マリキーといえば、モースル失陥当時のイラク首相で、個人的情実と宗派的思惑から、イラク軍幹部を、軍事的能力はないが、彼に個人的に忠誠を誓う連中で固め(また政府も同じ手法の人事政策をして、腐敗をはびこらせる要因となったとされている)、モースル等をISに引き渡すこととなった責任者だが、どうやら彼が再びイラク政治の主流に出てこようかというので、シーア派内部の大きな問題となっている模様です。
これはal qods al arabi net とal arabiya net の報じるところで、それによると彼の属する(確かダウワ党だったと思うが)も含めて、シーア派の政党が形作る政党連合の「法治国家」連合の、代表のomar hakim がこの9月に辞任する意向を表明し、その後任として、かのマリキーの名前が挙がり、多くのシーア派政党が反対を表明しているとのことです。
もちろんスンニ派とクルド派の政党は、マリキーの彼らに対する強硬態度にかんがみて、彼がシーア派連合の長になることには反対の意向を表明している由。
シーア派政党では、特にサドル師の自由連合が反対が強く、その議員たちは、マリキーの再登場は独裁政治の復活であるとか、モースルその他の多くの町をISに売り渡したのはマリキーであると非難している由。
http://www.alquds.co.uk/?p=704406
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/04/14/ممثل-مقتدى-الصدر-المالكي-سلم-محافظات-العراق-لداعش.html
マリキーは確か、現在は実権のない副大統領に祭り上げられ、長期間イランに滞在しているなど、ますますイランの傀儡?であることをあらわにしているようですが、彼が首相にでもなれば、名実ともにイラクはイランの衛星国家になったことを示すのでしょうね?
イランを中東での最大の問題とするトランプはどうするのでしょうか?
まだ時間はありますが、シリアにしてもイラクにしても、基本的な国の構成要件というか、勢力図が変わらない限り、いつになっても解決しない問題のようです。
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- 2017年04月15日 16:07