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- 2017年04月09日 10:00
子どもの貧困問題について本気で考える会:ビッグイシュー×Teach for Japan【イベントレポ】
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まず、若者のホームレスって、見たことがないのだけれど…と思われるかもしれません。
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これは、ヒアリングの結果、野宿だけでなくネットカフェや終夜営業の店舗などで仮眠を取っている若者が多いということ、そして、食べるものを削ってでも他の人と同じ格好を維持しようとしていること、炊き出しに行くとホームレスのように見られるから嫌だ、などの傾向があるため、一見してもわからないということから来ています。
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次に、ホームレスになるくらいなら、実家に帰ればよいのでは?という疑問もよく出てきます。
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主な養育者を見ると、両親がいた人は約半分。また、家族の縁が薄いというのも特徴で、家族との折り合いが悪い、家族がみんな貧困なので帰ると迷惑をかけてしまう…といった理由もあります。児童養護施設の出身者も割合的に高く50人中6人、これはヒアリングをした人たちの中の11%です。親戚に育てられた人も50人中3人(6%)います。
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また、学歴が相対的に低く、自立を求められる社会人スタート時にすでに不利な状況にあるともいえます。
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次に、「なぜ働かないのか?」という点について。
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彼らはもともと働いていないわけではなく、正社員経験がある人も多いです。
ただし、この表からはわかりませんが、話を聞くとその多くが地方出身の人たちで、正社員といっても賃金がとても低く、実家を出て自立できるような金額ではない。しかも、自分の上司を見ても不況の中で待遇は悪くなる一方で、とても自分の将来像として希望を持てるようなものではないという状況があった。そんな中で「月収最低25万円」といった派遣会社の求人広告を見て故郷を離れて働きに出てきた、という人が多い。だから、転職回数も多いのが特徴です。
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どういう仕事をしてきたのかというと、製造業や警備などの派遣で働いたという人が多いです。
「転職」といってもキャリアアップしていくというよりは、派遣で働いていて、期間が切れて次…というケースを繰り返す方が多いようです。
また、この調査をしたのはリーマンショックの前後ですが、最初は「週5日、月収25万円」などといわれて就業したものの、生産調整などで週の勤務が4日になり、3日になり気づいたら月に数日しか働けず、寮費が払えなくなった、といったお話も聞きました。
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正社員で働いていたけれどクビや会社の倒産になり…という話もありました。その後、派遣仕事になり、日雇い仕事が増え、になり飯場(※)で働くようになりました…というように、働く環境や条件がだんだんと劣化していくことが多いのです。
※飯場:地方の建設現場などでご飯つきの宿泊所がある現場なので「飯場」という。仕事がない日は収入はないが宿泊費はかかるため、滞在している間に収支がマイナスになる、もしくはそのように仕向けるような悪質な場所もある。
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路上生活になるまでが階段であるならば、ひとっとびは無理にしても、階段を少しずつ登っていけるような状態があればいいのでは?と考えています。
例えば、最初は使える福祉の情報知ることができる…生活保護はこんな状態でも受けられるよとか、路上にいても救急車は呼べるよとか。
そして、制度としては、住宅費用の補助を増加してはどうかとか、新たな仕事に就くための技術が習得できる訓練やその間の生活支援を設ける、就職が決まった人には給料日まで期間が長いので最初の月の生活費を援助するなどが考えられます。
今日はぜひ、アクションプランということでみなさんもこの階段を増やすために何ができるかを考えてもらえたらと思っています。
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―――
ここで再びワークの時間。
それぞれの関心やスキル、立場に応じて「自分ができること」を考えていました。
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「落ちてからではいけない」「根本は教育と共育」といったプラン。
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落ちてしまった人のためには、情報がいきわたるための方法や、住まいの問題として空き家、シェアハウス、レンタルスペースなどのアイデア…。
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びっちりと1~10まで自分のアクションプランを立てる人もいらっしゃいました。
ワークを終えて、それぞれのグループでシェアした後、周りのグループでどんな意見が出てきていたかもぐるっと見て回り、それぞれの立場から出てきたアイデアが、刺激になっていたようです。
――
次に、ビッグイシュー販売者を始めて半年ほどのKさんと、東京事務所長の佐野未来が参加者の皆さんに掛け合いの形でお話しました。
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その後も、女性のホームレス問題や、生活保護受給の話など、様々な質問や意見が出てきてあっという間に3時間が経ち、会は終了となりました。
それぞれの心に、子どもの貧困、大人のホームレス問題に対する「自分の宿題」「自分ができること」を見つけた会となったようです。
▼こちらもあわせて:「子どもの貧困」関連記事
・相対的貧困率とは何か:6人に1人が貧困ラインを下回る日本の現状 ・子どもの貧困問題:イギリスの貧困状態の子どもの数を50万人減らした仕組みを視察。日本との違いは5つあった:一般社団法人Collective for Childrenの英国視察報告会より
▼若者ホームレス白書
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ビッグイシュー基金で発行しています。PDF版は無料で公開しています。
http://www.bigissue.or.jp/activity/info_12041501.html
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これは、ヒアリングの結果、野宿だけでなくネットカフェや終夜営業の店舗などで仮眠を取っている若者が多いということ、そして、食べるものを削ってでも他の人と同じ格好を維持しようとしていること、炊き出しに行くとホームレスのように見られるから嫌だ、などの傾向があるため、一見してもわからないということから来ています。
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次に、ホームレスになるくらいなら、実家に帰ればよいのでは?という疑問もよく出てきます。
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主な養育者を見ると、両親がいた人は約半分。また、家族の縁が薄いというのも特徴で、家族との折り合いが悪い、家族がみんな貧困なので帰ると迷惑をかけてしまう…といった理由もあります。児童養護施設の出身者も割合的に高く50人中6人、これはヒアリングをした人たちの中の11%です。親戚に育てられた人も50人中3人(6%)います。
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また、学歴が相対的に低く、自立を求められる社会人スタート時にすでに不利な状況にあるともいえます。
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次に、「なぜ働かないのか?」という点について。
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彼らはもともと働いていないわけではなく、正社員経験がある人も多いです。
ただし、この表からはわかりませんが、話を聞くとその多くが地方出身の人たちで、正社員といっても賃金がとても低く、実家を出て自立できるような金額ではない。しかも、自分の上司を見ても不況の中で待遇は悪くなる一方で、とても自分の将来像として希望を持てるようなものではないという状況があった。そんな中で「月収最低25万円」といった派遣会社の求人広告を見て故郷を離れて働きに出てきた、という人が多い。だから、転職回数も多いのが特徴です。
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どういう仕事をしてきたのかというと、製造業や警備などの派遣で働いたという人が多いです。
「転職」といってもキャリアアップしていくというよりは、派遣で働いていて、期間が切れて次…というケースを繰り返す方が多いようです。
また、この調査をしたのはリーマンショックの前後ですが、最初は「週5日、月収25万円」などといわれて就業したものの、生産調整などで週の勤務が4日になり、3日になり気づいたら月に数日しか働けず、寮費が払えなくなった、といったお話も聞きました。
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正社員で働いていたけれどクビや会社の倒産になり…という話もありました。その後、派遣仕事になり、日雇い仕事が増え、になり飯場(※)で働くようになりました…というように、働く環境や条件がだんだんと劣化していくことが多いのです。
※飯場:地方の建設現場などでご飯つきの宿泊所がある現場なので「飯場」という。仕事がない日は収入はないが宿泊費はかかるため、滞在している間に収支がマイナスになる、もしくはそのように仕向けるような悪質な場所もある。
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路上生活になるまでが階段であるならば、ひとっとびは無理にしても、階段を少しずつ登っていけるような状態があればいいのでは?と考えています。
例えば、最初は使える福祉の情報知ることができる…生活保護はこんな状態でも受けられるよとか、路上にいても救急車は呼べるよとか。
そして、制度としては、住宅費用の補助を増加してはどうかとか、新たな仕事に就くための技術が習得できる訓練やその間の生活支援を設ける、就職が決まった人には給料日まで期間が長いので最初の月の生活費を援助するなどが考えられます。
今日はぜひ、アクションプランということでみなさんもこの階段を増やすために何ができるかを考えてもらえたらと思っています。
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ここで再びワークの時間。
それぞれの関心やスキル、立場に応じて「自分ができること」を考えていました。
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「落ちてからではいけない」「根本は教育と共育」といったプラン。
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落ちてしまった人のためには、情報がいきわたるための方法や、住まいの問題として空き家、シェアハウス、レンタルスペースなどのアイデア…。
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びっちりと1~10まで自分のアクションプランを立てる人もいらっしゃいました。
ワークを終えて、それぞれのグループでシェアした後、周りのグループでどんな意見が出てきていたかもぐるっと見て回り、それぞれの立場から出てきたアイデアが、刺激になっていたようです。
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次に、ビッグイシュー販売者を始めて半年ほどのKさんと、東京事務所長の佐野未来が参加者の皆さんに掛け合いの形でお話しました。
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Q:ビッグイシューを売る前は何をされていましたか?
A:もともとは大阪で働いていました。そこでの仕事がなくなって東京に。
いわゆる「孫請け」での派遣だったのですが、2年、3年でいろいろ仕事を任せられるようになったんです。その時はやりがいもあり楽しかったんですが、親会社と子会社でそれぞれ違うことを求められ、どちらのいう事を聞かないといけないのか…親会社のいうこと聞くと子会社が怒る…という2つの会社のプライドの板挟み耐えられなくて辞めてしまいました。
Q:仕事を辞めた後はどのような経緯でホームレスに?
A:そのあともいろいろな仕事をしました。(※施設は相部屋なので、コミュニケーションが苦手だったり、精神疾患があったりという場合はうまく機能しないケースがあります。とはいえ、この施設があることで助かった人たちもたくさんいらっしゃいます。)
借金を作ったり、生活保護も受けたりしてたのですが、新しいところに行くと人間関係をイチから作るのがしんどくて…。
仕事を探すにも経験がないしやれることは限られていくわけです。
自立支援のにもいました。最長で6か月いることができるので、仕事が決まるとお金を貯めるように指導されました。
でも、たばこやお酒もだめ、夜も門限があるなど、制限が多すぎるように感じ、家を借りようと貯めていたお金があっても、外に出てしまうとストレスの反動で発散してしまう…そして家を借りられずホームレスに戻る…というような状態でした。
団体行動や制限を押し付けられることが苦手なので、また施設に入れたらどうしますかと聞かれたら遠慮します。
Q:頼れるご家族はいないのですか?
A:父と兄がいます。
困ってからすぐに連絡を取ればよかったんでしょうが、いったん自分で東京に出てきてしまったので、連絡は取ってないんです。
Q:ビッグイシューはどのくらい売れますか?(参加者)
A:(佐野未来)東京事務所販売者ひとりの平均が1号あたり200冊くらいです。 月2回発売なので、1か月400冊が一応サポートの目標としておいています(=180円なので72000円)
Q:ビッグイシューはホームレスの方のみが売れる、ということにしないで大学生など一般の方も売れるようにするのはどうか?子ども食堂の「誰でも参加していいですよ」、みたいな状態は?
A(佐野未来):販売地域でやってしまうと、本来支援したいはずの販売者さんがシェアを奪われてしまうということがありますが、販売エリア外で販売量が増えるのは確かにありだとは思いますね。(ここで質問者の方から「売っていいなら僕が売ります!大学生がそういう立場になったらすごく変わると思うし」と心強い提言をいただきました)
A:(佐野未来)ビッグイシューでは、「道端留学」というプログラムで販売者さんと一緒にビッグイシューを売ってみる、というプログラムもあります。 大学の授業や企業の研修などで実施していますので、興味があれば大学や企業などの団体でお申し込みください。
その後も、女性のホームレス問題や、生活保護受給の話など、様々な質問や意見が出てきてあっという間に3時間が経ち、会は終了となりました。
それぞれの心に、子どもの貧困、大人のホームレス問題に対する「自分の宿題」「自分ができること」を見つけた会となったようです。
▼こちらもあわせて:「子どもの貧困」関連記事
・相対的貧困率とは何か:6人に1人が貧困ラインを下回る日本の現状 ・子どもの貧困問題:イギリスの貧困状態の子どもの数を50万人減らした仕組みを視察。日本との違いは5つあった:一般社団法人Collective for Childrenの英国視察報告会より
▼若者ホームレス白書
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ビッグイシュー基金で発行しています。PDF版は無料で公開しています。
http://www.bigissue.or.jp/activity/info_12041501.html
- ビッグイシュー・オンライン
- ホームレスが売る雑誌「ビッグイシュー日本版」



