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【映画評】ゴースト・イン・ザ・シェル



『ゴースト・イン・ザ・シェル』公式アートブック THE ART OF 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL 『ゴースト・イン・ザ・シェル』公式アートブック THE ART OF 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

スカーレット・ヨハンソン主演の実写版「攻殻機動隊」、「ゴースト・イン・ザ・シェル」。おっかなびっくりで観てきました。

結論から言いますと、思ったほど悪くはなかったです。まことに僭越ながら「ま、頑張ったね!」というところでした。何しろ電脳の設定、素子のなりたちから丁寧にたちあげて2時間ちょっとで形にするというのは並大抵ではないでしょう。ビジュアルが安っぽくなかったのも上々ですよ。

ただ、「頑張ったね」という上から目線になってしまうのは、この映画がどこか「あらかじめ定めていた目標に到達しようとした」かのように見えてしまったためです。その目標とは、言わずもがな世界に衝撃をもたらした押井守による劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」であるし、そのあとに続くアニメ版であるでしょう。とにかく、それら連綿と続く作品の世界観の水準に、実写で頑張ってもっていこうとした努力は認めてあげるべきだと思うんです。

でもね。実写版がアニメ版を到達点にするのもおかしいと思うんです。つまり、95年にすでに達成したサイバーパンクのビジュアルを、2017年の今繰り返してどうなんだと思うわけです。とくにぼくが一番ガッカリ来たのは、街並みの描写でした。いやいやいや、いつまで「ブレード・ランナー」を繰り返すのか、と。

その他にも、神山健治が手がけた「S.A.C.」シリーズが特に好きなぼくとしては、公安9課の面々のモブ感が残念でしたよね。2時間という制約の中でしかたないとは思いますが、もうすこし9課おのおのの活躍を描いてほしかった。サイト―のちょい役感はもはやギャグでしかない。

そして、この映画でいちばん見てられなくなったのは世界の北野、ビートたけしです。彼だけ日本語をしゃべっているのは、どう考えても笑ってしまいますよ。百歩譲って、日本語でも通じるのは電脳でみんな音声言語を翻訳しているからだ、とこっちが勝手に脳内で「合理化」をしておきましたが、それにしても、あの投げやりで心ここにあらずな演技はなんなのだと。こっちは、電脳をハックされてるんじゃないかとなぞのミスリードをされましたよ。観た人はわかると思いますが、とにかく異物感がすごいんですね。

総合しますと、「攻殻機動隊」シリーズにとってプラマイゼロ。マイナスでなければ、プラスでもないなんとも言えない実写化です。頑張ったのはわかったから、もうそろそろ次にいかない?

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