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森友学園の何が問題か ~教育勅語暗唱に見る合理的精神の欠如~

森友学園について、誰が、何故、何時、何処で、どう関与したか、その当否が様々に取り上げられています。

 その一つ一つが問題なのは勿論その通りなのですが、私は、この問題の最大の問題は、森友学園(塚本幼稚園)で行われていた教育の明らかな不合理さと、それを目の当たりにしながら、現役の国務大臣はじめとする複数の政治家や、保守を掲げる名だたる識者が、問題発覚まで何の疑問も持つことなく、称揚し続けた合理的精神の欠如であると、思っています。

 後知恵の様で恐縮ですが、塚本幼稚園の特異な教育方法は2~3年前からインターネットでは有名で、私は当時から強い違和感を持っていました。
 少々話が飛んでしまいますが、私には今3歳になる姪がいます。身贔屓的になかなか利発で色々な言葉を良く覚える子ですがしかし、彼女に意味も分からぬ教育勅語を一字一句違わず暗記させ、毎朝直立不動で暗唱させようと思ったら(HPでは「朗唱」となっていますが、来賓の前で「暗唱」している動画が流布しています。)、ほぼ間違いなく、虐待に近い強制が必要でしょう。仮に保母さん方の献身的努力の末強制なしにそれができたとして、世の中には色々な子供がいます。当然何度言ってもできない子供もいるはずです。すべての子供が一糸乱れずあれができるという事は、ほぼ間違いなく、意思によってであれ能力によってであれ、いずれにせよ出来ない子供を強制的に排除していたのだろうと推測されます。
 それだけではありません。森友学園のHP( http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/about/ )によると、森友学園では幼稚園児が、正坐をし、論語を読み、そろばんをはじき、将棋をマスターし、ラグビーにいそしみ、年を通じて水泳をし、大正琴を演奏し、鼓笛隊の練習をし、様々な絵画・製作活動にいそしんで多数の表彰を受けていました。そんなことが、実際問題可能でしょうか?齢49歳になる私がやっても明らかにパンクするというか一目見て過剰で、これまた虐待に近い強制があったか、若しくは全くの誇大宣伝であったということでしょう。

 これらのことは、決して推論が難しいことではありません。数年前からインターネットに出回っていたあの映像を見て、たった一度HPを見るだけで、多少なりとも一般的な常識のある人になら、簡単に推測出来たことだと思います。
 ところが一般の人よりもはるかに見識が高いと思われている現職の国務大臣が、国会議員・地方議員が、保守を掲げる名だたる有識者が、そんな事をこれっぽっちも考えもせず、森友学園の教育を絶賛し、入学を勧めていたのです。
 その理由は、「森友学園が教育勅語を暗唱させていたから。」「森友学園が戦前精神主義的教育をしていたから。」以外にあるでしょうか?私はないと思います。

 これら有識者の方々は、おそらく本当に心から、「教育勅語を暗唱させさえすれば、幼稚園児の心身が鍛えられ、誰もかれもがたちどころに一言一句違わず直立不動で暗唱できるようになり、この超人的といえるスケジュールを次々こなせるようになる。」と信じていたのだと思います。
 百歩譲って具体的にそこまで思ってはいなかったとしても、この見識あふれる有識者の方々は、「教育勅語」「戦前精神主義の復活」という言葉を聞いた瞬間に、彼らにとって崇高なその精神論で頭がいっぱいになって、客観的事実の確認や、批判精神に基づく推論や検証の必要性といった、合理的精神の一切合切をきれいさっぱり忘れ去って、ただただ理事長である籠池氏の言を頭から信じ込み、その思い込みに基づく識見を多くの国民に披露し、それに従って行動することを勧めた事は否定できないでしょう。

 それで日本の行く先は、正しく示されるのでしょうか?「敵を知り己を知れば百戦殆うからず。敵を知らず己を知らざれば戦う毎に殆うし。」。合理的精神の欠如した、精神論によって導かれる政治は、国を危うくするものでしかありません。 

 私は、根拠なき精神論に惑わされず、客観的な現状認識に基づいて、現実的で合理的な対策を講ずる県政を進め、子供たちの未来のために、合理的精神を培う、合理的教育を行っていきたいと思います。

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