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- 2011年11月08日 12:53
雇用統計・インフレ率・FOMCの声明文を受けて金利はどう動くのか?〜SF連銀ペーパーより
2/2Monetary policy actions
金融政策
FF金利の誘導目標の変更といった金融政策の決定は、FOMC声明文、もしくはしばしば委員会の参加者による金融市場に関する新しい情報を含んだスピーチにおいて発表される。重要なのは、FedはFF金利のみを直接操作しているのであって、他の期間の金利は詳細の金融政策の予測の変化に影響されるということだ。金融政策がどのように期間構造に影響を与えるのだろうか?どのような方法で、貸出コストやモーゲージ金利を決定する長期金利に影響し、経済行動に強く影響を与えていくのだろうか?フォワードレートの全体の期間構造をみることは、どのように 経済のファンダメンタルズの認識としての金融政策の変更が、異なる時間軸の金利に影響を与えるかを明らかにした。期間構造における変化は、特に、政策行動が長いフォワードレートに直接的に影響を与え、中期的な時間軸より先に影響していくかということを示している。
マクロ経済のニュースと金融政策のニュースとの間には重要は違いが存在する。我々は経済のサプライズを定量化することは出来るが、政策のサプライズのすべての側面を測ることは出来ない。FOMC声明文の言葉やスピーチは定量化が容易ではない。サプライズな構成を捉えるために、研究者は政策の行動が金融市場にどのような影響を与えたかに焦点を当てた。従って、政策行動の影響を評価するために、私は雇用とインフレのニュースで用いたものと同様なモデル化した手法を採用し、政策のサプライズが発表されるときに、全体の金利の期間構造の変化を調べている。
図3:
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図3は2007年に3回Fedが利下げに動いた時の影響を示したものである。すなわち、9月18日に0.50%、10月31日に0.25%、12月11日にさらに追加で0.25%引き下げている。これらの3つの緩和的な行動は期間構造に大きく異なる影響を与えた。9月においては、利下げ幅がマーケット参加者にサプライズを与えた。短期金利は低下したものの、より長いフォワードレートは実際に上昇しており、おそらくは経済成長の予測を上方修正したことに反応したものとみられる。10月については、短期および中期のフォワードレートは会合の日に上昇した。おそらく市場がFF金利をより大きく変動させるか、もしくはFedの声明文の文言の変更を予測していたものと見られる。従って、金融政策は事前に予測されていたよりも引き締め的であるとみられた。市場はFedによる12月の利下げを予想しており、(利下げの声明文発表後に)期間構造のショートエンドは十分には動かなかった。しかし、中期および長期タームのフォワードレートは著しく低下した。声明文の文言の変更はどうやらマーケット参加者にとって、中期および長期的に渡ってさらなる金融緩和を予測させた。
この期間構造の変更は、典型的な金利に対する金融政策の影響である。これは、政策行動が本質的に多次元的であるという事実を反映している。マーケットはFF金利の決定もしくは他の政策行動と、文言が前回から変更されたFOMC声明文の両方を考慮しているはずである。政策行動の影響と声明文は市場の期待に基づいて異なってくる。最も強い影響は、マーケット参加者が驚いたときに発生する。金融政策の複雑さはインフレ調整した金利やインフレ期待、他の資産価格の動きからも表れている。
図4:
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期間構造において、金融政策のシステマティックな影響はあるのだろうか?政策によって引き起こされた金利の変動を考慮することは、この質問に答えるのに役立つ。図4はFOMC声明文が発表される日と、そのような声明文が発表されない日のフォワードレートの金利変動の比較である。Fedが金融政策の声明文を発表した日は他の日に比べて高い変動を示している。明らかに、金融政策は金利変動のキードライバーとなっている。最も動いたのは2-3年の期間の中期タームの金利である一方、政策行動はより長いフォワードレートにも強い変動を引き起こしている。もちろん、これは長期金利が短期金利と同じ方向を動いているかどうかについて述べているわけではない。しかし、金融政策の影響が長い時間軸に拡大し、数年の時間軸で変動が消えることはないことを示している。
Conclusion
結論
金融市場において、マクロ経済の指標のサプライズや金融政策の影響を理解するために、どのように金利のクロスセクションに影響を与えたかを考えることは重要である。そのような分析は、どこでマーケットにおいて、経済のファンダメンタルズの予測を変化させたかを示している。実質金利の期間構造の似たような分析やインフレ期待、リスクプレミアムは、どのように経済のファンダメンタルズが金利の期間構造を動かしているかについて、潜在的に、よりもっと明らかにしていく。
CPIと雇用統計では金利の期間構造に異なる影響を与えていたというのは意外で、驚きがあった。また、金融政策については、現状の政策アクションと声明文に盛り込まれた先行きの示唆という両方を織り込まなくてはならないため、多面的な影響を与えていく。さらに、現状、金融政策は非伝統的政策にシフトしており、時間軸政策、もしくはフォワードガイダンスの明示化といったように、金利市場の金利予測形成により、金利の期間構造に働きかける政策もある。こうした評価については今後ペーパーなどで触れられていくものと思われる。



