記事

【真偽のほど】

トランプ大統領の信頼性を問う社説や記事が相次いでいます。インパクト大なのはTIMEの最新号。大統領との20分の電話インタビューを踏まえて、表紙でIs Truth Dead?(真実は死んだか?)と問いかけます。

記事のタイトルのCan President Trump Handle the Truth?(トランプ大統領は真実と向き合えるか?)も痛烈。

トランプ大統領がオバマ前大統領に盗聴されたと主張している問題について、FBIが3月20日に「主張を裏付ける情報はない」ときっぱり否定したことを「大統領にとって大いなる屈辱だったはずだ(should have been a massive humiliation for the President)」と分析。

一方、トランプ大統領はインタビューで「私は直感で動く人間だ。直感が後から正しかったこともある」と述べ、FBIの証言に対して一歩も引きさがらない姿勢を示したそうです。

直感が正しかった例として、イギリスのEU離脱=BREXITを予想したことやスウェーデンで移民をめぐる事件があったと指摘した後に移民が多い地域でちょっとした暴動があったことを挙げました。

インタビューをした記者は「会話を続ければ続けるほど、真実と虚偽の境界線があやふやになった。大統領ははっきり言わずに『そう思う』とか『賢い人たちがそう言っている』などと述べて、逃げ道も作った」と指摘しています。

嘘発見器をクリアするには、言っているが本当だと脳が信じることが不可欠だとした上で、トランプ大統領はツイッターで発信していることは心底信じているとしています。 

TIMEがご丁寧に1月20日の就任式から3月21日までの大統領のツイート298件を分析したところ、オバマ前大統領の盗聴疑惑など15件はまったくの嘘を含み、平均で2万8500回リツィートされました。嘘を含まない内容の2万3945回のリツイートより多かったそうで、虚偽の拡散に懸念を示しています。

インタビューでは嘘の発信によって大統領の信頼性が落ちるリスクを何度も聞いたものの、嘘だという前提を受け入れることは一度もなく、「大統領は俺であっておまえではない。そう考えると、俺はそこそこうまくやっている」と最後に述べたということです。

インタビューの字おこしはこちら。 http://time.com/4710456/donald-trump-time-interview-truth-falsehood/

質問と答えがかみ合わず、どんどんあさっての方向に行くのがよく分かります。

Wall Street Journalの社説A President’s Credibility(大統領の信頼性)もなかなか強烈です。

「北朝鮮がハワイ近くにミサイルを撃ったとトランプ大統領が発表しても、アメリカ国民も世界も信じないのではないか」と指摘し、「誇張し、証拠もなく糾弾し、信じがたい否定を繰り返すことで、まさにアメリカ大統領に対するダメージとなっている」といいます。

トランプ大統領がオバマ前大統領に盗聴されたと主張している問題について、大統領がまったく証拠を示さない一方で、政府高官が相次いで根拠なしと明確にしていることを指して、「空っぽのジンのボトルを握りしめて文句を言う酔っ払い同然だ(the President clings to his assertion like a drunk to an empty driver)」と手厳しいです。

さらに「トランプ大統領の最大の政敵は自分だ(Mr. Trump is his own worst political enemy)」とぴしゃり。

ギャラップ社の世論調査によると、大統領の支持率は39%まで低迷しており、「トランプ大統領は間違いなくこれをフェーク・ニュースと呼ぶだろう。しかし、真実に対してもっと敬意を表さなければ、多くのアメリカ国民が嘘の大統領だと結論づけるかもしれない(No doubt Mr. Trump considers that fake news, but if he doesn’t show respect for the truth most Americans may conclude he’s a fake President)」と締めくくっています。

本来、共和党の支持基盤でもある保守系のWSJの社説なだけに、影響力は大きいです。

実際、この社説をリベラルなNew York TimesがWall Street Journal Editorial Harshly Rebukes Trump(WSJ社説、トランプを厳しく非難)の中で「保守系のWSJの社説は、左よりのメディアの社説だったとしても際立つ内容だ」と驚いた様子です。

ただ、この社説の目的として最高裁判所判事の議会承認など、本来の政策を実現するよう政権側に求める内容だとも指摘。WSJでは、トランプ大統領に同情的な記事が出ていることに社内外から批判が出ているそうです。

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