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1年1ミリシーベルトの歴史

日本の法律の根拠となっているICRPの勧告は、どのように作られ、どのような変遷をたどってきたのでしょうか。これを知る事で、1年1ミリシーベルトの真相に近づく事ができるかもしれないと考え、ネットをいろいろ探しまくって、財団法人高度情報科学技術研究機能のサイトに行き当たりました。以下に、概略をまとめてご紹介します。詳細は下記リンクページをご精読下さい。

一般人に対する管理基準とその考え方の推移

1)米国放射線防護委員会(NCRP)が1948年に勧告

公衆の個々の構成員に対して、超えてはならない放射線被ばくの上限値(線量限度または管理基準)を定めることの必要性を議論し、1948年に、「一般公衆の被ばく線量は、従事者の許容被ばく線量の10分の1以下にすべきである。」と勧告したことが一般人に対する管理基準の始まり。

2)国際放射線防護委員会(ICRP)が1954年に勧告

NCRPの勧告をそのまま採用。

3)ICRPの1958年の勧告

「一般公衆には小児が含まれるので、年間0.5レム(現単位:5ミリシーベルト)を適用すべきである。」と勧告。

4)ICRPの1962年の勧告

「集団全般の中には、生殖腺および造血臓器に対し、さらに低い線量を適用すべきであると考えられる小児が含まれるので、集団の個人に対する線量限度は、生殖腺および造血臓器に対して年0.5レム(現単位:5ミリシーベルト)とする。」と勧告。

5)ICRPの1965年の勧告

(1)公衆の構成員の中には放射線による危険性(リスク)の大きい子供が含まれている。(2)公衆は被ばくするかしないかに関して選択の自由がなく、さらに、被ばくによって直接的利益を受けない、(3)公衆は放射線以外の自分の職業からの危険にもさらされているという理由から、公衆の線量限度を従事者の10分の1に決めることが適切であるとした。

6)ICRPの1977年の勧告

「放射線の危険性は、公衆がさらされているあらゆる環境の危険要因のうちのほんの一部にすぎない。したがって、一般公衆が日常生活で放射線以外の危険性をどのように容認しているかに照らして、公衆に容認されうる線量限度を考察することが合理的である。」としており、その容認されうる危険性とは、職業上の危険性の10分の1より小さいとしている。その結果、一般公衆の容認する危険性とは、一生涯を通じて年あたり1ミリシーベルトの全身被ばくに相当するとしている。また、公衆に被ばくをもたらすような行為は数が限られており、最も多く被ばくする人々の被ばくを5ミリシーベルトにおさえれば、公衆の平均被ばく線量は年0.5ミリシーベルトを超えそうもないので、「前の勧告に引き続き、年5ミリシーベルトの線量限度を公衆の個人に適用する。」とした。

7)ICRPの1985年のパリ会議における声明

「公衆の構成員の主たる線量限度は年1ミリシーベルトとする。ただし、生涯の平均が年1ミリシーベルトを超えることがなければ、年5ミリシーベルトという補助的限度を数年の間使用してもよい。」という声明を出した。

8)ICRPの1990年の勧告

公衆被ばくの線量限度の選択には、(1)放射線による危険性が公衆にとって容認されるレベルを選択すること、および(2)自然放射線源からの被ばく線量の変動、例えば、居住する場所による変動などで公衆がすでに容認しているレベルを選択する方法があるとしている。前者については、正確な判断は困難であるけれども、おおよそ1ミリシーベルトをあまり超えない年線量限度の値を示唆するものであるとした。後者については、変動の多いラドンによる被ばくを除いたとしても、自然放射線による平均的な年線量は約1ミリシーベルトであり、海抜の高い地域では少なくともその2倍の線量はある。したがって、これらのことを総合的に判断して、公衆の年線量限度として1ミリシーベルトを勧告するとしている。さらに、5年間の平均が年1ミリシーベルトを超えなければ、単一年にはこれより高い線量が許されるとしている。

1977年までは年間5ミリシーベルトだったのが、1985年のパリ会議から年間1ミリシーベルトに変更されました。1988年に国連科学委員会が自然放射線の報告(世界平均で年間2.4ミリシーベルト、日本平均は年間1.4ミリシーベルト)がありましたので、その頃から自然放射線による常時被爆という考え方がICRPの中に持ち込まれたのでしょう。

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