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  • mkubo1
  • 2011年11月08日 20:33

イタリア状況とバフェットさんの投資行動は同じ理由

イタリアの動きが気になるところです。
IMFは、イタリアを監視下の置きました。
これは、異例のことで、通常は資金支援を行っている国を監視下に置くのですが、今回は資金援助無しでも監視下においているのです。
イタリアの状況を常に観察して、何か起これば、すぐに対処するということなのでしょう。

イタリアの問題はどこにあるのか?
対GDP比の財政赤字は、昨年で、4.6%で、大して多くないというか少ないくらいです。
しかも、構造改革もそれなりに行っています。
もちろん、まだまだ、民営化する余地はありますし、柔軟性のない労働組合の問題などもあります。
しかしながら、最大の問題は、資金調達コスト>成長率という関係になっていることです。

放漫経営で、借金が200兆円くらいあるわけですが、資金調達コストが多いため、借金がどんどん増えていくという悪循環なわけです。
となると、借金の量が、増えて、さらに調達コストが上がってと、この負のスパイラルに入っています。

ここを改善しないと、イタリアの問題は片付きません。
そこで、IMFは、いざとなれば(そのために監視下に入れているのでしょうが)、短期低利融資を実行する可能性があります。
イタリアとしても短期金利で調達できれば、資金調達コストが低下しますので、負のスパイラルから脱することができるかもしれません。

さらに、成長率(名目GDP)が上がれば、イタリア問題は大きく前進します
そのためにも、ECBの利下げの持つ意味は大きくなります。
利下げによって、景気刺激にもなり、政府の資金調達も助けるということで、その効用は大きいわけです。
ドラギ総裁も、その辺のさじ加減を心得ている感じですね。
というわけで、12月も再利下げがあるかもしれないと思うのです。
加えて、重要なのは、EFSFの拡充策をより具体化することです。
どうも、今月中に法的作業を完了させ、来月に実現させる方針のようです。
このEFSF拡充(レバレッジをかける方法)は、絶対に必要です。
この資金で、イタリア国債を買うことができるので(実際に買うかどうかは別です)、多ければ多いほど良いのです。

イタリアが落ち着くかどうかは、EFSFの拡充と成長率の上昇&短期金利の低下にKEYがあると思います。

ところで、売られているイタリア国債ですが、これは、投資家が損切りしているのです(当たり前ですね…)。
先日、BNPパリバが決算で述べていましたが、イタリア国債の残高を6月末の205億ユーロから10月末には122億ユーロに落としていました。
これなど、多分、9月以降、売却した可能性が強いのでしょう。
ジェフリーズとて同じことで、ここ数日で保有しているPIIGSのソブリン債の50% を売却したのです。
このように、投資家が、投げているのです。

欧州の銀行は、PIIGSのソブリンを売却すると同時に、ドル資産を引き続き売却していると思います。
このドル資産の売却は、(以前と同じ理由ですが)資金調達の影響からきています。
未だに、欧州銀は、ドル資産の調達が、思うように行かないのです。
コストが高い(調達金利が高い)、貸してくれないという状態が続いているのです。
ですから、ドル資産を、しかも、優良で、売却しやすいドル資産を売っているわけです。

ここで、ドル3ヶ月LIBORを見てみます。
未だに、上がり続けています(といっても、昨年のギリシャ危機のときよりはまだ低いのです)。
しかし、上昇もゆっくりで、それほど、レートが高いわけでもありません。
ズルズル上がっているといった感じです。
リンク先を見る


私は、この上昇は、止まるのではないかと思っていました。
というのは、欧州銀が公的資金を受け入れて、増資をすると思っていたからですが、実際は、公的資金を嫌い、自助努力で、資産売却+内部留保拡大で乗り切ろうとしています。
この辺の読みは、銀行がいかに公的資金を嫌っているかという読みがあまかったかもしれません。
ともかく、資産売却を行っているということは、LIBORがあがるということであり、逆も然りなわけです。
ということは、ドルLIBORの上昇が終わる頃には、(ドルの)資産売却も一段落したというサインだと思います。

しかし、迷惑なのは、米国なわけです。
ドル資産を売られるということは、資産価格が下落する圧力がかかりますから、優良資産といえども、欧州銀の売りで、割安になっていることが考えられます。
特に、実際の景気指標は、良いとまではいかなくても、悪くはありません。
そんな中で、資産が割安ですと、バリュー投資家の登場となるわけです。
そう、ウォーレン・バフェットさんが、7-9月期に239億ドルも株式に投資したのだと思います。
結局、イタリア国債が売られているのも、バフェットさんが大量の株式を購入しているのも、欧州の銀行の(公的資金を回避するための)資産売却に原因があるのです。

問題は、いつまで、欧州銀の資産売却が行われるのか。
EBA(欧州銀行監督機構)が各行の必要資本額(増資額)を年内にも発表するので、それまでは、資産売却を急ぐ可能性がありますね。
その後は、資産売却も落ち着くのではないでしょうか。
銀行とて、資産売却ばかりしていてもいられませんからね。

そんなわけで、欧州の銀行の行動が、鈍化すれば、ドル資産は、大きな売り圧力から解放されますから、米国株など上昇しやすいと思います。

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