- 2017年04月12日 18:01
「見えない通貨=信用」にはメンテナンスが必要。だから挨拶や礼儀作法は超重要
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syakkin-dama.hatenablog.com
借金玉さんのブログ記事は、世間の人があまり意識していない、けれども社会適応を大きく左右するような“法則性”を見抜いたものが多いと思います。今回の「見えない通貨」のお話も、古代社会から現代社会にまで通用する、深甚な内容だと思いました。
通貨の歴史を遡って考えるなら、「見えない通貨」と喩えるより、そもそも通貨とは「信用が可視化され、しかも譲渡可能なかたちになったもの」と言い直したほうが事実に即しているのかもしれません。
[参考]:https://hikakujoho.com/manekai/entry/20160809
しかし、お金の価値を誰もが信用し、当たり前のように使っている現代社会では、通貨=信用という前提は意識されにくいでしょう。だからコミュニケーションに媒介される人と人の間の信用を、「見えない通貨」と表現するのは、現代人にはわかりやすい比喩だと思います。
「見えない通貨=信用」は目減りする。だからメンテナンスする必要がある
借金玉さんは、そんな「見えない通貨」について、
こないだツイッターでちょっと触り程度に話した話題なのですが、人間が集まった集団というのはもうその時点で部族なので、ある種の部族ルールが発生します。
(中略)
特に、公務員系の職場の皆さんはわりとハードなルールが存在する場合が多いと思います。なにせ、仕事の成果が「利益」というモノサシで計れない場合が多いですからね。「結果を出す」ということの定義がわりと不透明になります。この辺、バリバリの営業部族なんかだと話はまったく別で、「とにかく数字上げる奴が偉い」みたいな世界観だったりもするんですが、明確な評価の尺度が存在しない部族ほど、部族ルールは難解さを増します。
仕事の根回し、事前確認、終わった後のお礼回り、この辺を外すと大変危ないですね。また、明文化されていない職場の序列なども存在し、「誰から話を通すか」などの順番をミスった時点で全てが終わっているなどの現象も割と発生します。大学のサークルなんかも利益を目指す集団ではないのでわりと部族化しやすく、明文化されていない謎の風習が発生しやすいですね。あなたがサークルに溶け込めない理由はこれです。
こうした具体例を挙げておられます。そのうえで、この「見えない通貨」をうまくコミュニケーションでこなせれば「人間の間で流通する金ではない何か」が決済される、といったことを仰っています。
これって、「お金=信用が具現化した媒介物」と考えると、まさにお金と同じ動きなんですよね。仕事の根回し、事前確認、終わった後のお礼回りのたぐいも、コミュニケーションを介して個人間で「信用」をやりとりしているという意味では「通貨」と変わりません。現代社会の「通貨」に比べると、これは原始的な「信用の取引」、いわば信用の物々交換に近い形態ですが、ともかくも、そこで「信用」が交換されているわけです。
でもって、人間は疑い深く誤解を起こしやすい生物なので、人と人の間の「信用」は、時間とともに磨り減っていく傾向にあります。少なくとも、コミュニケーションをとらずに放っておくと「信用」はどんどんなくなるでしょう。だから、挨拶をはじめとするコミュニケーションは、お互いを「信用」しあいながら生きていくためには必須となります。これは、学校でも職場でも家庭でも同じです。人と人の間の「信用」をメンテナンスするためのコミュニケーションを怠っている人は、どこへ行っても信用されにくく、不信の目でみられやすくなるでしょう。
「見えない通貨=信用」を巡るローカルルール
ただし、これも借金玉さんが指摘しているとおり、「見えない通貨」のやりとりにはローカルルールがはびこっています。
公務員の世界と営業サラリーマンの世界ではローカルルールが違いますし、学校、企業、年齢、地域によっても微妙に異なります。信用関係を保って気持ち良くコミュニケーションする際の難点のひとつは、こうしたローカルルールが少なからず幅を利かせ、しかもわかりにくいことです。
現実の通貨に関しては、為替サービスやクレジットカード支払い等が充実しているので、ドルを持っていようが、ユーロを持っていようが、円を持っていようが、決済に困る場面はあまりありません。とはいえ、為替やクレジットカードが使えないローカルな店舗では、「現地で流通している通貨」を用意しなければ取引が成立しません。
それと同じで、A大学では「信用」を獲得するのに有効だったローカルルールが、B社では通用しないか、むしろ「信用」を損ねてしまうものだった……ということは往々にしてあります。このあたりを勘違いしてしまうと、「信用」を稼げそうなコミュニケーションをしているつもりで大失敗することがあり得るので、その組織・その場ならではのローカルルールはなるべく早く察知するのが望ましいのだと思います。
- シロクマ(はてなid;p_shirokuma)
- オタク精神科医がメディアや社会についての分析を語る



