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治安維持法に反対し、暗殺された衆院議員がいた (土岐直彦)

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山本宣治の遺影を前に行なわれた墓前祭。共謀罪への危機感があふれた。(写真/土岐直彦)

戦前、治安維持法反対を貫き1929年、右翼に暗殺された衆議院議員山本宣治(愛称「山宣」、1889年生)の第88回墓前祭が命日の3月5日、京都府宇治市の山本家墓地前であった。現代版・治安維持法と言うべき共謀罪制定の動きが切迫する中、反対に命をかけた山宣の墓前に、法案化と戦争する国づくり阻止を誓い合った。

山宣は東京帝大で動物学を専攻、1928年の第1回普通選挙で労農党から当選した。反戦平和の立場から治安維持法と官憲の拷問を追及、暗殺前日の3月4日には、全国農民組合大会で、「山宣ひとり(反対の)孤塁を守る。だが、背後には多くの大衆が支持している」と演説。翌日、国会で論陣を張るつもりだったがかなわず、その夜、宿舎で襲われた。

墓前祭は同実行委員会主催で、230人が参加。各団体・政党代表の「追悼のことば」では、共謀罪に対し、表現の自由、集会・結社の自由を奪う監視社会になるとの危機感が相次いで示された。山本家代表で挨拶した、孫で医師の山本勇治氏は「共謀罪が成立したら、祖父が何のために命をかけたか分からない」と話した。

近くの山宣実家の旅館に会場を移した講演会では、杉山潔志弁護士(京都南法律事務所)が「人間の尊厳を守るのが山宣の訴え」と指摘。共謀罪の危険性について、「相談や計画しただけで処罰対象とされかねない」と弾圧への警鐘を鳴らした。

(土岐直彦・ジャーナリスト、3月17日号)

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