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なぜ豊洲の液状化が騒がれるのか

豊洲新市場の地下水の汚染は地上とは関係ない。これはネットでは当初から言われてきたのに、最近ようやくワイドショーで言われるようになってきました。

そこで「豊洲が大地震で液状化して地下水が噴出したらどうする」といういちゃもんがつけられています。

ネット上ではとうの昔に論破されてるのですが、未だにツイッターではこの問題ではしゃぐ人がいるので整理しておきましょう。

1°豊洲が液状化したら築地は潰れてる

豊洲で地下水が噴出するほどの大地震が起きたら、直線距離で2kmしか離れていない築地も大地震に見舞われます。最新の建設物が壊れるくらいであれば、耐震基準も満たしていない築地の建物は崩壊し、営業できないどころか中で働く人が多数死傷し、周囲にアスベストがばらまかれて一帯は立入禁止になるでしょう。

豊洲に移転しないほうが甚大な被害が予想されるんです。

2°地下水が噴出しても汚染は微量では

食の安全面で見れば、地下水が噴出し、それに含まれる有害物質(水のままか気化したものか)が食品に付着、その状態で出荷され小売店等を通じて食卓へ、という経路で汚染が広がる可能性が論理的にはありえます。

しかし仮にこのまま出荷されたとしても、例えば魚の切り身についた水のベンゼン濃度が100倍だったとして、それを食べても健康被害はないでしょう。環境基準値の水は「70年間にわたって毎日2L飲んでも影響なし」というレベルですからね。

そしておそらく現実には、微量でも汚染された食品は出荷停止にされるでしょう。べつに豊洲の魚が汚染されても、その前日までに出荷された魚に汚れが移るわけではないです。

3°大地震の時に壊滅した豊洲の食品が必要なのか

そもそも、豊洲が液状化するほどの大地震では、魚にベンゼンが付着したかどうかを問題にしてる場合ではないですね。都内の至る所で家屋の倒壊・火災・断水・停電等が起きていることと思います。豊洲市場を閉鎖したって生命維持のための食料には事欠かないので、出荷停止になっても問題ない。

「液状化で魚がー」というのは、「飛行機が墜落したら機内食が食えない」という心配をするようなものです。

■豊洲液状化論の真の狙い

こういう極端な例外的な事象を想定して「これでも豊洲を使いますか?」と迫る手法は、人々が大災害を恐れる原始的な心理を悪用するものです。

豊洲が液状化するほどの地震は誰も望んでいません。このような問いかけで豊洲新市場から大地震を連想させ、あたかも「豊洲に行くと不吉なことが起きる」かの心象を与えて移転を感情的に拒むように仕向けているのです。

移転するにせよしないにせよ、大地震は来るときには来ます。

むしろそれに備えて、一日も早く移転を完了させ、築地のアスベストを処理しておくことが、中で働く人の命を守り、周辺一帯の経済被害を最小限に食い止める唯一の解決手段ではないでしょうか。

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