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「伝える」を意識すれば アナタの語学力は変わる

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会話で必要なのはシンプルさ



「ネイティブのように英語を話さなければならない」。

そんな考えに縛られ、話すことをためらう必要なんてない。
シンプルで平易な英語でも構わないから、
まずは「伝えること」に注力しよう。
そうすれば自然と英語力も磨かれる


日本語だって間違えることは多い



 日本人は長年にわたり英語教育を受けてきたにもかかわらず、英語が話せないと言われる。だが、それは本当だろうか。完璧さを求めるあまり、「私は英語が話せない」と思い込んでいるだけではないだろうか。

 例えば、われわれの普段の会話を振り返ってみよう。言語の中でも最も得意なはずの日本語を使っているにもかかわらず、言い間違いや文法上の間違いは日常茶飯事。携帯メールを見れば、漢字の変換ミスも多いだろう。それに対し、わざわざ間違いを指摘する人はいないし、会話は弾む。お互いが、相手に自分の考えていることを伝えようと、そして相手の意図をくみ取ろうと努力しているからだ。

 日本語の会話においては、相手に自分の考えを伝えようとわかりやすく説明したり、言葉を言い換えたりしている。ならば、英語でも同じようにすれば、英語を話すことに慣れていなかったとしても、相手に自分の意図を伝えられるのではないだろうか。

 そうした考えを後押しするのが、「グロービッシュ(Globish)」だ。これはフランス人のジャン=ポール・ネリエール氏が2004年から提唱しているもので、「Global」と「English」を組み合わせた造語だ。

 いまや英語は世界の共通語となっている。ネイティブと会話をする時だけではなく、非ネイティブ同士が会話をする時でさえ、英語を使うことは多い。そこでいくつかのルールを決めて、英語を簡略化し、非ネイティブにとって使い勝手のよいコミュニケーションツールとしたのが、このグロービッシュだ。近年、日本でも紹介される機会が増え、関連書籍が書店に並んでいるため、耳にしたことがある人もいるだろう。

 では、どんなルールがあるのだろうか。その1つが、「使う単語は1500語とその派生語のみ」というものだ。中学校卒業までに習う単語が1200語ほどと考えると、その少なさに驚く人もいるかもしれない。この中に含まれていない単語は、含まれている単語を組み合わせて表現する。結果、相手が使っている単語がわからない、という問題がなくなる。

目的のない学習はゴールにたどり着かない



 とはいえ、せっかく英語を学ぶなら、より多くの単語を覚えたほうが、その場にあった単語を選んで使えるのでよいという考え方もあるだろう。それに対し、日本でこのグロービッシュの普及を進めているグローバル人材開発の近藤由紀子理事は「そもそもなぜ英語を話したいのかを考えるべきです」と反論する。

 外国人と商談をする、海外旅行に行く、など具体的な目的がある人ばかりではなく、漠然と「英語が話せるようになったらいいな」と思い、勉強する人もいるだろう。

 もし具体的な目標があれば、身につけるべき英語のレベルは明確だ。商談をするなら、覚えるべき単語は自社の事業にかかわるものが中心となるだろう。具体的な目標があれば、英語学習にも熱が入り、身に付きやすい。韓流スターのファンが、韓国の雑誌を読んだり韓国語でファンレターを書いたりするために、必死で韓国語の勉強をし、短期間で上達するのと同じだ。

 だが、具体的な目標がない場合、一体どれくらい英語を勉強すればよいかがわからない。いくら学んだとしても、そもそもゴールが明確ではない以上、いつまで経ってもゴールにたどり着くことができず、途中で学ぶ意欲を失うことさえもあるだろう。その上、「1年以内にネイティブ並みに流暢に英語を話す必要性が生じる人はほとんどいないはず」と近藤理事は指摘する。一生懸命勉強したところで、費やした時間に見合った活用の場さえもないのだ。

 英語を話す目的自体が定まっていないのであれば、まずは1500語を覚え、グロービッシュを使って話してみることを目標にするとよいと近藤理事は話す。日本人は中学生の時から何年間も英語を勉強している。また、日常使っている言葉の中にも「タクシー」など英語は多い。だからグロービッシュで話すのは難しくないはずだ。一歩踏み出して話してみることで、話すことへの抵抗は薄れ、コミュニケーションをとる楽しさを味わえる。

「英語は使えば使うほど、上達する」(近藤理事)ため、完璧に英語が身についてから英語を使うよりも、たとえたどたどしくても積極的に話したほうが効率的に身につく。実際に発信をして、もっと表現力をつけたいと思えば、より多くの単語を覚えればよい。

 日本人は間違えることを非常に恐れるが、「相手に自分の考えていることが伝わればいい。多少失敗しても気にする必要はありません」と近藤理事は話す。「間違えたからといって外交上の一大事になるような場面で英語を話している人なんてほとんどいません。せいぜい海外旅行中に、イメージとは違う料理が運ばれてくるくらいでしょう」。

 加えてグロービッシュで使う文法は非常にシンプルだ。複雑な構文ともなれば間違う可能性は高くなるが、あえてシンプルな構文を選べば間違う可能性は減る。話す際のハードルは低くなるのだ。

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