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徳川埋蔵金の再発掘は実現するか? 株式会社ほぼ日がついに上場。株価は急上昇中。 - 中嶋よしふみ(SCOL編集長・FP)

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■「美人」過ぎるほぼ日のPER。


さて、ではほぼ日のPERは現在どれくらいか。

気配値でついた5410円に発行株数225万株をかけると時価総額は121億7250万円、これが現時点で株式会社ほぼ日についた「値段」だ。これを今期の予想利益である3億2900万円で割ると約36.99倍とになる。

さて、これは日経平均やジャスダック市場のPERと比べても非常に高い。17日以降にさらに株価があがりそうなことも考えると、この数値はさらに上がる可能性も高い。

手帳屋さんであるほぼ日が急激に成長するには手帳バブルでも起こらない限り無理だろう。では株を買おうとしている投資家は手帳バブルが起きると考えているのだろうか?

※現在はまだ気配値があがっただけ、つまりストップ高のような状態で取引は成立していない。

■ほぼ日は「美人」か?


そこでやっと美人投票という話になる。多くの投資家は手帳バブルが起きるとは思っていないし、ほぼ日が急激に成長するとも考えていない。日経新聞にアナリストがコメントをしている通りだ。ファンダメンタル、つまり「企業の業績」に基づいていない株価はいつか下落する。

それでもほぼ日に買いが殺到している理由は、多くの投資家が「他の投資家はもっと高値でも買うに違いない」と考えているからだ。つまり高値で買ってもさらに高値で売り逃げ出来ると考えている。

ただ、ここで言う「他の投資家」も同じように「他の投資家はもっと高値でも買うに違いない」と考え、自身だけは売り逃げ出来ると考えている。つまりは腹の探り合いによって短期的な株価は決まる。しかし長期的には株価は上がったり下がったりしながら、それなりに企業価値の近くをウロウロする。つまり「株価」が「価値」を下回った時に買い、上回った時に売れば良い、という事になる。

もちろん、実際にはその「企業価値」自体も非常にアヤフヤなものでもあるため、結局は「株式投資で確実に儲ける方法はありません」という説明になる。

結果的に美人投票的な株式投資ゲームは最後にババを掴んだ=高値で買った人が損をする。どの水準までそのゲームが続くかは分からないが、いつかは終わる事がはっきりしている。手帳バブルが起きない限りは。

■上場企業で埋蔵金発掘は絶対に不可能か?


さて、株価なんてどうでもいい、埋蔵金発掘はやってくれないのか? やるなら買う、やらないなら買わない、という人も多数いるだろう。上場企業でも事業内容を途中から変えることは出来る。多角化で本業と違う業務に進出することも珍しくない。では埋蔵金発掘はどうだろうか。

リターンが見込めなくても株主が認めれば良いのではないか?という意見もあると思うが、それは上場企業で実現できることでは無い。残念ながら証券取引所が利益を見込めない企業の上場は認めないだろう。そして上場後でもハイリスクを通り越してギャンブルのような事業は国内外の公的年金などの資金も投じられる上場企業の性質を考えると、上場基準から外れてしまう可能性が高い。

海外では沈没船からお宝を発掘するトレジャーハンティングを行う会社もあるようだが上場企業ではないだろう。やはり個人的に糸井氏が中心となり、クラウドファンディング等で資金を集めるしかないということになる。

自己資金として10億円も投じれば、赤城山とか小栗上野介と聞くだけでピクっと反応してしまう全国のモノ好き達がこぞって「それならオレも」と資金を投じてくれるかもしれない。埋蔵金は見つからなくても、ユンボで深く掘り進んで「すばらしい穴」に匹敵するものが見つかればきっと投資家も納得してくれるだろう。
「埋蔵金があるかないかは別にして、このトンネル群を掘った当時の人たちがここに投入した労力と精神力とを考えると、たとえばぼくらがこの穴を掘り出した苦労なんて、ほんのわずかなものなんですよ。

~中略~

この穴を掘った人たちの膨大な労力と精神力の重さに見合ったものが、天秤の向こう側にないと、この仕事はつりあわないんですよ
ぼくらはこの発掘を、やめようと思えばやめられるんです。ぼくらの労力と精神力は、テレビを見ている人たちの『ああ、おもしろかった』という言葉があればつりあいますからね。けれども、テレビの企画でもなく、鉱山があるわけでもなく、こんなところで穴を掘った人たちが、かつていたわけです。その彼らの『仕事量』につりあう分銅は何かと考えたら、ぼくには、『あるとしか言えない』んですよね

出典:TBS徳川埋蔵金ライブに向けて。 ヘルメットをかぶった経済番組をご一緒に。第14回 怒涛の予習篇(その2) ほぼ日刊イトイ新聞」

あるいは大金をかけて掘り進み、上記のような思わせぶりな話さえ聞くことができれば100万円くらい出しても良い、と言う人は全国に多数いるかもしれない。

そんな人が東証に一人でもいればもしかしたらほぼ日が発掘事業に着工することも可能かもしれないが、海外からはクレイジーな上場企業を認めるクレイジーな市場として認識されてしまい、一斉に投資家が資金を引き揚げてしまう。売買割合の6割を超すと言われる外国人投資家が東証から逃げてしまえば市場は崩壊する。やはりどう考えてもほぼ日が上場企業のまま徳川埋蔵金を発掘する事は無理そうだ。

可能性としては「徳川埋蔵金の発掘的な番組のスタイル」を販売する、いわゆるフォーマット販売とかフォーマット輸出と呼ばれるような手法がある。外国製のモノで言えばクイズミリオネアの日本版、日本製で言えばマネーの虎のアメリカ版のように、番組スタイルだけを販売するビジネスだ。古文書にある荒唐無稽な言い伝えを元に大金を投じて大規模な発掘を行う、といったテレビ番組はアメリカあたりなら人気を博すかもしれない。

ほぼ日は上場で得た資金を新規事業に投入するとの事だが、ほぼ日の最大の資産は現時点では社長の糸井氏であり、糸井氏の持つ最大のコンテンツはやはり徳川埋蔵金だ。これをいかにマネタイズするか?ということは真剣に議論して良いのではないかと思う。

なお、ほぼ日ファンで株主になりたい、という人は株価が落ち着くまで待っても良いかも知れない。今後は株価維持のために株主優待といって株主限定の特典が何か準備されるかもしれない。レコード会社では株主のためにコンサートを開くといった事もあるため、株主優待としてファンの集いのようなことも行われる可能性もある。

あるいは株主総会で徳川埋蔵金について糸井氏にどうしてもモノ申したい、発掘の再開を直接お願いしたい、という人も損得抜きで株を買っても良いかも知れない。ただし、総会でおかしな質問をして警備員につまみ出されても自己責任ですよということだけは最後に忠告しておきたい。

参考記事


■乃木坂46の橋本奈々未さんが両親に家を買った理由。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/48796870.html
■キュレーションメディアのiemo・meryに50億円を投じた経営責任 ~DeNAの謝罪会見を解説~
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/49032425.html
■ライザップと行列ができる本屋の共通点 ~平凡な商品がバカ売れする理由~
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/43405362.html
■なぜ食べログは炎上したのか?
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/48504296.html
■ワタミに入社二ケ月で自殺した娘さんの両親が和解金でブラック企業と戦う基金を設立した件について。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/48395653.html

中嶋よしふみ シェアーズカフェ・オンライン編集長 ファイナンシャルプランナー

※本稿の執筆時点で筆者はほぼ日の株を保有しておらず、ほぼ日との取引も無く、利害関係が無いことは明記しておく。

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