- 2017年04月11日 08:33
決算委員会第一分科会質問(シリア情勢、北朝鮮情勢、経済協力等)
2/2● 北朝鮮情勢
3月16日、ティラーソン国務長官は岸田外相との会談での記者会見で「北朝鮮に対して非核化を求めた過去20年間の政策は失敗だった」と述べています。まず、「こういう認識を共有しているか。」と聞いています。あまりはっきりとした答弁はありませんでしたが、言外に「上手くいっていない」というニュアンスが滲んできました。
ここで重要な事は「何が上手く行かなかったのか」という点です。抑止が効かないというのは、大きく分けて2つの可能性があります。① 政策の中身そのものが問題だったのか、② 政策は間違っていなかったが、抑止効果を与えるようなかたちで北朝鮮側に伝わっていなかったということなのかです。どんなに「核兵器を進めたら武力攻撃の対象となる」と言っても、相手がそれを信用しなければたかを括られてしまいます。抑止の理論というのは、メッセージがどういう形で伝わっているのかという部分がポイントです。その検証をすべきとの問題意識から、「何が上手く行かなかったのか」と聞きました。官房長官は意外にも正直でして「どちらにも問題があった。」という事を示唆していました。
ここは「ゲームの理論」的な視点でして、与野党問わず、何が上手く行っていないのかを、事実関係をよく収集してみて、そして理論的に解明していくのが大事だと思います。
ここからは質問の内容をガラっと変えまして、経済協力について聞いています。私が昔から「これはねぇ...」と思っている事がありまして、それは途上国に派遣されている各省庁からのJICA専門家の存在です。言語能力が怪しい、大して役に立っていない、いつも派遣元の省庁ばかり見ている、本当に看過しがたいケースを昔、何度も見ました。何故、そのような専門家を受けているかというと、受け入れ国側でも「居ても居なくてもいいんだけど、受け入れると機材供与が来る。機材が欲しいから受け入れている。」というケースだってあるわけです。
つまり、事実上、各省庁の人事サイクルの一環として派遣されているだけという事です。平成27年度に派遣されたJICA専門家は980人、その内、省庁出身者は230人とかなり多いのです。
外務副大臣は「ご指摘は当たらない」と言っていましたが、正直「誰だ、そんなブリーフをしたのは!」とムッとしました。ただ、問題意識はきちんと伝えたので厳しくやってほしいと思います。答弁では言えないものの外務省も分かっていると思います。
かつて、経済協力の無償資金協力の中で「水産無償」という特別枠がありました。私はセネガル在勤時、何度も見ましたが、本当に「良い思い出」が一つもありません。水産庁の既得権というような感じがプンプンしました。既得権化すると、予算消化の発想が出てきて無駄な事業を作ってしまうのです。
外務省が行っている「水産無償」については、2015年度から、そういう特別枠的な「サブ・スキーム」を廃止するという事になっています。そういう方向でいいと思いますが、「如何なる意味においても区分経理、水産無償単独での予算確保はやっていないとの理解でいいか。」と質問しました。「やっていない」との事ですが、予算配分状況を見た上で廃止後の変化があるのかどうかをもう少しよく見ていきたいと思います。
また、外務省分とは別に、水産庁が独自に行っている水産無償は「無駄遣い」で会計検査院からの指摘が2度も入っています(2008年、2014年)。需要のないところに無理をして施設を作っているとの厳しい指摘です。しかも、事業の大半が公益財団海外漁業協力財団に配分されています。大体、水産庁の水産無償の8割くらいは同財団が実施する事になっています。そして、同財団の事業の大口は国費によるものです。
更には、理事長は10数年前に退官した農水OB。典型的な役所の資金で動いている天下り団体にしか見えません。細田農林水産大臣政務官は「特に問題はないと思う。」と答弁していましたが、本件はまだまだ追っていきます。
最近、外務省において「新入省員で外交史や国際法の素養が不足している人がいるので研修を強化する。」との報道を見ました。良い事だと思います。
その一方、現在の省員についても語学力の問題がある人がかなりいます。例えば、私はフランス語研修ですが、外務省フランス語研修組の中には「こりゃ、ダメだ」と思いたくなるくらいの能力の人がかなりいます。2年国費でフランスに留学させてもらって、その後30年近く奉職した大使のスピーチを聞いて愕然とすることは稀ではありません。2年フランスで研修させたことそのものが税金の無駄だと思えるくらいのレベルです。答弁は「ちょっと問題意識に欠けるのではないか?」というものでしたが、平場で厳しく指摘させていただきましたので改善を図っていく事を期待したいと思います。
以上、長々と書きましたが、前半はそれなりに面白い答弁だったと思います。



