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「共謀罪」の制定を求める疋田淳弁護士たち 警察は権力を濫用しないと言い切る異様さは「癒着」構造

 共謀罪は日弁連をあげて反対しています。このような悪法の制定を許してはなりません。

 さてこの共謀罪に堂々と「賛成」し、「推進」する弁護士たちが名乗りをあげました。
 報道では、疋田淳弁護士と木村圭二郎弁護士の名が上がっています。
弁護士有志「共謀罪の制定を」、反対論は「国民の生命への危険をなおざりにしている」」(弁護士ドットコム)

 もちろん個々の会員弁護士がどのような立場であろうと自由なのですが、この共謀罪は、どこをとっても問題だらけの法案なので、これに賛成というこの弁護士たちは、恐らく自らの政治信条や感情が法解釈・法原理よりも優先してしまっているのでしょう。
 一番、驚いたのはこの部分です。
(前掲弁護士ドットコム記事より)
「犯罪の計画段階で処罰できる共謀罪をめぐっては、「法律が濫用(らんよう)されるのではないか」「現代の治安維持法だ」といった懸念の声が根強く残っている。日本弁護士連合会も2月17日付で、「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見」を発表した。
 こうした状況について、提言書は「現実には考えられない『濫用』の危険を抽象的に述べるだけで、組織犯罪対策としての共謀罪に反対する立場は、国民の生命・身体に対する危険を等閑(なおざり)にするものとしか言いようがない」としている。」

 警察などの捜査機関が『濫用』は現実的には考えられないというのです。
 いやいや驚きです。警察などの捜査機関が権力を濫用する現実的には考えられないなんて、この人たちは憲法をどのように学んだのでしょうか。
 警察が権力を濫用する事例など、数多くあるではありませんか。
 古くは神奈川県警による共産党幹部宅盗聴事件ですが、疋田氏らはとっては、東西冷戦下のもう古い事件だ、もう警察はそんなことはしないとでも言うのでしょうか。
 では、2016年7月に大分県でおきた民進党選挙事務所への監視です。別に終戦後とか、安保闘争の時代ではなく、この直近でも権力濫用は行われているです。
大分県警別府署の野党に対する監視行為 再発防止という次元の問題ではない 必要なのは政治(公安)警察の解体だ

 1998年11月に早稲田大学に江沢民が来たときも、警察は誰が出席したのかなどの公安情報の収集に勤しんでいましたが、このような捜査が違法であることは当然です。国民の政治活動の自由に対する干渉ですから許されるはずもないのです。
 2016年9月には18歳選挙権が認められ、高校生の投票もありましたが、投票率の高かった高校に対し、警察が「調査」を行うという暴挙までありました。
 この弁護士たちは、こういった公安警察の諜報活動をどのように評価するのでしょうか。
警察が高校に高投票率の理由を調査することの意味 圧力以外のなにものでもない 政治警察体質は問題だ

 ところで、この共謀罪を推進する弁護士たちの特徴は、上記弁護士ドットコムの記事によると「主に暴力団による被害対策に取り組む全国の弁護士ら計130人が賛同している」だそうです。
 暴力団被害への対応としては警察との「協力」は欠かせませんが、そこに一種の「信頼」が生まれるのでしょうか。
 ただ世間的には、こういったものは「癒着」と言います。

 警察との関係でいえば、かつては暴力団犯罪との癒着さえ言われていました。一部の警察官が密通していたりなどという構図は、現在でも時折、便宜を図ったとか、その見返りになどという事件はあります。
 問題なのは、そういった個別の警察官の癒着ではなく、むしろ警察が暴力団を利用するために温存してきたということです。その暴力団が警察の手のひらの上では収まりきれなくなり、いよいよ暴対法という取り締まりに舵を切ることになったものです。
暴力団対策、何故、報復?

 こういった意味においても警察は権力です。ヘイトデモでも問題になりましたが、警察と一体となって対応するということには問題はありますし、そこに信頼ということは基本的には相容れないものです。
 にもかかわらず、暴力団対策において、日常的に警察との間で「癒着」している弁護士が権力の濫用の危険はないなどと言ってみても何の説得力もありませんし、弁護士が国民を欺す役割を果たすという意味では非常に悪質です。

今や弁護士が権力の足下を照らすようになってしまった…
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 以前、DVなどに取り組む女性の弁護士から聞いたのですが、被害届(告訴状)を警察に受理させるのもやはり闘いではあるのですが、一部には、「警察と仲良くなることが大事」などという弁護士がいるということを聞かされ、私も唖然としたことを覚えています。
 そこにあるのはまさに「癒着」なのです。

 昨今、法務省は、共謀罪では合意段階では強制捜査はしないと表明していますが、このような「見解」には何の意味もありません。捜査機関と裁判所の問題になり、法務省の手は離れてしまいますし、何よりもそのような「見解」に拘束されません。
 共謀罪に反対する国民向けの欺しの手口なのですが、そこを信頼するということにはなりえないわけです。

 極右思想丸出しの弁護士が言っているのであればまだ分かりやすい構図ですが、暴力団対策ということで被害者の味方であるという立場から、警察は信頼できると吹聴するのは、政府のデマ宣伝に加担しているだけなのです。

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