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日弁連臨時総会にみる白紙委任状問題と変造問題

 2017年3月3日に日弁連では臨時総会が開催され、弁護士が横領した場合における見舞金給付制度、総会に定足数を導入する規約改正が議題となり、いずれも賛成多数で可決されています。
 私の見解は、見舞金給付制度については賛成、定足数導入については導入自体には賛成だが5000という数字に疑義があり、そのため棄権、という投票となりました。
日弁連総会の定足数新設のための会則の変更について

 もっとも私自身は、臨時総会には出席していませんので、事前に提出した委任状にそのように記載(投票)したものです。

 さて、この日弁連臨時総会の議場では、委任状の変造(偽造)問題が大きくクローズアップされています。
 上記議案に反対の東京弁護士会所属の会員が同様の見解を持つ会員の委任状18人分を行使しようとしたところ、3名分について、委任先の名前が別人に書き換えられ、東京弁護士会会長印が押されていたというものです。
 議場では変造ということが声高に叫ばれていたようですが、その後の弁護士ドットコムに掲載された記事を読む限り、不自然な点は全くなく、事務局サイドの事務手続きミスというものでした。要は変造にあたらないということです。
日弁連「委任状改変」疑惑の顛末…「超アナログ」事務作業で起きた「恥ずかしいミス」」(弁護士ドットコム)

 この問題で執行部が意図的にやったということはあり得ませんし、ミスレベルのものですから、この問題で鬼の首を取ったような態度を取ることは慎むべきでしょう。
 ちなみに札幌弁護士会では、委任先が白紙の場合には、議場にきた会員にその場で2枚(2枚まで委任状行使ができる)を配布し、受領した会員がその空欄の委任先に自分の名前を書き込むという運用がなされています。白紙ということはその議場に来た会員であれば誰でもよいという意思を示したものとして扱ってきたということです。
 日弁連総会の場合には、数も多く、東京弁護士会は規模からいっても多くの委任状処理をしなければならない状況があり、事前に委任状を割り振りしておかなければならないということになるのでしょう。

 問題はそこではなく白紙委任状の多さです。
 2000通の白紙委任状ということなのですが、全体の投票数がおおよそ12000票強ですから、2割近くが東弁票として白紙委任だったわけです。東京に限らず、白紙委任状は少なくないということです。

 かつて日弁連の総会は、執行部派が執行部に賛成の委任状を事前に取り付け、それで勝敗が決まると言われていました。実際に「賛成」の委任状は多いんだろうとは思います。

 問題になるのは投票行動まで「一任」となっている場合です。その委任状を割り振る先を誰にするのかということによっては、片寄った委任先ということになります。執行部、その意向を受けた会員だけに割り振れれば、「賛成」票に早変わりするからです。それが2割強にもなるわけですから、影響は大きいものになります。

 白紙委任状の提出先が執行部だというのであれば、逆の見方をすれば執行部に対する白紙委任ということにはなってしまうので、根本問題はそこにありますが、白紙委任状についての取り扱いは別途、検討する余地はあるでしょう。
 白紙委任状の多さは、それこそ弁護士自治の根幹に関わる問題です。

 もう1つは投票率(出席率)の低さ問題です。5割を大きく割っています。
 弁護士人口の激増こそが招いた事態でもあります。このままでは弁護士自治とは逆の方向に行きかねません。

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