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決算委員会第一分科会質問(シリア情勢、北朝鮮情勢、経済協力等)

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【要旨】

 本日、決算委員会分科会で質疑。シリア情勢についての基本的な日本の立ち位置、対北朝鮮での抑止の効果検証、経済協力、外務省の研修体制について足早に質問。特にシリア情勢については、政権の本音、苦悩が見え隠れする内容だった。

【本文】

 今日、決算委員会第一分科会で質疑に立ちました。内容はシリア情勢、北朝鮮情勢、経済協力等について官房長官、外務副大臣に質問しました。シリア、北朝鮮については、基本的に事実確認的な内容に徹していますが、非常に示唆的な答弁があったと思います。それぞれの映像はリンクを見ていただければと思います。

● シリア情勢

 まず、冒頭、シリアにおいて「化学兵器は使用されたのか」、「使用したのはアサド政権か」の2点について聞きました。答弁は、前者については「はい」でしたが、後者については現時点では確定的な答弁がありませんでした。

 また、化学兵器の使用はレッドラインを超えたのか、と質問しました。この「レッドライン」という表現は、2013年時点でオバマ大統領が使った表現です。通常、米国大統領が「レッドライン」という言葉を使えば、「やったら武力行使だ。」という事を含意します。しかし、オバマ大統領は化学兵器使用に対してそのオプションを選びませんでした。それがオバマ大統領の権威の低下を招いたわけでして、今回、トランプ大統領がシリアに攻撃をしたのは、その時との対比を強く意識したのではないかなと思っています。なお、答弁は「米国が判断する事」というちょっと「?」な答弁でした。

 そして、イラク攻撃の時との対比で誰もが気になる「証拠の提示はあったのか?」という問、これは聞かざるを得ません。答弁は「米国とのやり取りの詳細については控える。」というものでした。まあ、これ以上の答弁は用意されていなさそうでしたので、これはあまり追いませんでした。

 更に本件に伴う安倍総理の声明について質問しています。これはメディア各位が間違って報道しているものです。安倍総理が言っているのは、以下のようなものです。

① 化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持

② 今回の米国の行動はこれ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解

③ 国際秩序の維持と同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを高く評価

 まず、日本が支持したのは①「決意」です。「行動」ではありません。そして、高く評価したのは一般論としての③「平和と安全に対するコミットメント」です。逆に「米国の行動」については、単に「これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解」しているに過ぎません。

 メディアは「米国の行動を理解」と報じているところも多かったですが、これは間違っています。「理解」という言葉には幾つかの意味があり、「物事のすじみちをさとること。わけを知ること。物事がわかること。」というものと、もう少し踏み込んだ「人の気持や立場がよくわかること、相手の意をくみ取ること。」といったものがあります。「米国の行動を理解」と書くと後者の意味合いになりますが、今回の安倍総理声明の「理解」は後者ではありません。単に「○○と承知している」程度の意味であり、非常に弱い表現です。

 「なんだ、言葉遊びか。」と思われた方もいるでしょう。しかし、この表現の違いは外交上とても重いのです。以前書いたブログでも紹介したのですが、1999年コソボ空爆の際、高村外相とオルブライト国務長官との間で本件で緊張感あるやり取りをしています。高村外相は爾後、ある場所で「NATOによるコソボ介入の時に私は外務大臣であったのですが、それに対して私は当時『理解する』と言いました。『支持する』とは言わなかった。オルブライト国務長官から電話がかかってきて、『支持してくれてありがとう』と言いますので、『理解します』と答えたが、これを3回くらい繰り返した。」と語っています。気まずい雰囲気だったことは想像に難くありません。

 しかし、安倍総理の声明は上記①や③を述べる事で、出来るだけメディアに「支持」、「評価」という表現が踊るように誘導しています。そこまでやるのなら、単刀直入に「行動を支持」と言うという選択肢はないのかなと思い、「米国の行動は支持しないのか。」という質問をしました。裏の裏まで読んでの質問でしたので官房長官は苦笑いしていましたが、最終的な答弁は「攻撃に対する国際法上の評価が定まっていない。」という答弁でした。

 少し技術的ですが、今回の爆撃は2013年国連安保理決議2118パラ21における「国連憲章第七章の下での措置」とは考えているんじゃないかな、とも思いまして、認識を聞きましたが、答弁は「国際法上の評価は定まっていない」のままでした。概ね政府の考え方は明らかになりました。

【国連安保理決議2118パラ21】

21.  Decides, in the event of non-compliance with this resolution, including unauthorized transfer of chemical weapons, or any use of chemical weapons by anyone in the Syrian Arab Republic, to impose measures under Chapter VII of the United Nations Charter

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