で有利な姿勢を得るために突然、早期の選挙を呼びかけた」と伝えています。
やはり、政党支持率が与党保守党が44%、野党労働党が23%という最新の世論調査を紹介し、通貨ポンドがドルに対して一時、6か月ぶりの水準まで値上がりしたとしています。
BREXIT交渉の相手となるブラッセルのEU本部の反応については、前向きだとした上で、「BREXIT交渉がよい結末となるという可能性がぐっと上がった」というEUの政府高官の声を紹介しています。
一方、イギリス経済についてはIMF=国際通貨基金が18日、ことしの経済成長率が2%に上昇すると、見通しを上方修正したものの、BREXITの判断が成長を鈍化させることを指摘したことも伝えています。