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GoogleによるMotorolaの買収の舞台裏

GoogleによるMotorolaの買収の本当の狙いはパテントであることはこのブログでも以前書いたが、そのあたりの事情を、Motorolaの役員同士の会話という設定で書いてみた。あくまで状況証拠(参照)のみから作り出したフィクションなので、そのあたりは誤解なきように。

A: 最近、AppleとMicrosoftのパテント攻勢がすごくなって来たな。

B: ああ、AppleはSamsungをパテント侵害で世界各国で訴えまくっているし、HTCがMicrosoftに払っているパテント料はAndroid端末1台あたり10ドル近いという情報もある。

A: 無料のはずのAndroidも安くないということだ。パテントだけに一台あたり10ドルも払うぐらいなら、Microsoft から OS をライセンスした方が良いと HTC が思ってくれることを Microsoft は狙っているわけだ。

B: うちは大丈夫だよな。

A: もちろんだよ。うちのパテントは Apple や Microsoft には負けていないからな。訴えられたら、訴え返してクロスライセンスに持ち込むだけのことだ。それを知っているから、うちには手を出して来ないよ。

B: AppleとMicrosoftには感謝しなけりゃいけないな。SamsungとHTCにはやられっぱなしだからな、うちな(笑)。

数ヶ月後、

A: Google がうちのパテントを買いたいと言って来たぞ。

B: やはり来たか。いくらでライセンスしたいと言っているんだ?

A: いや、ライセンスじゃなくて、権利をすべて買い取りたいと言っているんだ。かなりの金額を用意しているようだ。

B: それは無理な話だ。パテントを売ってしまったら、うちの差別化要因は一切なくなってしまう。

A: じゃあ断れというのか?うちはこのままじゃあ、どのみちじり貧なんだぞ。

B: 会社ごと買ってもらうって言うのはどうだ?

A: それはいくらなんでも無理だろう。Googleはハードを作る会社じゃないし。

B: でも交渉する価値はあると思う。Googleにとって我が社のパテントがどのくらい必要なのかで結果は違って来るが。

数日後、

A: 君の言う通り、会社ごと買っても良いと言って来たぞ。提示額は1株30ドルだ。

B: やはり食いついて来たか。よほどパテントが欲しいんだな。

A: 俺も驚いたよ。1株30ドルも出してもらえたら株主も大喜びだな。

B: 君も甘いな。たった30ドルで手を打つ気なのか?

A: 30ドルでも今の株価に比べたら十分なプレミアムじゃないか。

B: たしかにそうだが、Googleのポケットはもっと深いぞ。40ドルは出すと思う。

A: いくらなんでも40ドルは無理だろう。

B: 何を弱気なことを言っているんだ。1株43.5ドルなら売ってやると言い返してやれ。

A: そんなことをしたら破談になるぞ。

B: 大丈夫だよ。Googleにとってうちのパテントは最後の望みだ。NokiaはMicrosoftと組んだし、Sony EricssonはSonyの100%子会社になる話が進んでいて、それどころじゃない。

数日後、

A: Googleから1株37ドルでなら買うという返事があった。これ以上は出せないと言っている。

B: 7ドルも上げて来たか。やはり私の読みは正しかったな。

A: 37ドルで手を打とう。Googleもこれ以上出せないと言っているし。

B: だめだ、40ドル未満では売らない。

A: 君も頑固だな。破談になっても知らないぞ。

B: 破談にはならないと言っただろう。1株40.5ドルでカウンターオファーを出してくれ。これで先方にはこちらの意思が伝わって、1株40ドルで手を打とうと言って来るはずだ。

数週間後、

A: 君の言う通りになったな。しかし1株40ドルも出すとはね。

B: これで株主も喜ぶし、君も私も悠々自適だ。18ヶ月のロックアップ期間が終わったら、ハワイに別荘でも買ってのんびりしようと考えてるよ。君はどうするつもりだね。

A: さっそくSamsungとHTC のヘッドハンターからコンタクトがあったんで、これから時間をかけて交渉するつもりだ。

B: 後からGoogleに訴えられない様に気をつけろよ。

A: 大丈夫だ。君に紹介してもらった弁護士を使って18ヶ月後にはどこででも働けるような条件で雇用契約を結んだよ。

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