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- 2017年04月11日 14:00
アメリカの人事制度の特徴とは? 5分でわかる日本との違い
2/2FLSA: The Fair Labor Standards Act(公正労働基準法)
日本では聞きなれない米国人事における重要なキーワードに、「Exempt (エグゼンプト)」「Non-Exempt(ノンエグゼンプト)」というものがあります。「Exempt」とは「免除する」という意味で、FLSA: The Fair Labor Standards Act(公正労働基準法)という法律によって定められている最低賃金や残業代などの規定が「免除」されます。
その従業員が「Exempt」に該当するか否かは職務内容と給与水準によって決まり、業務の実施場所や部下の人数、業務指示の内容なども判断材料になります。そしてあくまでも、その判断は雇用者(企業)ではなく、FLSAという法律によって決まる点には注意が必要です。
最近のアメリカにおける残業代訴訟で最も多いのが、「法的に正しくはNon-Exempt従業員である者を、誤ってExempt従業員として働かせていた」という「ミスクラシフィケーション」のケースです。場合によっては、最大で過去2年間遡って残業代などを支払う必要が生じます。
そうしたリスクを避けるためにも、業務に内容に基づいた詳細なJDを作成することや、Non-Exempt従業員についてはきちんとした業務時間管理を行うことなどが重要です。
任意雇用(At-Will)と雇用終了
アメリカにおける雇用には、いつ、いかなるときも、理由の有無にかかわらず雇用主も従業員も雇用を解消できるという「At-Will(任意の雇用)」の原則があります。しかし、「At-Will」の一方で、訴訟も非常に多いのが現状です。特に、自主退職ではない会社都合による雇用終了は「不当解雇(契約不履行、報復的解雇、不誠実・不公正な解雇)」とみなされないように注意が必要です。
会社都合の雇用終了理由としては、「ビジネス上の理由」「不正行為・懲戒」「成績不良」があります。
・ビジネス上の理由
業務を縮小したり拠点を閉鎖したりする際、従業員に辞めていただかざるを得ないケースがあるかもしれません。そのような場合、明確な理由に基づいて戦略的に進めること、雇用終了後すぐに同じポジションで新規採用をしないことなどが肝要です。
・不正行為・懲戒
就業規則を定めていなければ、何をもって不正行為とするのか、何を懲戒対象とするのかなどが明確でなく、不当解雇とみなされる可能性があります。
・成績不良
JDを作成しておらず事前に明確な業務目標を伝えていなかったり、業績評価の記録を残していない場合、改善に向けたフィードバックを行っていなかった場合などは、何を持って「パフォーマンスが良くない」とするのかという点で訴訟に発展するケースがあります。
給与水準と諸手当の現状
日系企業と米系企業の給与データを比較すると、総務アシスタントは日系企業の方が高いのですが、会計担当や営業マネージャー、マーケティングマネージャー、ソフトウェアエンジニアなどは米系企業の方が高い水準にあります。一般的に、職位が高かったり、高い専門性を求められる職種の給与は、米系企業のほうが高い傾向にあるでしょう。また、アメリカにおける報酬制度の考え方は基本的に職務給であり、そのポジションにおける能力を重視して決定されます。昇給も年功的な考え方ではなく、年に1回ないし2回程度行われる評価をもとに決定されます。
そのため、給与水準や昇給において、日本の考え方をそのまま適応すると、優秀な人材が採用しにくくなる恐れがあります。
さらに諸手当や社会保険にも違いがあります。アメリカでは通勤交通費が支給される会社は少なく、住宅補助も少ない傾向にあります。一方で、営業のコミッションが支給されるケースが多いです。
保険などの福利厚生も、きちんと現状を把握した上で制度を設計する必要があります。米国における福利厚生付与率としては、眼科保険や生命保険、401(k)は全米平均で6割前後、10名以下の小規模企業では3割~5割弱と決して高くはありません。
しかし、健康保険と歯科保険は小規模企業でも8割前後と高いため、米国に進出したばかりで規模が小さい会社であっても、可能な限り整備する必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回、アメリカの人事の基本的な仕組みや考え方を、日本と比較しながら見てきました。
アメリカに限らず、日系企業が海外に進出する際は、その国の法律や各種制度、ビジネス慣習に基づいた人事制度の構築が求められます。同時に、日系企業の強みを発揮していくためには、日本型の人事システムの良さを上手く残しながら、その国の人事の仕組みと融合させていくことも重要です。
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