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てるみくらぶが破綻! 怪しい旅行代理店を追い詰めるY先輩の執念と感動のグアム旅行

 旅行業者「てるみくらぶ」の破綻の件では多くの方に同情の念を禁じ得ません。私の取引先の中にも「G.W.に12万円の旅行を頼んでいたけど、これが吹っ飛んだ」という気の毒な方もいましたが、彼女は「100万円の被害に遭った人もいるから私はまだまとも。こうしてネタにしてやる!」と息巻いており、気の毒ながらも彼女自身が元気なので安心しました。

さて、てるみくらぶの社長ですが、先日「スポークスマンはつまらないヤツにしろ!」と提言したのですが、この社長も茶髪で泣いたりして実に面白すぎ、マスコミ報道がやまぬ状況になっていますし、ネットでもネタとして消費されています。せめて黒髪にしとけよ、ご注進する部下はいなかったのですかね? 

 さぁ、そんな旅行チケットをめぐる騒動で私にとって思い出深いのは、2000年3月30日から3泊4日で行ったグアム旅行です。当時私の所属していた部署はやたらと仲が良くて、その中の一人、Y先輩が異動することになってしまったんですよ。皆悲しむわけですが、異動はサラリーマンにとっては避けられないもの。そこで、Y先輩の送迎会をやろうとしたのですが、あろうことかY先輩は「オレの異動を海外旅行で祝ってくれ!」と言い出すではありませんか。

 Y先輩は私の年次が1つ上。入社5年目になろうかというところでの「ローテーション異動」という社内制度での異動でした。Y先輩の夢は、「3月31日から4月1日になるその前にカウントダウンをしたい」というものです。

 お手軽に行ける海外といえば、今でこそ韓国になっていると思いますが、当時はグアムがその選択肢になっていたのですね。Y先輩は、当時からネットの掲示板に入り浸っており、ポルシェを買いたい人向けのコミュニティで交流をしたりしていました。

 とにかくネット検索に長けた方だったのですが、なんと「3泊4日、マリオットホテル泊で29800円」という格安ツアーを発見してきたのです。部員は「おーーー!」と驚きの声をあげるとともにY先輩の情報収集能力を称えたのでした。

 旅行代理店は、「とあるおばさん(山田さん・仮)が一人でやってる代理店で、ちょっと怪しいんだけどね…」とのこと。しかし、まぁ、卒業旅行シーズンも終わり、観光業界もハイシーズンではないから安いんだろうな、程度に皆考えていました。そして、10人分の29万8000円を山田さんに振り込みました。しかし、旅行まであと6日となった3月24日になっても山田さんから航空券とホテルのチケットが届きません。

 Y先輩が電話をすると「もうすぐ送ります!」と言われるだけで、まさに「ソバ屋の出前」状態になってしまうわけです。そして、あと3日というところで、ついに山田さんはY先輩からの電話に出なくなりました。そこでY先輩がやったことはしつこく電話をかけ続けるとともに、2ちゃんねるで「山田さん被害者の会」的なものが結成されていないかを調べることです。

 すると、ありました! 山田さんの悪評が多数書き込まれており「安いから追い込みは諦めた」「安物買いの銭失いだと勉強になった」などとあります。要するに山田さんは、激安過ぎる金額でお気軽に振り込ませ、その後トンズラをする、という詐欺を繰り返していたわけです。

 しかしながら「山田さんの旅行パックは素晴らしい」と絶賛する声もあるわけで、しかも「大手旅行代理店の愛人がいて、そいつからチケットを横流ししてもらっているらしい」という説まで出てきました。Y先輩は「山田さんは実際にチケットを手配する能力はあるが、しつこく追い詰めなくてはチケットを出さないヤツだ」という仮説を立てます。そこで2ちゃん探偵らの力を駆使し、山田さんが埼玉県のP市に住んでいることを把握。自宅まで突き止め、3月30日、Y先輩は帰宅した山田さんに「Yですが。早くチケットをください。今、ここでもらえない限り、帰りませんので」と伝えました。

 さすがに自宅までバレてしまってはどうしようもないと考えたのか、山田さんはその愛人と思われる旅行会社社員に連絡を取り、10人分の手配をさっさと済ましてくれました。そして夜、発券されたチケットを手に意気揚々とオフィスに返ってきたY先輩は部員のアツい称賛を浴びたのでした。もちろんこの3日間、ロクに仕事なんてしていません。山田さんの自宅探知に血眼になっていたのです。

 そして翌日、トラブルが発生します。15時に会社を皆で出て、成田エクスプレスに乗ろうとしたのですが、P先輩が会社に来ません。なんと、彼の部屋が汚過ぎてパスポートが見つからないのです。19時のフライトに間に合うギリギリまでなんとか探してください、と伝え、我々は成田エクスプレスへ。その電車の中で、私の携帯電話には、私のクライアントの商品を紹介したいと朝日新聞の記者から連絡があったりめでたいムードに包まれていました。

 しかし、結局P先輩は間に合わず、翌日・3月31日と4月1日のカウントダウンの際、国際電話をして一緒に「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1、ゼロ―!」とやったのです。さて、この話にはオチがありまして、この珍トラブルの元凶たる山田さんの本名(あくまでも「山田」は仮名)は、パスポートが見つからなかったP先輩と同じ苗字だったのです!

 「なんだか今回は山田って名前のヤツらに振り回されたな(笑)」と皆で笑いあったのでした。そんな思い出の博報堂について色々書きましたので、ぜひともお読みいただければ幸いです。




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