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裁判員候補者の出頭率が低下の一途 2016年度は23.7%

最高裁のホームページに裁判員制度に関する2017年1月末の速報が掲載されています。

そこに掲載されている裁判員候補者の出頭率が前年度に比べてもさらに低下しています。
その数字は何と23.7%です。前年度の24.5%からさらに下がりました。

2017年1月末の速報値は、さらに低下し、20.9%です。
この時期は数値としては低くなるようですが、それにしても20.9%とは5人に1人しか出頭しないという状況です。

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ちなみに当局は発表する「出席」率は、下段の数字である64.8%です。この数字は、裁判員候補者が辞退を申し入れたような場合には、法定の辞退事由を厳格に適用することなく広く辞退を認める運用によって、出頭しない可能性のある候補者は最初から除外しています。そのため当局が出頭義務があるとする候補者は来たくないという除いた数字ということになり、この母数として算出したのが「出席率」です。

それでも制度が始まった当初は8割の出頭率と言われていました。最高裁の統計によれば83.9%です。
それが既に64.8%にまで下落しているのです。
ちなみに2017年1月末の速報値では60.9%です。

今時の司法改革の中で同じように創設されたものに法科大学院があります。この法科大学院志望者の激減は、目に見えて法科大学院の経営を圧迫しますし、文科省、法科大学院側は危機感に満ちあふれていますが、これに比べると裁判員制度は、惰性で続いています。これは裁判所がとりあえず必要な裁判員さえ確保できればよいというスタンスになったからです。

候補者(国民)の拒否が強まれば、裁判員裁判の歪みはなお一層、ひどくなります。
弁護士会の中でも裁判員制度を絶賛する人たちがいますが、その中でも特に刑事弁護系の人たちにとっては、憂うべき状況になっています。

裁判員裁判の死刑判決が高裁で破棄される 守られるべきは先例ではなく基準 勝手に作られる裁判員制度の意味

ここまで裁判員制度に弊害が生じていながら、何故、裁判員制度の問題点を正面から議論しないのでしょうか。いつまでも惰性によって流されるままにしておくべきではありません。

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