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エナジーシフトの基本概念

エナジーシフトをどのように進め、最終的にどこまでのシフトが可能なのか。
今考えられている「最良のシナリオ」を示したい。
ここでいう「最良」とは、以下の条件を満たすエネルギー利用をすることだ。

  1. 限りなく少ないエネルギーで

  2. 経済や利便性を、総合的に見たときに、犠牲にせず

  3. 原子力と枯渇性資源(地下資源)に頼らない


簡単に言えば、自然エネルギーでエネルギー需要をすべて満たし、経済も生活も維持発展させる、と言うものだ。



■2050年に再生可能エネルギー100%は可能



結論を見ておくと、現在の技術と経済状況、政策的な手法を最大限に活用すれば、2050年(今から約40年後)には、「最良の状態に」シフトすることが可能だ。
まず、大枠を見ておこう。
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出典:http://ourworld.unu.edu/jp/can-japan-go-100-renewable-by-2050/

ISEP(環境エネルギー政策研究所)の飯田哲也氏らの研究結果と構想によれば、大きくいって、エネルギー総需要を現在の50%程度に削減し(省エネ・効率化)、再生可能世寝るギーでその需要を満たす、というものだ。

このシナリオは日本で実現可能という構想だが、同じ構想は先行して世界とEUで示されていて、もっとも現実性が高いシナリオがEUで2010年に相次いで発表された「2050年再エネ100%ビジョン」だ。
http://daily-ondanka.com/report/world_20.html

全世界の構想も基本的な構造は同じロジックで構想されている(WWF)。
http://www.wwf.or.jp/activities/2011/02/967208.html
消費エネルギーの削減量(率)や再エネ導入の見込みは構想によって違うが、大きな構想である、「省エネ・効率化」で削減し、再エネでまかなう、という点は共通しており、日本でも、EUでも、グローバルでも可能、というシナリオだ。
なお、以下は、読者の関心を考え、日本国内でのエナジーシフトについて説明する。

■徹底した省エネ投資で総需要は抑制可能



長期的な展望に立ったときに、エネルギーの総需要を減らすことはできるのか。
マクロから見てみよう。
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見てわかるとおり、日本ではエネルギーの総需要はすでに減少のトレンドにある。大きな理由は人口の高齢化と減少であり、経済成長の鈍化ではない。というのは、200年をピークに減少に転じているが、2000年から2005年は小泉政権下で戦後最長の経済成長を達成した時期だからだ。

日本のような先進的な資本主義国では、経済成長とエネルギー消費は比例せず、成長を達成しながらエネルギー消費を下げていくことは可能、というか、現実にそうなっている。
※出典は財団法人日本エネルギー経済研究所のものだ。この研究所は政府よりの主張を多く出しているので、データそのものは信頼できるとみていいだろう。
これを長期展望で見てみよう。

http://www.enecho.meti.go.jp/topics/080523b.pdf
経産省の総合資源エネルギー調査会が2008年に発表した「長期エネルギー需給見通し」だ。
このドキュメントでは、2030年までの長期のエネルギー需給を予測している。「現状で努力を終え固定」「努力を継続」「最大限に努力」というように、エネルギー利用の効率化をどの程度がんばるかで3つのシナリオをたて、予測を出している。
最大限の努力の結果を示したp.23を見てほしい。

2005年に413(原油換算百万kL)だった総需要は、2030年に365となり、11%減少というシナリオだ。2005年から見て25年で11%削減のトレンドを延長すれば、単純計算すれば2050年までの45年間で20%削減できる。
これは経産省の予測であり、ISEP始め、民間の意欲的な予測、さらに、いくつかの実例をもとに考えれば、20%を超える削減を想定することも十分合理性がある。

どの程度まで削減可能かについては、複数のシナリオがあり得ることを認めつつも、全体として20%を越える大幅な削減は可能だというのが、政府を含めた予測なのだ。
エナジーシフトに対しては、しばしば以下のような反論が寄せられる。
「GDPと電力消費量が比例するのはよく知られた事実。現在の省エネ技術のままで、かつ、GDPと同じ率で電力消費量が伸びれば、努力しても、全体の削減はできない」
これに対する反論をまとめると、以下となる。
「先進国においてはGDPとエネルギー消費はすでに比例しない」
「技術開発と投資を最大にすれば、大幅な削減が可能」
具体的にどのような方法で減らすかについては、改めて記事にしていく予定だ。

■再エネは十分増やせる。



では再生可能エネルギー(自然エネルギー)はどこまで伸ばせるのか。

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出典:http://getnews.jp/archives/113932
上記は電力に限定したシナリオになるが、エネルギー全体については、以下に試算がある。
http://www.re-policy.jp/2050vision/index.html

日本の再エネは、これまで、主に政策(政治)の無策によって、そのポテンシャルを発揮できていなかった。そのため、現状が非常に貧弱な状況にあり、全体の予測がしづらい面がある。

しかし個々の再エネについてはさまざまな予測やポテンシャルが出ており、公式なものとしては、たとえば、環境省は、震災直後の2011年4月に、再エネだけで原発がつくってきた電力をまかなうポテンシャルがあると発表している。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/34512/

さらにその原典をたどると以下のp.282。
http://www.env.go.jp/earth/report/h23-03/chpt8.pdf
この数字がなぜ日本にある原発全部に相当するのかについては、項を改めて説明したい。
この環境省の試算は、現状のテクノロジーに基づいており、今後、2050年までに開発されるテクノロジーも考慮して、上記の100%シナリオ(現状の50%まで削減した上でを再エネでまかなう)がつくられている。

参考情報として、日本の国土に降り注ぐ太陽エネルギーは、日本のエネルギー消費の1万倍を超える。つまり、1万分の1(0.01%)の効率で変換できれば、まかなえるわけだが、一方、太陽光を電気に変える能力は、太陽光パネルで、現在20%弱までになっている。この数字を見ても、再エネがすでに十分頼れるエネルギー源になっていることがわかるだろう。
尚、これらの試算は、あくまで総量であり、エネルギーは「使いたいときに使う」ピーク電力が重要、と言うことは周知の通りだ。これについては、別項で考察する。

■2050年に再エネ100%社会は実現可能



以上、まとめると、


  1. 省エネ・効率化によって、エネルギー消費を現在の50%程度に削減

  2. 風力、太陽光を中心に、再エネを現在の消費量の50%程度まで増やす


ことで、エナジーシフトは可能になる。
尚、その際の経済性については、日本における試算はまだ不十分だが、欧州の再エネ100%シナリオによれば、2030年ごろには再エネを使うメリットが、投資を上回るとしている。再エネは、初期投資は必要だが、燃料費は不要だ。燃料資源が枯渇に向かい、価格高騰が予想される中、燃料費が不要な再エネのコストメリットがまさるというのが基本的なロジックになる。
『RE-thinking2050(2050年再考)』は、2050年までに欧州の全エネルギーを再生可能エネルギーで賄うという長期的なビジョンをまとめたもの。
http://www.isep.or.jp/images/press/2050vision080603.pdf
この点も、情報がとれ次第、より詳細に考察したい。

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