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有人国境離島を守るために

「国づくり、地域づくりは、人づくりから」参議院議員(全国比例区)の赤池まさあきです。

3月6日(月)、午前7時34分頃、北朝鮮が弾道ミサイル4発を発射し、3発が我が国の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとのことです。ちょうど米韓合同軍事演習中でもあり、それへの対抗措置とも見られます。安倍総理は、ただちに3点の指示を出しました。

①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと。

②航空機、船舶等の安全確認を徹底すること

③不測の事態に備え、万全の態勢をとること

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20170306_siji.html

参議院では、予算委員会が終日開催されています。予算委を中断して、官邸では国家安全保障会議が開催されています。

その他の各委員会でも、所管大臣の所信演説が実施される予定です。これを、国会用語で「店開き」と言います。私が委員長を務める文教科学委員会では、午後から理事懇談会を開催し、今後の委員会運営について話し合いを行います。

●有人国境離島法が4月から施行

私も以前視察させて頂きましたが、韓国との国境の島、対馬では外国人による、自衛隊近接地の土地購入の問題が発生しました。尖閣諸島のように連日安全保障上の問題があり、また我が国の排他的経済水域(EEZ)内での外国勢力による資源を搾取する問題が、指摘され続けてきました。土地購入に関しては、WTO(世界貿易機構)の内外無差別の協定によって、外国人という理由だけでは、土地購入を規制できませんでした。そこで、以上の問題解決に向けて、有人国境離島を保全し維持する議員立法が、関係議員の尽力によって昨年平成28年4月に制定され、今年平成29年4月から10年間の特別措置法と施行されます。

「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法案」

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19001018.htm

同法には、目的(1条)、定義(2条)、国の責務(3条)、基本方針の策定(4条)、国の行政機関の施設の設置(5条)、国による土地の買取り等(6条)、領海・排他的経済水域等の保全等に利用される港湾、漁港、道路及び空港の整備(7条)、外国船舶による不法入国等の違法行為の防止(8条)、国や地方が広域の見地からの連携(9条)、都道府県計画の策定(10条)、財政上の措置(11条)、船や航空機の運賃低廉化(12・13条)、生活や事業活動の物資の費用負担軽減(14条)、雇用機会の拡充(15条)、漁業活動の安定確保(16条)、啓発活動(17条)が、定められています。

●国が基本方針、都道府県が計画を作成、予算で支援

同法に基づき、4月1日には施行され、国が基本方針を示します。また、有人国境離島がある都道府県が保全や維持計画を作成することが求められています。我が国の有人国境離島は、29地域148島あります。さらに、その内特に支援が必要な15地域71島を「特定有人国境離島」として位置づけ、新規に予算を計上して支援する予定です。

「有人国境離島」 29地域148島の保全策

⑴離島部署の施設整備、不審・不法行為の対応、航路標識の防災対策(海上保安庁)

⑵部隊の新編・増強、施設整備、装備品の能力向上(防衛省)

⑶港湾・漁港・道路及び空港の整備(水産庁、国土交通省)

⑷離島と本土等との連携の強化(内閣府)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/ritou_yuusiki/h28_01/51point.pdf

「特定有人国境離島」15地域71島の維持策(内閣府) 写真の場所

⑴特定有人国境離島の地域社会の維持に係る交付金 50億円

国が地方公共団体へ交付率10分の6の交付金を支給し、以下を実施してもらいます。

①運賃低廉化、②物資の費用負担の軽減、③滞在型観光促進、④雇用機会の拡充

⑵特定有人国境離島の地域社会維持に係る利子補給金 0・3億円

離島の事業者への融資を行う地域金融機関に対して利子補給を行います。

初年度融資目標額は11億円です。

⑶有人国境離島政策の推進に係る調査 0・1億円

専門家を現地に派遣して、モニタリングやアドバイスを行います。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/ritou_yuusiki/170227/170227_yosan.pdf

●離島活性化の提言

それに先立ち、先月2月に大正大学の清水愼一教授が座長を務め、有識者で構成される「特定有人国境離島地域の地域社会の維持の施策推進に関する分科会」が、次のような離島活性化の提言をとりまとめています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/ritou_yuusiki/170227/170227_torimatome.pdf

Ⅰ 産品の販路拡大・ブランド化に関する提言

⑴ブランドの確立と地域商社による販売

・島根県西ノ島町では、地元産品の白イカについて「由良比女命にお詫びをするために白イカは群れとなり、西ノ島の由良の浜に押し寄せるようになった」という伝説があり、こうしたストーリーとともに売り出すことが効果的である。

・長崎県青島では、島民全員参画による地域商社の一般社団法人「青島○(マル)」を設立し、地域水産物の販路拡大等に取り組んでいる。

⑵産品の付加価値向上

・鹿児島県十島村では、急速冷凍装置と三枚おろし加工機械を導入し、雇用の創出とともに産品の付加価値向上に成功している。

⑶消費地である本土との連携強化

・島根県海士町では、離島の食材で料理を提供する店舗「離島キッチン」を東京に開設している。海士町のみならず、全国の離島の食材・料理を提供しており、これにより、島のことを知り、実際に島を訪問する人も出てきている。

Ⅱ 観光に関する提言

⑴国境離島の独自性をテーマにした観光

・古代から中国や朝鮮半島との中継地点であった対馬は、日本の交通の要地として栄えてきた歴史がある。

⑵地元食材を使った食事の提供

・新潟県佐渡市では、冬季の観光として、寒ブリ、ノドグロ、活ズワイガニ及び牡蠣を食べる二泊三日のツアーを募ったところ、参加人数限定の販売であったが、2週間程度で完売するほど盛況であった。

⑶多様性、高品質の観光

・長崎県小値賀町では、東洋文化研究者のアレックス・カー氏によって古民家改修が行われ、宿泊施設として素泊まり1万円を超える高価格帯での顧客獲得に成功している。

⑷地域の伝統文化・営みの観光化

・鹿児島県十島村では,村の伝統文化である狂言(口之島)やボゼ祭りを観光客に体感してもらう観光ツアーを行っている。

⑸観光客のターゲット・ニーズの明確化

・石川県舳倉島、山口県見島、長崎県対馬では、渡り鳥、珍鳥、迷鳥のバードウォッチングのメッカとして毎年たくさんのバードウォッチャーが訪れる。

⑹日本版DMOの役割

・長崎県小値賀町では、民泊を活用した教育旅行を誘致してきた。その際に観光協会、自然学校、民泊組織等を一本化してNPO法人「おぢかアイランドツーリズム協会」を発足させ、日本版DMO(Destination Management Organization:デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の基礎となった。

⑺交通機関の工夫

・北海道利尻・礼文のハートランドフェリーでは、ボーディングブリッジを設置し、高齢化対策、観光客へのホスピタリティーの向上を図っている。また、夏の観光シーズンに船内のラウンジ等にあるモニターで利尻島・礼文島の観光映像を上映している。

Ⅲ 研修・教育など交流に関する提言

⑴離島留学生の受入、大学生の離島訪問など若者の交流を促進

・島根県海士町では、「巡の環」というIターン者が立ち上げた民間企業が、島で企業研修を開催している。JICAとの連携により海外の行政官も研修にきている。離島だからこそ残されている文化、それに基づく景観、コミュニティのあり方など、離島には学びになる要素がある。

⑵企業研修や生涯学習の実施

・島根県立隠岐島前高校では、地域を生かしたカリキュラムや公立塾と連携した教育などにより、島内からの進学も、本土からの留学生も増加した。高校までの段階で島のことを知っておくことで、大学で島を学びたいという意欲につながる。

⑶離島で活動する人材の育成

・東京都八丈町では、大人の学び場「八丈島熱中小学校」を開校した。各地で地域課題を解決する人材の育成、交流人口の増加に取り組んでいる。

以上、離島活性化のためにも、来年度予算案を年度内に成立させて、私なりに教育や文化面から支援していきたいと思います。

私は、わが国の伝統的な精神、智・仁・勇の「三徳」に基づき、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、全ては国家国民のために、日々全身全霊で取組みます。

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