- 2017年03月25日 16:38
教科書検定、文科省の関与強まる
文部科学省は、昨日24日、2018年度から使われる小学校の道徳と高校の各教科の教科書の検定結果を発表しました。小学校の道徳は、教科化されて初めての検定で、申請した8社全24点(66冊)が合格しましたが、文科省は「国や郷土を愛する」「公共の精神」などの学習指導要領の内容に従っているか、細部に至るまで検定意見を付けた、と報じられています。
文科省が付けた意見は、誤記などを含めて244件に上り、出版社はいずれも修正した、ということです。文科省の意見は、例えば、登場人物のパン屋の「おじさん」を「おじいさん」に変えていて、これは、感謝する対象として指導要領が謳う「高齢者」を含めるため、とのこと。また、登場する「パン屋」を「和菓子屋」にしたり、「アスレチック公園」で遊ぶ子どもたちが「こととしゃみせんの店」に変更されたりしています。これは、「伝統と文化の尊重」ということですが、あまりに干渉しすぎではないでしょうか。現在の町では、パン屋さんの方が和菓子屋さんより多いですし、琴と三味線の店など、どこにあるのでしょう。道徳は、子どもたちが考え議論するように、とされていたはずですが、このように杓子定規に規定してしまっては、子どもたちの自由な発想や考えを育てることにならないと思います。
道徳を教科化することの是非が議論されてきましたが、このように型にはめる教科書による道徳の授業には、更に懸念が深まります。また、高校の地理歴史や公民では、戦後補償や安全保障などをめぐる記述で、政府の主張や立場が随所に反映された、ということです。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認と安全保障関連法について、「新3要件」をすべて書かなければ生徒にとって理解し難いと指摘し、このことを掲載した8冊すべてに新3要件を書かせています。多様な意見がある現在の問題について、政府の見解だけをすべての教科書に載せるのは、いかがなものでしょうか。
次の世代の日本、世界を生きる子どもたちに、なるべく多様な見方を提示し、考えさせる教育が望ましいと考えます。
教科書検定は、いつの時代も課題を抱えていると思いますが、一強多弱の政治情勢が色濃く反映されるのは、よくないと思います。



