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アングル:実現遠いトランプ税制改革、人材も方針も「欠落」

[ワシントン 31日 ロイター] - トランプ米大統領は、税制改革を実現にこぎ着けるための十分な人材を欠き、ホワイトハウスとしての明確な方針も持ち合わせていない──。ロイターが政権関係者や議会、税制専門家などを取材した結果、こうした現実が浮かび上がってきた。

トランプ政権は税制改革の早期実現を表明しているが、複雑な税制を点検して法案を策定し、深刻な対立に陥っている議会を説得するという困難な作業をこなせる能力のある人々を、まだ適所に起用できていないのが実情だ。

主に議会下院の共和党指導部がまとめた医療制度改革(オバマケア)代替法案が撤回を余儀なくされた結果、トランプ氏は税制改革の具体的な仕切りを議会任せにしないと決意している。だとすれば一層、ホワイトハウス内に強力なチームが必要となるが、それは今もなお存在しない。税制改革のさまざまな選択肢は引き続き検討段階にとどまっている。

直近の成功例だった1986年の税制改革に上院共和党の議会スタッフとして携わったウィリアム・ホーグランド氏は「トランプ政権は責任を持って改革を主導する人物を引き続き探しているところだ。トランプ氏に意見が通り、かつ支持を得て改革案を売り込める人と、そうした人を専門的に支える態勢が不可欠になる」と説明した。

トランプ氏の税制改革チームのメンバーは知られている。ムニューシン財務長官、コーン国家経済会議委員長がリーダー的存在で、ほかにバノン首席戦略官兼上級顧問、プリーバス首席補佐官、ロス商務長官、トランプ氏の女婿のクシュナー上級顧問なども名を連ねる。だが、それぞれの正確な役割分担はよく分かっていない。

またトランプ氏は2月に、税制改革について3月初めまでに「目を見張るような」発表を行うと宣言したが、これまでに何も出てきていない。8月までに税制改革を実行できるというムニューシン氏の発言についても、スパイサー報道官がそうした段取りが崩れる可能性があると認めた。

トランプ政権の現在までの取り組みは、1986年にレーガン政権が実施した税制改革に遠く及ばない。当時はドン・リーガン氏がまず財務長官、次いで大統領首席補佐官として多くの時間を費やして法案をまとめ、議会で超党派を支持を集めることができた。

タックス・ポリシー・センターのシニアフェロー、スティーブン・ローゼンタール氏は「レーガン政権下の税制改革の方がずっと事態が進展し、対応が入念で時間もかけられていたし、最高級の専門家による強力なチームも存在した」と指摘し、対照的にトランプ政権にはこうした要素が何もないと述べた。

トランプ政権の税制改革チームにおいては、いくつかの基本的な疑問すら解決されていない。例えば、トランプ氏は財政赤字拡大につながる計画を支持するのかどうかだ。過去の税制改革は「歳入中立化」を目指していた。

さらにトランプ氏は、ライアン下院議長が提案した法人税の「国境調整」に対しても賛成か反対か煮え切らないメッセージを送っている。

トランプ陣営はウォール街での経験なら事欠かないとはいえ、税制の専門性という面ではこころもとない。財務省では税制担当の次官補がまだ空席状態にある。

(David Lawder, Steve Holland、David Morgan記者)

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