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ユデガエル国債

 イタリアが揺れている。 ベルルスコーニ首相への不信任もあって、イタリア国債が売られることで金利が上昇し、金利上昇が国債費負担を拡大させ、それがイタリアの財政赤字を悪化させるのではといった悪循環に陥っている。

 そこで日本だが、状況はイタリアよりはるかに悪い。 経済規模に対する財政赤字額も国債発行残高も、日本は先進国中で最悪の水準を独走している。

 唯一の救いは、国債発行残高の95%前後が国内の金融機関や機関投資家に保有されていることだ。 いつも国の政策に従順で、横並びの行動を得意としている彼らが国債を保有している限りは、国も安心しきって野放図な財政赤字拡大に走れる。

 いってみれば、日本のお粗末な経済政策と膨れ上がる一途の国債発行残高、それを支える金融機関に預貯金など個人マネーがどんどん集まる、一種のユデガエル状態にあるわけだ。 どれもこれも経済合理性から大きく離れた、きわめて危険な方向をひた走っている。

 どこかでギアの回転が鈍り逆回転を始めたら、もう収拾のつかない混乱に陥るのは眼に見えている。 イタリアなどをはるかに上回って、先進国でも最悪の財政赤字や国債発行残高の状況にある以上は、どんな事態となるか想像を絶することも覚悟しておかざるを得ない。

 だからといって、財務省などが主張するなにがなんでもの財政健全化策では経済活動が縮こまるばかり。 それでは財政赤字幅は縮小しても、国債発行残高はなかなか減っていかない。 やはり、経済成長率を高めて税収の自然増を狙うのが政策として王道である。 その即効薬が株価上昇なのだが、なぜか誰もそのあたりを真正面から主張しようとしない。

 景気なんて気の問題だから、株価上昇がもたらす心理効果と資産効果を活用しない手はない。 予算など投入しなくても、経済の現場を明るくさせてくれるし、だれにも損はないのにね。

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